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カルロス陛下を扉の前で休ませた後、重たい扉を開けて中に入った。
そこには肩から下が氷で覆われた『何か』がいた。
何も知らなければ、ただの『人間』にしか見えず、街中を歩いていても違和感がない風貌だった。
髪の毛は真っ黒で瞳の色も黒。
耳は尖ったりしておらず、人間そのもの。
目鼻立ちも『魔物』とは全く異なっていて、本当に『魔物』なのかと疑いたくなる。
「誰だ、お前」
じろじろと声も掛けずに見ていたら、向こうから警戒した声で訊ねてきた。
カルロス陛下の言う通り、俺たちの話している言葉を話しているな、と思うのと感情というものもあるのだなぁと感心してしまった。
「あ、ごめんね。俺の名前はジョエル・メトラ。この国で魔法を使った商品を販売してる者だよ」
「そんな奴が何の用だ」
器用に片方の眉を上げて話す姿に、人間と話している錯覚に陥る。
「国王陛下から、君に取り付けられている制御装置が古くなっているから新しいものと取り替えて欲しいって頼まれたんだよ」
確かに左耳に付けられた制御装置は今にも取れそうになっている。
これじゃあ時間の問題で取れてしまうかもしれない。
早いところ付け替えないと、被害が広がってしまう。
俺は今のところ何もないけど、いつ症状が出るか分からないし早いところ交換しないと。
そこには肩から下が氷で覆われた『何か』がいた。
何も知らなければ、ただの『人間』にしか見えず、街中を歩いていても違和感がない風貌だった。
髪の毛は真っ黒で瞳の色も黒。
耳は尖ったりしておらず、人間そのもの。
目鼻立ちも『魔物』とは全く異なっていて、本当に『魔物』なのかと疑いたくなる。
「誰だ、お前」
じろじろと声も掛けずに見ていたら、向こうから警戒した声で訊ねてきた。
カルロス陛下の言う通り、俺たちの話している言葉を話しているな、と思うのと感情というものもあるのだなぁと感心してしまった。
「あ、ごめんね。俺の名前はジョエル・メトラ。この国で魔法を使った商品を販売してる者だよ」
「そんな奴が何の用だ」
器用に片方の眉を上げて話す姿に、人間と話している錯覚に陥る。
「国王陛下から、君に取り付けられている制御装置が古くなっているから新しいものと取り替えて欲しいって頼まれたんだよ」
確かに左耳に付けられた制御装置は今にも取れそうになっている。
これじゃあ時間の問題で取れてしまうかもしれない。
早いところ付け替えないと、被害が広がってしまう。
俺は今のところ何もないけど、いつ症状が出るか分からないし早いところ交換しないと。
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