光と影はいつも側に

mahiro

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聖女ってあの女の子のことだよね。
初めて見るし、聞いたこともないな。
ジル君と同じで、公にはしていない子なのかな。


「ってジル君?痛いからそれやめようか」


「あ?」


「頬、痛いから」


「あぁ」


今度は何で頬をつねるかな……。
今までこんなことししたことなかったのに。
やっぱり何かあるのかな。


「カルロス陛下からなら仕方ないか。聖女様の邪魔をしないなら中に入ることを許そう。ただし、少しでも変な動きを見せたら捕らえさせて貰うがそれで良いか」


それは俺やジル君が聖女の子に危害を加えたりするような怪しげな人物に見えるってことかな。
まぁ、中に入って調査が出来ればいいし、深く考えるのはよそう。


「はい、大丈夫です」


「なら我々の後についてこい」


「ありがとうございます」


こうして中に入ることは出来たけど、洞窟の中は真っ暗だ。
松明を持ち歩いているとはいえ、足元もろくに見えない。
それなのにジル君は何も持たずにスタスタ歩いてるんだけど、暗闇に慣れてたりするのかな。
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