メルドリアスの遊戯世界 ~異世界転生ハーレムキャラバン~ 【健全版】

猫野 にくきゅう

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冒険者編

第45話 山賊が現れた 7 A

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 アカネル達八人と手負いのウォー・ウルフとの戦闘に決着がつき、俺がレッサー・コンドルを仕留めた後で、とりあえずモンスターから魔石だけを回収してから、けもの道を進み、山道に出た。

 モンスターを解体して、素材を回収したいが──
 それは後だ。

 広域探知をした時に、モンスターの群れ以外にも、気になる反応があった。

 素材の回収よりも、そちらを優先する。






 少し移動したところに、山賊の馬車がある。
 その周りにモンスターが食い荒らした、山賊の残骸が転がっている。

 馬車に繋がっている馬は、まだ生きている。
 魔物は人間しか襲わないので、無事だったのだろう。
 

 この馬車は、そのまま俺たちが貰って行く。
 これで、荷物運びが楽になる。

 と、その前に──
 魔力探知で引っかかった、案件を処理しておこう。


 道脇の草むらに、潜んでいる人間を見つけた。

 ──なんで、まだ生きている山賊がいるんだ?






 俺は槍を装備して、茂みに潜んで隠れている山賊に攻撃した。
 山賊に、槍が突き刺さる。

「ぎゃっ、ぁっぁあぁあああ!! 止めろッ、やめてくれ!! 何だお前は、なんなんだよ、いったい。もう許してくれ、頼む。見逃してくれ~~~」

 突き刺した槍で、山賊を茂みから引き摺り出す。
 そいつは、喚きながら命乞いをしてくる。


 こいつは、たしか──

 自分は転生者だと言って、俺に命乞いをしてきた奴だ。
 山賊の顔などいちいち覚えてはいないが、こいつは何とか見分けがつく。

 それに、正確には覚えていないが、長ったらしい名前だったことは憶えている。
 戦闘中はウィンドウ表示される情報を、すべて読み込んでいる訳ではないが、なんか長い名前だなと、ぱっと見でそう思ったのは憶えている。




 俺は確かに、コイツを殺したはずだ。
 念入りに、首に槍を刺した。
 
 なんで、生きてる……。
 生き返った?
 スキル? 双子? 幻影で逃げた?
 


 …………。
 煩わしく喚き続けるので、とりあえず顔面に蹴りを入れて黙らせる。
 
 山賊は生きてはいるが、体調は万全ではないようだ。
 どちらかというと、死にかけている。
 首を見ると、うっすらと傷跡も見える。

 この山賊の言葉は全く信用できないので、尋問は時間の無駄だ。
 正直やりたくは無かったが──
 直接魔力を流し込んで、鑑定で詳しい情報を読み取ることにする。

 ……絶対にないとは思うが、コイツが『奴隷』表示されるようなことがあれば、速攻で殺してやる。一秒でも、生かしておきたくないからな。

 
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