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ガイノイドは人類の奉仕の為に
12・服役中だろ
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全身拘束刑の囚人は機械として労働するのが義務だった。もちろん改造程度によってその服務内容も異なっていた。元々、愛莉は知能犯とされていたので、その頭脳を使った労務用に改造された。
また外観は完全に人間らしい姿を奪う事をそうていしていたので、一見すると戦闘用ガイノイドのような姿にされていた。だから無骨な外骨格だったわけだ。
愛莉が内臓されたエリーの機能は外部との情報伝達能力が飛躍的に向上しているほかは、多少のパワードアシスト程度しかなかった。もっともオプションで機能のアップグレードはいつでも可能であったが。
そんな情報伝達機能に、囚人としての司法省行刑局への日報発送とは別に構築されていたのが、淳司のクライアントが所属する隠密組織が運営するネットワークへのアクセスラインだ。それを介して淳司とコミュニケーションを取っていた。
「淳司、この学校に黒幕がいるのに間違いないのね? 与えられた情報によれば理工学部の板倉教授だけど、そちらにアイリを行かしたけど大丈夫なの」
ネットワークの中のアバターは愛莉の姿だったが、ここでも高校生の姿だった。それが淳司の好みなのかもしれないけど、それには多少の意味があったようだ。
「たぶん、大丈夫じゃないさ。折を見て改修などと称してアイリの電脳を摘出するはずさ。取りあえず君の仮想人格をインストールしているので、しばらくはごまかせるから、その間が勝負だ! いいな」
淳司はそういって仮想現実の中で、ある情報を提示した。それはというと・・・
「これは、明日から業務だ。研究室に体験入会する学生だが、その学生の介助をしてもらうことになる。そんな障害を持っていても、改造手術に同意しないそうだ。まあ、身体を機械にしたくないのは分かるな!」
淳司の言葉に、アバターの愛莉は激怒していた。愛莉は普段は大人しいがスイッチが入ると癇癪を起す性分だったようだ。
「淳司! あたいはどうなるのよ! そりゃ、協力はさせられたけど主犯にされて重すぎる全身拘束刑に服役させられているのよ! あんな武骨な機ぐるみ脱ぎたいわよ! 本当に! くそー!」
愛莉があんまり悔しそうに言っているので、無理矢理その学生の個人データを送り付けた。そのデータを確認した愛莉は態度が豹変した!
「こ、これって真由美ちゃんじゃないのよ! あの子の学力じゃ帝央に入れそうもないぐらいおバカだったというのに!」
その真由美は愛莉が通っていた全寮制女子高の後輩で、なぜか愛莉をお姉さまと慕っていた妹みたいな少女だった。周りから百合百合だと冷やかされるほど仲良しだったが。
「覚えていたんだ! よかった! その少女の事を良く知っているのよな! 足が事故で不自由になっても下半身だけでも義体化するのに抵抗していたんだと。それで、今でも車椅子生活で、つまりは介助ロボというわけだ。だからそこんところ、よろしくね」
「淳司! でもこれって真由美ちゃんを危険な目に合わせる事にならないわよね? ねえ!」
愛莉は本気に心配していた。たぶん国家的な陰謀なのだから危険な事になりそうなのが分かっていたから。
「それは・・・保証できねえな。でもな、エリーとしては服役中なんだろ? 服役している囚人がなんらかの奉仕をしないほうが不自然におもわれるだろ? 大丈夫さ、俺がついているから!」
そういわれたが、妹のような真由美がここに来るなんて・・・愛梨は少し頭を抱えていた。
また外観は完全に人間らしい姿を奪う事をそうていしていたので、一見すると戦闘用ガイノイドのような姿にされていた。だから無骨な外骨格だったわけだ。
愛莉が内臓されたエリーの機能は外部との情報伝達能力が飛躍的に向上しているほかは、多少のパワードアシスト程度しかなかった。もっともオプションで機能のアップグレードはいつでも可能であったが。
そんな情報伝達機能に、囚人としての司法省行刑局への日報発送とは別に構築されていたのが、淳司のクライアントが所属する隠密組織が運営するネットワークへのアクセスラインだ。それを介して淳司とコミュニケーションを取っていた。
「淳司、この学校に黒幕がいるのに間違いないのね? 与えられた情報によれば理工学部の板倉教授だけど、そちらにアイリを行かしたけど大丈夫なの」
ネットワークの中のアバターは愛莉の姿だったが、ここでも高校生の姿だった。それが淳司の好みなのかもしれないけど、それには多少の意味があったようだ。
「たぶん、大丈夫じゃないさ。折を見て改修などと称してアイリの電脳を摘出するはずさ。取りあえず君の仮想人格をインストールしているので、しばらくはごまかせるから、その間が勝負だ! いいな」
淳司はそういって仮想現実の中で、ある情報を提示した。それはというと・・・
「これは、明日から業務だ。研究室に体験入会する学生だが、その学生の介助をしてもらうことになる。そんな障害を持っていても、改造手術に同意しないそうだ。まあ、身体を機械にしたくないのは分かるな!」
淳司の言葉に、アバターの愛莉は激怒していた。愛莉は普段は大人しいがスイッチが入ると癇癪を起す性分だったようだ。
「淳司! あたいはどうなるのよ! そりゃ、協力はさせられたけど主犯にされて重すぎる全身拘束刑に服役させられているのよ! あんな武骨な機ぐるみ脱ぎたいわよ! 本当に! くそー!」
愛莉があんまり悔しそうに言っているので、無理矢理その学生の個人データを送り付けた。そのデータを確認した愛莉は態度が豹変した!
「こ、これって真由美ちゃんじゃないのよ! あの子の学力じゃ帝央に入れそうもないぐらいおバカだったというのに!」
その真由美は愛莉が通っていた全寮制女子高の後輩で、なぜか愛莉をお姉さまと慕っていた妹みたいな少女だった。周りから百合百合だと冷やかされるほど仲良しだったが。
「覚えていたんだ! よかった! その少女の事を良く知っているのよな! 足が事故で不自由になっても下半身だけでも義体化するのに抵抗していたんだと。それで、今でも車椅子生活で、つまりは介助ロボというわけだ。だからそこんところ、よろしくね」
「淳司! でもこれって真由美ちゃんを危険な目に合わせる事にならないわよね? ねえ!」
愛莉は本気に心配していた。たぶん国家的な陰謀なのだから危険な事になりそうなのが分かっていたから。
「それは・・・保証できねえな。でもな、エリーとしては服役中なんだろ? 服役している囚人がなんらかの奉仕をしないほうが不自然におもわれるだろ? 大丈夫さ、俺がついているから!」
そういわれたが、妹のような真由美がここに来るなんて・・・愛梨は少し頭を抱えていた。
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