62 / 198
エリーは探偵として推理する
62・なぜなの?
しおりを挟む
丹下教授がエリーのマスターとして登録されている! だからといって全身拘束刑受刑者が内臓されていると知っているのは大学のごく一部の幹部のはずだった。具体的な範囲は分からないが、丹下教授が知っているというのは淳司から聞かされていなかった。そういえば、淳司はなぜ丹下犯罪学研究所にデスクを構えているのかという謎もあった。もしかすると、そのあたりが鍵なのかもしれなかった。
愛莉はこの時点では人間に対し従順な機械奴隷のガイノイド・エリーとして振る舞うしか出来なかったので、質問することは許されなかった。だから指示された通り、作業を続けるしかなかった。その間、目線の先に丹下教授の姿を見るたびに気になっていた。
「そういえば丹下教授は法学部所属なんだから私が選択できる科目なんてなかったよね。でも先生の話は知っていたわね。真由美ちゃんのお父さんが推理探偵が好きって話をしていたわね」
その時、思い出していたのは大学入学のお祝いとして安養寺家に招かれた時のことだ。高校時代、保護者の同意なしで実家以外に行ってはならないという学則があったのだが、法的な保護者などいない愛莉は両親の墓参りすら支障があった。だから安養寺家に行ったのは学友では初めての事だった。そのとき、安養寺家に宿泊したのだけど、推理小説に関する書籍や舞台衣装などのコレクションが陳列されていた光景だ。そういえば、この犯罪学研究所とよく似ていることに気付いた。
なんでそんなことを思い出したのだろう? 愛莉は理由を考えたが分からなかった。考え込んでいる間も身体は勝手に動いているので、違和感があった。その時、エリーの統括システムと愛莉の自我が分離していた。それはまるで、愛莉はロボットに憑依している幽霊みたいなものなのかしらと感じていた。身体は機械にされ、その身体は勝手に動いていてまるで生きる屍、でも身体を奪われた人間の自分はここにいる! なぜなのよ! はやく、エリーの身体を自由に使いたくなっていた。すると、淳司が出勤してきた。
愛莉はこの時点では人間に対し従順な機械奴隷のガイノイド・エリーとして振る舞うしか出来なかったので、質問することは許されなかった。だから指示された通り、作業を続けるしかなかった。その間、目線の先に丹下教授の姿を見るたびに気になっていた。
「そういえば丹下教授は法学部所属なんだから私が選択できる科目なんてなかったよね。でも先生の話は知っていたわね。真由美ちゃんのお父さんが推理探偵が好きって話をしていたわね」
その時、思い出していたのは大学入学のお祝いとして安養寺家に招かれた時のことだ。高校時代、保護者の同意なしで実家以外に行ってはならないという学則があったのだが、法的な保護者などいない愛莉は両親の墓参りすら支障があった。だから安養寺家に行ったのは学友では初めての事だった。そのとき、安養寺家に宿泊したのだけど、推理小説に関する書籍や舞台衣装などのコレクションが陳列されていた光景だ。そういえば、この犯罪学研究所とよく似ていることに気付いた。
なんでそんなことを思い出したのだろう? 愛莉は理由を考えたが分からなかった。考え込んでいる間も身体は勝手に動いているので、違和感があった。その時、エリーの統括システムと愛莉の自我が分離していた。それはまるで、愛莉はロボットに憑依している幽霊みたいなものなのかしらと感じていた。身体は機械にされ、その身体は勝手に動いていてまるで生きる屍、でも身体を奪われた人間の自分はここにいる! なぜなのよ! はやく、エリーの身体を自由に使いたくなっていた。すると、淳司が出勤してきた。
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。
機械娘フェチ作品撮影!
ジャン・幸田
SF
わたし、とあるプロダクションに所属するモデルだったの。一応十八禁作品出演OKとしていたけど、恥ずかしかったの。
そいで顔出ししないでもいいという撮影があったので行ってみると、そこでわたしはロボットのようになれということだったの。わたしはガイノイドスーツフェチ作品に出演することになった。
ロボットウーマン改造刑を受けた少女
ジャン・幸田
SF
AI搭載型ロボットが普及した未来、特に技能のない人間たちは窮地に陥っていた。最小限の生活は保障されているとはいえ、管理され不自由なデストピアと世界は化していた。
そんな社会で反体制活動に参加し不良のレッテルを貼られた希美は保安処分として「再教育プログラム」を受けさせられ、強制的にロボットと同じ姿に変えられてしまった! 当局以外にはロボット以外の何者でもないと認識されるようになった。
機械の中に埋め込まれてしまった希美は、ロボットウーマンに改造されてしまった!
バイトなのにガイノイドとして稼働しなくてはならなくなりました!
ジャン・幸田
SF
バイトの面接に行ったその日からシフト?
失業して路頭に迷っていた少女はラッキーと思ったのも束の間、その日から人を捨てないといけなくなった?
機械服と呼ばれる衣装を着せられた少女のモノ扱いされる日々が始まった!
昼は学生・夜はガイノイド
ジャン・幸田
SF
昼間は人間だけど夜になるとガイノイドに姿を変える。もう、そんな生活とはいったい?
女子校生のアヤカは学費と生活費を出してもらっている叔父夫婦の店でガイノイド”イブ”として接客していた。そんな彼女が気になっていた客は、機械娘フェチの担任教師の風岡だった!
彼女の想いの行方はいかなるものに?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる