光と影はいつも側に

mahiro

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急いで向かう必要があると急かされ、準備も出来ていないまま馬車に乗せられた。
本当は馬車に乗らず、魔法で座標さえ分かれば飛べたのだけど、説明する時間すら与えてくれなかった。
ナマン君もフランソワ君も彼らに怯えて俺の背中から離れななくなって、一口も喋らなくなっちゃったし、困ったなぁ。
彼らの用件も分からないし、どうしたものか。
少しでも用事が分かれば、今後どうするか二人と相談できたんだけど、馬車に乗ってからも俺の側から離れず、何も話してくれなくなったもんな。
まぁ、あまり相手に情報を与えたくないからっていうものあるのだろうけど。
もともとこの二人も訳アリで俺の店に来てくれた二人だし、あまり明るみには立ちたくないのだろうなっていうのは薄々分かっていた。
具体的に聞こうともしてこなかったし、話そうともしてなかったけど、それで上手く行っていたから別に良いかと思っていたんだよね。
こんなことになるくらいなら少しでも話を聞いて、事情を把握するべきだったかも。
大切な従業員を守る、とか思ってたのにこれじゃあ守れてないじゃんね。
あぁ、情けないな。


「………ごめんね、二人とも」


こんな情けない店長で。
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