引きこもりアラフォーはポツンと一軒家でイモつくりをはじめます

第二章 一軒家はモノノケたちのなんなのか

おひるは騒がしい（１）

　太陽が真南に来たからお昼さ。そういうことでお昼ということのようだ。ここでは時間などどうでもいいような気がしないでもないが、とりあえずこの付近にいる人間は村瀬一人だけのようだった。しかし、一軒家に近づくとなんかの気配がした。そういえば、キキョウって畑に行かず何をしていたのか不思議に思っていた。

　「ただいま」

　村瀬が家に入るとお膳には結構豪勢にみえる料理が盛られていた。もっとも、引きこもり生活を数年していた村瀬の昼ご飯の定番が袋ラーメン半分か菓子パン一個あれば豪華と思っているほどの状態であったので、素朴な料理でもそうみえたのかもしれない。

　「おかえりなさい村瀬さん、用意できましたわ。それにしても人間の料理を作るのは久し振りなんで、結構頑張りましたよ」

　キキョウはニコニコしながら出迎えてくれたが、気になる事があった。隣の部屋にも色々なお膳が置かれていた。こんな山奥の一軒家になぜなんだと。

　「ありがとうございます。それにしても他にも誰か来られるのですか？　いっぱい用意されているようですけど」

　するとキキョウはあっけらかんにこういった。

　「あれらですか？　ここは食堂なんですよ。ここって密かな名料理店ですわ」

　料理店？　でも、こんな山奥に客が来るようにも思えないし、それに人間の料理を作るのは久し振りtおいっていたし。すると、すぐ疑問は解けた。

　「キキョウ、お邪魔するぞ！　聞いたぞ、今日から人間がやってくるんだってな。そいつはビビりあがっていやしないかい？」

　そういって入ってきたのは・・・鬼だった！