恋は突然に愛は永遠に 【若当主アルファ×訳ありオメガ】 ~ツンデレ同士の両片思いは、実るんですか?~

大波小波

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第二章 琥珀色の瞳

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 冷たい小雨の降る中、水瀬は琉果を軽く揺すった。
「君、名前は? 言えるかい、名前は?」
「うぅ……」
 小さく呻いた琉果に、水瀬はホッとした。
 死んでは、いないようだ。
「病院へ運んだ方が、良いでしょう」
 水瀬の言葉は、もっともだ。
 だが拓真は、心配より苛立ちの方が大きかった。
 早く帰って、汚らわしいパーティーの残り香を清めたいのだ。
 そして、屋敷内に囲っている可愛い愛人たちと、ベッドの上で遊びたいのだ。
 放っておけ、と言いかけた。
 実際、ひき逃げしようと構わない。
 花菱家の人間は、たとえ罪を犯しても、揉み消すだけの権力を持っていた。
「放って……いや、待て」
 拓真は、ドライバーの持つライトに照らされた琉果と、目が合ったのだ。

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