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第一章 引きこもりアラフォーポツンと一軒家に行く
はじめての(4)
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お昼になろうとしていた。さすがに村瀬もばててきた。農作業のように単調な作業の繰り返しは気分は楽だった。人が相手だったり、機械の都合に合わせてやるなど、相手のペースに合わせて仕事しなくてもよいからだ。全ては自分のペースだ。まあツクモ神の鍬がコントロールしてくれていたのであるが。なにがばてたのかといえば、本当に身体を動かして働くというのが久しぶりだったからだ。
村瀬は痩せ体型でひょろ長いもやしのような男だ。スタミナなんてありそうにみえなかった。そんな男を何故、田貫がスカウトしたのか分からなかった。
「そろそろ休みにするか。ところでお主の霊力結構強いな!」
ツクモ神の言葉に村瀬ははっとした。たしか以前に似たような事を言われた気がした。あんた幽霊でも見えるのかと。その時は、ただの勘違い野郎といわれたが。
「霊力? ですか。そうしてそういわれるのですか?」
そういうと、ツクモ神の鍬から光が強く輝いてた。
「お主、気付かなかったか? ここは並の人間がいると、数時間ぐらいで気を失うんだ! 悪くすれば昏倒するんだ。ここで働くには一定以上の霊力が無ければならないんじゃ。だからお主は合格ってわけさ」
「それって?」
「受け入れるって事さ! 試験は合格! さあキキョウが昼飯作って待っているから戻ろう」
そのとき、村瀬はやっと受け入れてくれる場所にはじめて出会ったような気がしていた。だが、あのポツンと一軒家に戻るととんでもない事になっていた。
村瀬は痩せ体型でひょろ長いもやしのような男だ。スタミナなんてありそうにみえなかった。そんな男を何故、田貫がスカウトしたのか分からなかった。
「そろそろ休みにするか。ところでお主の霊力結構強いな!」
ツクモ神の言葉に村瀬ははっとした。たしか以前に似たような事を言われた気がした。あんた幽霊でも見えるのかと。その時は、ただの勘違い野郎といわれたが。
「霊力? ですか。そうしてそういわれるのですか?」
そういうと、ツクモ神の鍬から光が強く輝いてた。
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