悪役令嬢にそんなチートな能力を与えてはいけません!

入海月子

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かわいい聖女②

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「食堂はここよ。ここでトレーを取って、好きなメニューを持っていって、好きな席に座っていいの」
「お代はいらないのですか?」
「いらないわよ? 学費に含まれているのではないかしら?」

 考えたことなかったけど、聖女は平民だからお金のことが気になるのかしら。
 奨学金をもらっているという話だけど。 

「デザートはあちらよ。オススメはフルーツのタルト。シェフが旬のフルーツを市場で仕入れてきて、こだわり抜いて作っているの。食べたいときは、料理と一緒に確保しておかないとなくなっちゃうわよ?」

 最重要事項を教えてあげた。
 セシルも甘いものが好きなようで、目を輝かせた。

 私達はそれぞれ本日の肉料理と魚料理を取って、タルトもしっかり確保した。そして、いつもの席に向かう。

 私がセシルを連れて、その席へ向かうので、辺りがざわついた。
 私だって、ジュリアン様の元へセシルを連れていきたくないわよ!

 同じクラスだけど、選択科目が違うジュリアン様は先に来ていて、私を見ると、ほんわかと心が温められるような笑みをくれた。
 幼い頃からずっと見ているのに、未だに慣れずに胸がときめく。

 彼がセシルに目を向けたので、「慣れない間は昼食をご一緒しようと思って」と言い訳のように私は言う。

「さすが、僕のルビーは優しいね」

 ジュリアン様がにっこり笑う。
 そんなことは全然ないんですけどね。

「セシル、こちらは私の婚約者のジュリアン王子よ」

 念のため、ジュリアン様を紹介すると、セシルは驚きに固まっていた。

 そりゃそうよね。
 こんな麗しい人はなかなかいない上に、王子様だもんね。
 でも、私の婚約者なのよ?
 そこんところよろしくね。

 ぱっと頬を染め、かわいらしい顔でセシルは挨拶をする。

「ご無沙汰しております、ジュリアン王子。セシル・マクスウェルです。同席させていただいてもよろしいのでしょうか?」
「あぁ、前に王宮で会ったね。もちろん、どうぞ?」

 ジュリアン様とセシルは初対面じゃなかったんだ。考えたら聖女に任命されるんだもの、王家が関与していて当たり前よね。

 私はジュリアン様の前に、セシルは私の隣りに座った。ジュリアン様はセシルに一言かけただけで、私に向き直り、週末の予定を聞いてくる。
 思ったよりジュリアンが平然としているので、なぜか私が焦る。

 このかわいい子を見て、なんにも思わないの!?
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