恋は突然に愛は永遠に 【若当主アルファ×訳ありオメガ】 ~ツンデレ同士の両片思いは、実るんですか?~

大波小波

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 薄く開いた瞼の奥に輝く琉果の瞳は、深い琥珀色だった。
 まるで魔力に惹かれるように、拓真はその目に心を射抜かれていた。
「車に乗せろ。屋敷へ連れて帰る」
「かしこまりました」
 水瀬は軽々と琉果を抱えると、拓真に次いで自動車へ乗り込んだ。
 屋敷には、拓真の健康管理のために、あらゆる分野の医療スタッフが常駐している。
(この少年も、彼らに診てもらえば安心だ)
 ともかく、拓真がこの少年を見捨てなかったことが、水瀬には嬉しかった。
 琉果の頭を自分の膝に乗せ、水瀬は濡れた髪をタオルで拭いてあげていた。
 すると静寂を破って、ふいに拓真が声を掛けてきた。
「水瀬、代わろう。私が、彼を拭いてやる」
「いいえ、そのような。拓真さまのお手を煩わせることは……」
「私が、代わる、と言っているんだぞ?」
「かしこまりました」
 この少年は、体のどこかを傷めているかもしれない。
 心配なので、水瀬と拓真が席を入れ換わる形となった。

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