私を抱かないと新曲ができないって本当ですか? 〜イケメン作曲家との契約の恋人生活は甘い〜

入海月子

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【番外編】

プロポーズの答え Another Ver.

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「ねぇ、もうそろそろいいんじゃない?」
「え?」

 ソファーの前で藤崎さんに後ろから抱っこされた状態で髪を撫でられ、うとうとしていた私は、ぼんやりと聞き返した。

 公開プロポーズと散々からかわれた日からちょうど一週間。
 プライベートもパニックだったけど、一気に藤崎さんとTAKUYAの新曲に注目が集まって、問い合わせが殺到。
 好意的なものばかりだったのは有難いけど、対応に忙殺されて、毎日ヘトヘトになって、藤崎さんの家まで帰ってきた。
 当の本人はのん気なもので、『大変だねー』とご飯を用意してくれたり、寝過ごしたときには車で送ってくれたり、せっせと世話を焼いてくれた。
 そして、抱きしめられて眠りにつく毎日。

 ようやく明日は休みで、くったりと藤崎さんに身体を預けていた。

 藤崎さんは『愛してる』と言ってくれたときからリミッターが外れたように、甘く甘くなって、家にいる間は、ずっと髪をなでたり耳許に口づけたり、『かわいい』と囁いたりして、私の胸を高鳴らせ続けた。
 心臓が持たないから、ちょっとは自重してほしい。 

 そういう私は私で、この一週間、ふとした瞬間に、好きな人に好かれているという幸せに、たびたび顔がにやけてしまっていた。

 藤崎さんが頬にキスをして、また問いかけてくる。 

「もういいでしょ?」
「だから、なにがですか?」
「結婚」

 拗ねたように言うけど、なにが『もうそろそろ』なんだろう……。

「だって、あれからまだ一週間ですよ?」
「一週間も、経ったんだよ」
「なんにも状況は変わってないと思うんですけど?」
 
 だいだい私は毎日帰ってくるのが10時過ぎで、それからご飯、お風呂に入って、イチャイチャする以外、藤崎さんと大した会話もできていない。

「君は毎日僕のところに帰ってきて、周りも公認してるでしょ? もう結婚してもいいと思うんだけど?」
「逆ですよ。それだったら、急いで結婚しなくてもいいじゃないですか」

 そう言うと、「相変わらず、君はつれないね……」と私の肩に顔をうずめた。

「藤崎さん……?」

 がっくりしてるっぽいから慌てて呼びかけると、彼は溜め息をついて、顔を上げた。
 至近距離に綺麗な顔がある。
 藤崎さんは、チュッとふれるだけのキスをすると、ふいに歌い出した。

「~~ーー♬」

 つれない君は、どうしたら僕のものになってくれるの?
 僕のものならなんでも差し出すのに
 君が望むなら、僕のすべてを
 でも、君はなにも受け取ってくれない……

 耳許で甘いラブソングを歌われて、腰がくだけそうになる。

 反則だわ!

 涙目で耳を押さえて藤崎さんを振り返ると、彼はにっこり笑って、「結婚してくれたら、毎日歌ってあげるよ?」と言った。

 うぅー、なんて魅力的な言葉に、魅力的な顔。

「ずるい……。私が藤崎さんの歌に弱いのを知ってて……」
「そうだよ。僕はずるいんだ。君を僕のものにするためになんでもするよ?」

 魅惑的な笑みを浮かべる藤崎さん。

「なにもしなくても、とっくにあなたのものになってますよ……」

 私がつぶやくと、藤崎さんは目を見開いて固まった。そのあと、またがっくりと私の肩に顔をうずめる。

「君にはいつまでたっても勝てない気がする……」

 そう言ったあと、おもむろに深いキスをしてきた。

 ん……んんっ……、んっ………

 何度も口づけられ、舌を吸われて、クラクラする。
 その間に不埒な手が服の隙間から侵入してきて、私の胸を揉みしだく。
 唇から離れた口は、今度は首筋をついばみ、私を蕩けさせる。

 散々愛撫され、ぐにゃぐにゃにされた私は、抱き上げられて寝室に運ばれた。

 私に入ってきながら、藤崎さんは「ずるいな、君は。こうやって、いつも僕はごまかされてしまうんだ」とぼやいた。

 ずるいのはどっちですか!
 そうやって甘く縛って私を離れられなくして。
 身体の中を満たされて、落ちる日も遠くないと感じながら、口づけを交わした。




─fin─
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