186 / 200
奪われる頭脳よみがえる悪夢
165・電脳は人の夢を見るの?
しおりを挟む
後で聞いたことであるが愛莉の電脳は三日間シャットアウトしていた。それは淳司が意図的にしたものであったが、当然その時は何が起きているのか分からなった。
愛莉は森の中を彷徨っていた。電脳化された意識も夢をみるのかと不思議に思っていた。ただ、周囲は黄昏のように薄暗く色が少なかった。自分の姿はガイノイドのままであったが、なぜかボロボロだった。
「夢ってみるの・・・でもはっきり起きたとき覚えているかしら?」
全身拘束刑を受けるまで、就寝中に夢を見る事はあった。しかし、それらは起きたら瞬間的に忘れるものであった。だから、そう考えてしまった。よく聞いた話で夢だと分かったら好き勝手出来るとというものがあったが、そんなことは出来なかった。状況がわからないから。その森は見たことがあった・・・これは全寮制の女子高の周囲だと! そう思ったらいつの間にか校舎にいた。そして教室に誰かいないかと探していたら、懐かしい感じがした。それは・・・
「お姉ちゃん! ずっと探していたのよ!」そういって泣きながら抱きついてきたのは安養寺真由美だった。
「真由美ちゃん? 何していたの・・・それに制服姿?」夢の世界であるが、違和感があった。真由美は同じ大学生だし・・・ガイノイド姿なのになぜ愛莉だと認識できるのか、それに彼女は車椅子ではなく普通に自分の足で立っていた。
「そんなのいいじゃないの! 会えたんだから」そういって嬉しそうに踊るかのように飛び跳ねていた。その表情は見たことあっても健常者のように飛び跳ねるのは見たことなかった。
真由美の両脚は事故で損傷し機能が失われていたが、サイバネティクス技術が進歩した現在では、健常者と同じ事が出来るはずだった。でも、彼女は機械化義足にする手術をずっと拒否していた。
「真由美ちゃん、その足どうしたの?」
「これ? 私の本当の姿よ! だって、そうでしょ、お姉ちゃんだってこうすれば・・・」
真由美が呪文のようなことを唱えると、愛莉は高校時代の自分の姿になった。
「これでよし! では、話があるわ! ちょっと移動するわ!」 真由美がそう言うと、周囲の光景が一気に変わった。それは、見たことのない空間だった。
「こ、ここは?」
「オリジナルのエキゾチックブレインよ! 麗華にあった」
「なぜ、ここなの?」
「お姉ちゃん、ずっと隠していたことがあるのよ。オリジナルの安養寺真由美はボディはあってもすでに意識は存在しないのよ! 気付いていないけど、私は電脳なのよ!」
真由美は不気味な笑みを浮かべていた。そんな彼女を見たことがなかったので恐怖していた愛莉であった。
愛莉は森の中を彷徨っていた。電脳化された意識も夢をみるのかと不思議に思っていた。ただ、周囲は黄昏のように薄暗く色が少なかった。自分の姿はガイノイドのままであったが、なぜかボロボロだった。
「夢ってみるの・・・でもはっきり起きたとき覚えているかしら?」
全身拘束刑を受けるまで、就寝中に夢を見る事はあった。しかし、それらは起きたら瞬間的に忘れるものであった。だから、そう考えてしまった。よく聞いた話で夢だと分かったら好き勝手出来るとというものがあったが、そんなことは出来なかった。状況がわからないから。その森は見たことがあった・・・これは全寮制の女子高の周囲だと! そう思ったらいつの間にか校舎にいた。そして教室に誰かいないかと探していたら、懐かしい感じがした。それは・・・
「お姉ちゃん! ずっと探していたのよ!」そういって泣きながら抱きついてきたのは安養寺真由美だった。
「真由美ちゃん? 何していたの・・・それに制服姿?」夢の世界であるが、違和感があった。真由美は同じ大学生だし・・・ガイノイド姿なのになぜ愛莉だと認識できるのか、それに彼女は車椅子ではなく普通に自分の足で立っていた。
「そんなのいいじゃないの! 会えたんだから」そういって嬉しそうに踊るかのように飛び跳ねていた。その表情は見たことあっても健常者のように飛び跳ねるのは見たことなかった。
真由美の両脚は事故で損傷し機能が失われていたが、サイバネティクス技術が進歩した現在では、健常者と同じ事が出来るはずだった。でも、彼女は機械化義足にする手術をずっと拒否していた。
「真由美ちゃん、その足どうしたの?」
「これ? 私の本当の姿よ! だって、そうでしょ、お姉ちゃんだってこうすれば・・・」
真由美が呪文のようなことを唱えると、愛莉は高校時代の自分の姿になった。
「これでよし! では、話があるわ! ちょっと移動するわ!」 真由美がそう言うと、周囲の光景が一気に変わった。それは、見たことのない空間だった。
「こ、ここは?」
「オリジナルのエキゾチックブレインよ! 麗華にあった」
「なぜ、ここなの?」
「お姉ちゃん、ずっと隠していたことがあるのよ。オリジナルの安養寺真由美はボディはあってもすでに意識は存在しないのよ! 気付いていないけど、私は電脳なのよ!」
真由美は不気味な笑みを浮かべていた。そんな彼女を見たことがなかったので恐怖していた愛莉であった。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる