記憶屋

卯月青澄

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涙が溢れてきた。

でもこれは死ぬのが怖いんじゃない。

先輩に2度と会えなくなる事がツラかったからだ。

そして、僕を想ってくれている先輩を残して死んでしまう事が胸が張り裂けそうになるくらいツラかったからだ。

口に両手で強く押し当てた。

声を上げて泣き出してしまいそうになるのを抑えるために強く強く押し当てた。

「うぅぅぅぅ…」
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