99 / 404
99
しおりを挟む
「彰、おはよう」
うしろから僕の肩を握り挨拶をしてきたのは飯田くんだった。
今の見られた?
「おはよう」
「今日はえらい機嫌がいいな」
「何で?」
「ガッツポーズしてたじゃん」
見られてた。
さすが飯田くん。
「別に機嫌が良いとかじゃないけど…」
「ん?彰、櫻井さんが来たけど」
「そう…」
さっきまでメールをしていた櫻井さんが来たのが嬉しかったけど、それを悟られないように、素っ気なくそう言った。
「櫻井さん、おはよう」
「おっ…お…は……よ…う」
「櫻井さんも、何か機嫌が良さそうだね。歩く感じがいつもよりリズミカルだった」
「そっ…そ…」
「櫻井さん、気にしないで。飯田くんは困らせようとして言ったんじゃないから」
顔を赤くして困っているのを見ていたら無性に助けたくなった。
「ごめん、櫻井さん。そういんじゃないから」
「うっ…う…ん…」
「でも2人して機嫌が良いなんて、お二人さん何かあった?」
「あっ…ある訳ないじゃないか!ねえ、櫻井さん?」
僕が問いかけると櫻井さんは首を小さく傾げて微笑んだ。
「飯田くん、この話はこの辺で」
否定しない櫻井さんの反応に慌ててそう言った。
「何だ、つまんないの」
そう言い残すと、飯田くんは自分の席に戻って行った。
ふと、隣の席の櫻井さんに目を向けると、こちらを見ている彼女と目が合った。
すると彼女は恥ずかしそうに目を背け俯いてしまった。
まだ、朝のホームルームが始まるまで少しばかり時間が合ったので、机の物入れ部分に隠れて彼女にメールを送った。
【今日も1日頑張りましょう!】
【はい】
メールが返ってきたので彼女を見ると、頬を赤らめて口角が少しばかり上がっているのがわかった。
ちょっとばかり嬉しそうに僕には見えた。
うしろから僕の肩を握り挨拶をしてきたのは飯田くんだった。
今の見られた?
「おはよう」
「今日はえらい機嫌がいいな」
「何で?」
「ガッツポーズしてたじゃん」
見られてた。
さすが飯田くん。
「別に機嫌が良いとかじゃないけど…」
「ん?彰、櫻井さんが来たけど」
「そう…」
さっきまでメールをしていた櫻井さんが来たのが嬉しかったけど、それを悟られないように、素っ気なくそう言った。
「櫻井さん、おはよう」
「おっ…お…は……よ…う」
「櫻井さんも、何か機嫌が良さそうだね。歩く感じがいつもよりリズミカルだった」
「そっ…そ…」
「櫻井さん、気にしないで。飯田くんは困らせようとして言ったんじゃないから」
顔を赤くして困っているのを見ていたら無性に助けたくなった。
「ごめん、櫻井さん。そういんじゃないから」
「うっ…う…ん…」
「でも2人して機嫌が良いなんて、お二人さん何かあった?」
「あっ…ある訳ないじゃないか!ねえ、櫻井さん?」
僕が問いかけると櫻井さんは首を小さく傾げて微笑んだ。
「飯田くん、この話はこの辺で」
否定しない櫻井さんの反応に慌ててそう言った。
「何だ、つまんないの」
そう言い残すと、飯田くんは自分の席に戻って行った。
ふと、隣の席の櫻井さんに目を向けると、こちらを見ている彼女と目が合った。
すると彼女は恥ずかしそうに目を背け俯いてしまった。
まだ、朝のホームルームが始まるまで少しばかり時間が合ったので、机の物入れ部分に隠れて彼女にメールを送った。
【今日も1日頑張りましょう!】
【はい】
メールが返ってきたので彼女を見ると、頬を赤らめて口角が少しばかり上がっているのがわかった。
ちょっとばかり嬉しそうに僕には見えた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
独り日和 ―春夏秋冬―
八雲翔
ライト文芸
主人公は櫻野冬という老女。
彼を取り巻く人と犬と猫の日常を書いたストーリーです。
仕事を探す四十代女性。
子供を一人で育てている未亡人。
元ヤクザ。
冬とひょんなことでの出会いから、
繋がる物語です。
春夏秋冬。
数ヶ月の出会いが一生の家族になる。
そんな冬と彼女を取り巻く人たちを見守ってください。
*この物語はフィクションです。
実在の人物や団体、地名などとは一切関係ありません。
八雲翔
人生負け組のスローライフ
雪那 由多
青春
バアちゃんが体調を悪くした!
俺は長男だからバアちゃんの面倒みなくては!!
ある日オヤジの叫びと共に突如引越しが決まって隣の家まで車で十分以上、ライフラインはあれどメインは湧水、ぼっとん便所に鍵のない家。
じゃあバアちゃんを頼むなと言って一人単身赴任で東京に帰るオヤジと新しいパート見つけたから実家から通うけど高校受験をすててまで来た俺に高校生なら一人でも大丈夫よね?と言って育児拒否をするオフクロ。
ほぼ病院生活となったバアちゃんが他界してから築百年以上の古民家で一人引きこもる俺の日常。
――――――――――――――――――――――
第12回ドリーム小説大賞 読者賞を頂きました!
皆様の応援ありがとうございます!
――――――――――――――――――――――
百々五十六の小問集合
百々 五十六
ライト文芸
不定期に短編を上げるよ
ランキング頑張りたい!!!
作品内で、章分けが必要ないような作品は全て、ここに入れていきます。
毎日投稿頑張るのでぜひぜひ、いいね、しおり、お気に入り登録、よろしくお願いします。
【完結】君とひなたを歩くまで
みやこ嬢
ライト文芸
【2023年5月13日 完結、全55話】
身体的な理由から高校卒業後に進学や就職をせず親のスネをかじる主人公、アダ名は『プーさん』。ダラダラと無駄に時間を消費するだけのプーさんの元に女子高生ミノリが遊びに来るようになった。
一緒にいるうちに懐かれたか。
はたまた好意を持たれたか。
彼女にはプーさんの家に入り浸る理由があった。その悩みを聞いて、なんとか助けてあげたいと思うように。
友人との関係。
働けない理由。
彼女の悩み。
身体的な問題。
親との確執。
色んな問題を抱えながら見て見ぬフリをしてきた青年は、少女との出会いをきっかけに少しずつ前を向き始める。
***
「小説家になろう」にて【ワケあり無職ニートの俺んちに地味めの女子高生が週三で入り浸ってるんだけど、彼女は別に俺が好きなワケではないらしい。】というタイトルで公開している作品を改題、リメイクしたものです。
片翼天使の序奏曲 ~その手の向こうに、君の声
さくら/黒桜
ライト文芸
楽器マニアで「演奏してみた」曲を作るのが好きな少年、相羽勝行。
転入早々、金髪にピアス姿の派手なピアノ少年に出くわす。友だちになりたくて近づくも「友だちなんていらねえ、欲しいのは金だ」と言われて勝行は……。
「じゃあ買うよ、いくら?」
ド貧乏の訳ありヤンキー少年と、転校生のお金持ち優等生。
真逆の二人が共通の趣味・音楽を通じて運命の出会いを果たす。
これはシリーズの主人公・光と勝行が初めて出会い、ロックバンド「WINGS」を結成するまでの物語。中学生編です。
※勝行視点が基本ですが、たまに光視点(光side)が入ります。
※シリーズ本編もあります。作品一覧からどうぞ
気が付けば奴がいる
篠原 皐月
ライト文芸
ありふれた沙織の日常生活に、突如入り込んできた得体のしれないモノ……。その正体は誰も知らないまま、一見平穏に沙織とその周囲の人間達が、過ごしていく事になる。
リケジョ志望のクール小学生沙織と、どこか抜けてるゴンザレスの、ドタバタホームコメディ(?)です。
小説家になろう、カクヨムからの転載作品です。
100000累計pt突破!アルファポリスの収益 確定スコア 見込みスコアについて
ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
皆様が気になる(ちゃぼ茶も)収益や確定スコア、見込みスコアについてわかる範囲、推測や経験談も含めて記してみました。参考になれればと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる