パパLOVE

卯月青澄

文字の大きさ
上 下
101 / 161

101

しおりを挟む
だから、メールで互いのわからないところを教え合っていた。

とは言っても、前回の中間テストでは彼女は学年で2位の成績を収めるほど優秀な成績を取っているので、わからない教科などないと思う。

ちなみに僕は学年で7位の成績だった。

【数学で出そうな問題とかありますか?】

彼女がそう聞いてきたので、大学受験に出ていた問題を彼女に聞いてみた。

【すごい難しい問題ですね。私たちが習った数学ですけど、かなりひねった応用問題みたいです。私にはわかりません。どうやって解けばいいですか?】

それから僕は参考書にある解答用紙を見ながら、答えを打ち込んで彼女にメールをした。

【なるほど。そうやって解くんですね。やっと理解出来ました。ちなみに、この問題って何なんですか?】

【大学受験の問題です。わからなくて当然です。何でも知ってる櫻井さんにちょっと意地悪をしてみたくなって、この問題を出してみました】

【いじわるぅぅぅ💢】

【すいませんでした】

【いえ、結構楽しかったです】

【じゃあ、夜も遅いので早く寝て下さい】

【はい、Nさんも。おやすみなさい】

【おやすみなさい】

こんなメールのやり取りをしていると、櫻井さんと付き合っているような感覚になる。

僕が櫻井さんの彼氏か…。

そんなことを考えただけで胸が熱くなった。

2日後、期末テストが始まり、最終日の3時間目に数学のテストがあった。

驚いたことに僕が彼女に出した問題とそっくりな問題が出題された。

何て問題を出題してくるんだと思う反面、してやったりと思う自分もいた。

もちろん、僕はこの問題の解き方がわかっていたから正解を導き出せた。

きっと彼女も解くことが出来ただろう。

そしてテストが終わると飯田くんが直ぐに僕のもとにやって来た。
しおりを挟む

処理中です...