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「ママは何て?」
「うっ‥うん。良いって…」
「そう、良かった。じゃあ、パパの家に行く前にコンビニに寄ってから帰ろうか?」
「うん」
それからパパのマンションから一番近いコンビニに寄って、ジュースやらお菓子を買ってもらった。
「そうだ、ちょっと待ってて」
エレベーターを降りて直ぐにパパはカバンの中を無造作に探り始めた。
「あった。香澄、はいこれ」
「カギ?」
パパからカワイイ猫のキーホルダーがついたカギを渡された。
私にカギを開けていいってことなんだ。
私はそれだけのことなのに、とても嬉しくて走って玄関のドアまで向かった。
ガチャ――
「はい、これ」
カギが開いたので、なくさないうちにパパにカギを返した。
「持ってていいよ」
「何が?」
「香澄に合鍵を渡しとくね。これでいつでもパパの家に入れるよ」
「嘘? ホントに? ホントにいいの?」
「もちろんだよ」
「チョ―嬉しい…」
嬉しくて涙が溢れてきた。
そんな私の泣き顔をパパに見られたくなくて、顔を背けて遠くの夜景を見ながら泣いた。
「香澄、さあ中に入ろう」
パパはそう言うと、私の肩を抱いて家の中に連れて行ってくれた。
私は嬉しくて涙が止まらなくて、しばらくの間ソファーに横になって泣いていた。
パパはそんな私のそばに座って、背中を優しくさすってくれた。
そして私が泣きやんだ頃、パパは私のお気に入りのホットミルクティーを用意してくれた。
あったかくて、おいしい☕
パパの家に泊まることになったけど、まだママには連絡してなかった。
ママには心配かけたくなかったので、《舞香の家に泊まるね》とメールで送った。
ママからは《わかった》と返信があったけど、何だか素っ気ないような気がした。
心配性のママがそれ以上こと細かく聞いてこないのは意外だった。
私のことを何でも知ってる、何でもわかってるママなら何かを感づいているのかもしれない。
「うっ‥うん。良いって…」
「そう、良かった。じゃあ、パパの家に行く前にコンビニに寄ってから帰ろうか?」
「うん」
それからパパのマンションから一番近いコンビニに寄って、ジュースやらお菓子を買ってもらった。
「そうだ、ちょっと待ってて」
エレベーターを降りて直ぐにパパはカバンの中を無造作に探り始めた。
「あった。香澄、はいこれ」
「カギ?」
パパからカワイイ猫のキーホルダーがついたカギを渡された。
私にカギを開けていいってことなんだ。
私はそれだけのことなのに、とても嬉しくて走って玄関のドアまで向かった。
ガチャ――
「はい、これ」
カギが開いたので、なくさないうちにパパにカギを返した。
「持ってていいよ」
「何が?」
「香澄に合鍵を渡しとくね。これでいつでもパパの家に入れるよ」
「嘘? ホントに? ホントにいいの?」
「もちろんだよ」
「チョ―嬉しい…」
嬉しくて涙が溢れてきた。
そんな私の泣き顔をパパに見られたくなくて、顔を背けて遠くの夜景を見ながら泣いた。
「香澄、さあ中に入ろう」
パパはそう言うと、私の肩を抱いて家の中に連れて行ってくれた。
私は嬉しくて涙が止まらなくて、しばらくの間ソファーに横になって泣いていた。
パパはそんな私のそばに座って、背中を優しくさすってくれた。
そして私が泣きやんだ頃、パパは私のお気に入りのホットミルクティーを用意してくれた。
あったかくて、おいしい☕
パパの家に泊まることになったけど、まだママには連絡してなかった。
ママには心配かけたくなかったので、《舞香の家に泊まるね》とメールで送った。
ママからは《わかった》と返信があったけど、何だか素っ気ないような気がした。
心配性のママがそれ以上こと細かく聞いてこないのは意外だった。
私のことを何でも知ってる、何でもわかってるママなら何かを感づいているのかもしれない。
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