記憶屋

卯月青澄

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年が明けた。

2024年2月。

残り少ない時間で自分に何が出来るか考えていた。

ネットで記憶屋という存在を知った。

都市伝説的な話だ。

記憶を消してくれるらしい。

ならば消して欲しい記憶がある。

先輩の中の僕の記憶。

僕との思い出、記憶がなくなれば、先輩と僕は付き合っていたという事実は先輩の中からなくなる。

僕が死んでも、同じ高校の後輩が死んだという話でしかない。

ただの赤の他人の死に悲しむ事はないだろう。

そして記憶屋に連絡する方法はネット上で色々と書かれていた。
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