私を抱かないと新曲ができないって本当ですか? 〜イケメン作曲家との契約の恋人生活は甘い〜

入海月子

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38.新アルバム

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「アルバムができたんだ」

 そう言われたのは、公開プロポーズとからかわれてから二ヶ月経ち、ようやく仕事も落ち着いてきた頃だった。
 曲がすべてできたとは聞いていたし、レコーディングを行っていたのも知っていたけど、まさかこんなに早くできるとは思っていなかったから、驚いた。

「本当ですか!」

 藤崎さんに渡されたCDケースを大喜びで受け取る。
 パッケージには、ピンクと水色をベースに様々な色が渦巻いている絵が使われていた。タッチが独特だから、油絵かもしれない。
 そこに、オシャレなフォントでさりげなく『Love Stories』とタイトルが書かれていた。
 
「わぁ、素敵なデザイン!」
「うん、その絵は新鋭画家の作品らしくて、レコード会社がいくつかサンプルで持ってきた中で、断トツで気に入って採用したんだ」
「もうパッケージからときめきますね! 開けてもいいですか?」
「もちろん。それは君だけのオリジナルなんだ。本当の発売はまだ先だけど、特別に作ってもらったプレミアム版」

 そう言われて、息を呑む。
 手の中の物を凝視する。

「オリジナル? 特別に?」
「そう。それにだけボーナストラックが入ってる。世界にひとつしかないものだよ」

 そんなことをさらりと言われて、手が震えた。
 サンプルではなく、シュリンクされた完全に販売品と言っても通るものをたったひとつだけ作る。それがどれだけ手間もコストもかかることか。同じ業界にいるので、よくわかる。普通ならありえないことだ。

(制作会社がよく作ってくれたわよね。そりゃあ、藤崎さんが言えば、なんでも通りそうだけど)

「ちょっと、藤崎さん、なにやってるんですか~! 世界にひとつ? ウソでしょ?」

 うれしいけど、うれしいけど、とんでもないものがここにある!
 藤崎さんは私に心臓麻痺でも起こさせたいのかな。
 バクバクといいはじめた心臓をなだめつつ、本当に少しは自重してほしいと思う。
 そうやって、私が驚愕と感動に打ち震えているというのに、藤崎さんはちょっと拗ねた顔をして、私を見た。

「希、僕はいつまで『藤崎さん』なんだろう?」
「え?」

 今、その話?
 私は今、カリスマミュージシャンの世界にひとつだけのアルバムに畏怖の念を覚えているところなんですけど。
 CDをうやうやしく持ちながら、口を尖らせる。

「そんなこと言ったって、ずっと藤崎さんって呼んでたから、それ以外は違和感がすごいんですもん……」

 ただのファンの時代から、ずっと『藤崎さん』と呼んできた。なんなら『藤崎さま』とも拝んでいたかも。
 その人が今、私の恋人で同棲することになるとは、想像さえしなかった。今でもまだ不思議で夢の中にいるみたいだけど。

「いい加減、慣れてよ。恋人でしょ?」

 改めて言われると、ボッと顔が燃えた。
 
 藤さ……東吾さんが私を腕に囲って、頬にキスをした。
 甘いしぐさに、ポーッとなる。
 うん、やっぱり不思議。
 憧れのミュージシャンで格好よくて優しくて非の打ち所がない彼が、私のことを好きだなんて。

 告白された時は私も気持ちが盛り上がっていたし、東吾さんから懇願されて、同棲することにしたけど、落ち着いていくにつれ、また不安がぞろぞろ顔を出す。
 
(だって、彼と私はあまりにも世界が違いすぎる……)

 東吾さんの気持ちを疑うことはない。
 手にしたCDのように、とんでもなく特別扱いをされているのも感じる。

 それでもやっぱり、私でいいの? いつまで続く?
 そう思ってしまう。
 動画サイトのコメントも当然好意的なものばかりではなくて、『東吾にここまでさせるA子ってヤバくない?』『ものすごい美人とかじゃないと許せないわ!』なんていうものも見てしまった。
 中にはもっと過激なコメントもあった。
 そうだね。ファンの私でもそう思う。

 それに、東吾さんは私をミューズだと言ってくれるけど、他のミューズが現れたら、東吾さんはどうするんだろう?
 そんな日がいつか来るかもしれない。
 プロポーズに未だに返事できないのもそのせいだ。

「希?」

 気がつくと、藤崎さんの綺麗な顔が目の前にあった。
 暗い考えに囚われていた私を覗き込んで、心配そうにしている。
 私は無理にはしゃいだ笑顔を作って言った。

「贅沢すぎるアルバムに放心してただけです。聴いてみてもいいですか?」
「うん、もちろん。じっくり聴いて。このアルバムは最初から最後まで希を想って作ったものだから」

 また、さらりと甘いことを言われて、顔のほてりが治まらない。
 私は定位置、つまり東吾さんに後ろから抱きかかえられて、アルバムを聴き始めた。
 アルバムは以前提案したように、ストーリー仕立てだった。
 
 ──出会いの喜び、片想いの切なさ、すれ違い、うまくいかないやるせなさ、嫉妬、そして、告白。
 
 それぞれの感情に心を揺さぶられ、うっとりとして、そして感動した。
 いつもに増して、藤崎さんの声が甘く深く伸びやかに聴こえた。
 私の大好きな藤崎東吾のアルバムは本当に本当に素晴らしかった。

(これが私を想って作ったものなの?)

 与えられたものが過分すぎて、ぼんやりしてしまう。
 そして、少しの空白があって、最後のボーナストラックは『Marry me, please.』という藤崎さんの甘いセリフでいきなり始まった。
 心の準備ができていなかった。というか、深く感情を掻き混ぜられた状態の私には心にしみすぎて、胸が苦しくなった。
 まぎれもない藤崎さんの愛が、焦がれるような想いが余すところなく伝わって、私は涙をこぼした。
 曲が終わり、私の身体を自分に向き直させると、東吾さんは私の頬を優しく拭った。
 切れ長のきれいな目が私を見つめる。

「希、結婚してください」

 またもや直球のプロポーズ。

(東吾さん……)

 胸がしめつけられる。
 すごくすごくうれしい。なにも考えず、その手を取りたい。
 それでも、私は勢いではうなずけなかった。

(こんなすごい人が本当に私でいいの?)

 アルバムを聴いて、その想いがよりいっそう強まってしまったから。
 愛しすぎて、この人を私に縛ってしまうことにためらいを覚えた。

 そんな私の顔を見て、東吾さんは落胆したように視線を落とした。

「これでもダメか……。君はどうしたら手に入るんだろう?」

 落ち込んだ顔にハッとして、慰めるように彼の頬に手を伸ばす。

「もうとっくに手に入ってますって」
「じゃあ、なんでうなずいてくれないの?」

 私の手を握り、ひたっと東吾さんが見つめてきた。
 その熱く焦がれるような視線に耐えきれず、目を逸らす。

「……だって、不安で……」
「不安? 希はまだ僕の気持ちを疑ってるの?」

 私の手を握る力が強まった。
 不本意そうな声に、慌てて否定した。

「違います! 東吾さんを疑ってなんかいません! 私の問題なんです。自信がないんです。私で本当にいいのか、『藤崎東吾』に本当につり合うのか……」
「まだそんなこと思ってたの? つり合うかどうかなんて、誰が決めるの? 僕が希がいいって言ってるのに!」
「でも! いつか私では物足りなくなるかもしれない。私がいても、曲が書けなくなったらどうするんですか!? スランプになって、つらかったんでしょ? だから、私を求めたんでしょ? また書けなくなくなったら、ほかのミューズが現れたら、どうするんですか……?」

 つい言ってしまった。不安の正体を。
 目を見開いた東吾さんは、苦しげにグッと目をつぶった。
 
「やっぱり信じてくれてないじゃないか……」

 小さくつぶやくと、私の頬に手を当て、顔を近づけた。
 逃さないというように視線を合わせる。

「作曲をしない僕でも好きって希が言ってくれたように、ミューズでない希だって好きに決まってる。それでも希が不安だって言うなら、『藤崎東吾』は今をもって引退するよ。そうしたら、スランプとか気にしなくてもいいでしょ?」
「ダメですよ! そんなの!」
 
 つらそうな声色で告げられた言葉に驚いた私は、ブンブン首を振って、それを止める。

「だって、『藤崎東吾』であることが君を不安にさせるなら、それを辞めるしかないじゃないか」
「ダメです! ごめんなさい。そんなつもりで言ったんじゃ……」

(東吾さんは本気で言ってる!)

 それがわかって、焦ってなんとか思いとどまらせようとする。
 私の不安解消のために『藤崎東吾』が消えてしまうなんて、ありえない!
 絶対ダメ!
 うろたえ、そして、彼の傷ついた目を見て、自己嫌悪に陥る。

(どうしよう……!)

 パニックに陥った私を見た東吾さんは、ふいに手で顔を覆って、大声を出した。

「あああーーッ!」

 驚いて、ビクッと肩が跳ねた。
 東吾さんは溜め息をつくと、今度は絞り出すような声を出した。

「……ごめん。僕はこんなふうに君を脅したいわけじゃないんだ。君の大好きな『藤崎東吾』を盾にするのは卑怯だね。今のは忘れて。ごめん……」

 私から離れて、東吾さんはふらっと立ち上がった。

「ごめん、出直すよ。今回の作戦は自信あったんだけどな」

 おどけたような弱々しい笑みを浮かべて、リビングを去ろうとする。

「藤崎さんっ!」

 背を向けられて、思わず呼び止める。
 彼はなにも悪くないのに、謝って、私を気づかって、私を拘束しないようにしてくれる。優しい人。愛しい人。
 呼びかける私の声に振り向いた彼は、「希、愛してる」とだけつぶやいて、また背を向けた。

「東吾さん! 私も愛してる!」

 体当たりするように背中から彼に抱きつく。
 このまま彼を行かせたくなくて、傷つけたままにしたくなくて。
 
 まだ見ぬ未来に怖がって、東吾さんを傷つけている。
 こんなに彼は愛してくれているのに。

(私が覚悟を決めればいいだけじゃない?)

 そう思うものの、まだ、ためらっている意気地のない私にむけて、東吾さんが歌いだした。


 ~~♪
   なにを押しても なによりも
   君を愛してる
   ただ、君が欲しい

   なにをしても なにを捨てても
   それでいい
   ただ、君が欲しい
   
   でも、それが君の負担になると
   いうなら
   もうなにも望まない
   ただ、そばにいて 
   そばにいてくれたら
   それでいい


 腹をくくろうと思ったのに、優しい彼は私に逃げ道を用意してくれる。

「……結婚が嫌なら、このままそばにいてくれるだけでいいよ」

 そう言って、私の手を取り、甲に口づけた。
 私の好きな声で好きな歌でそんなことを伝えられたら、もう抵抗できない。

「東吾さん、ずるいです」
「うん、僕はずるいよ。君を繋ぎ止めるためならなんでもする」

 自嘲気味に言う東吾さんの背中に顔を擦り寄せる。
 愛しくて仕方ない人をこれ以上待たせることはできないと思った。

(だいたい『藤崎東吾』のためなら、私はなんでもできるはずでしょ? 契約の恋人だって、引き受けたくせに。それなら、愛しい恋人の藤崎東吾のためなら? もっとできるに決まってる!)

 それなら、迷うことはない。
 先がどうであれ、この人と一緒にいたい気持ちは私も同じだ。
 私はようやく心を決めた。

「……本当に私でいいんですか?」
「希!?」

 驚き、振り向いた東吾さんの頬を両手で持ち、ぐいっと引き寄せた。
 私は東吾さんの目を見つめて言う。

「東吾さん、私と結婚してください」
「希! 本当に!?」

 顔を輝かせた東吾さんが私の肩を掴む。
 それでもまだ信じられないとばかりに顔を覗き込む。
 
「本当に。でも、その代わり『藤崎東吾』は辞めないでくださいね」

 そう言うと、東吾さんは眉尻を下げ、切ない表情で笑った。

「あ~あ。そして、『藤崎東吾』に嫉妬する日々が続くというわけか……」
「なんで自分に嫉妬するんですか! それに、ミュージシャンじゃない東吾さんもちゃんと好きですから! わかってますか? 私はミュージシャンと結婚したいわけじゃありません。ただの藤崎東吾と結婚したいんですよ?」

 私の言葉に東吾さんが幸せに満ちた顔をして、目を細めた。
 
(うん。この笑顔を見るためなら、なんでもできる)

 どうしてこんな簡単なことがわからなかったんだろう。
 うれしい気持ちがあふれ出て、私もふふっと笑った。
 私たちは見つめ合い、引き合うようにキスをした。
 そして、また見つめ合う。唇を寄せ合う。お互いを抱きしめ、溶けてしまいそうなほど唇を重ねた。

 甘い口づけのあと、ソファーで私を抱きしめながら、東吾さんは当然のように聞いてきた。

「結婚式のことはじっくり考えるとして、いつ籍を入れる?」
「え? まだ両親にもなんにも話してないからムリです!」

 とっさにそう返すと、東吾さんはがっくりと私の肩に顔を落とした。

「……希は本当におあずけがうまいね」
「だって、今、結婚を決めたばかりなのに、気が早すぎます!」

 性急すぎると、私だって拗ねた声を出す。
 でも、東吾さんはめげなかった。

「じゃあ、いつ挨拶に行く?」
「え、いつって……」

 東吾さんにねだられて、両親を腰を抜かすほど驚かせたのは翌日のことだった。


 そして時が過ぎ、今、私の手にはふたたび世界にひとつしかない特別版の新アルバムがある。
 ボーナストラックは、ここにしか収録されていない東吾さんの甘い甘い愛の歌。

 ジャケットには『僕の愛する奥さんへ』と、東吾さんの手書き文字があった。



 ─FIN─
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