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冒険者編
第44話 魔物の群れが現れた B
しおりを挟む周りの霧が晴れるまでの、四十秒間に──
一秒に一太刀のペースで、切りつける。
霧が晴れる頃には、ボスは瀕死になっていた。
最後に敵の心臓へと、全力で剣を突き刺した。
後ろではレイレルが、上空に向かって矢を射っている。
俺たちの隙を伺い、近づこうとしているレッサー・コンドルへの牽制だ。
名前にレッサーとついてはいるが、大きさは全長が2メートルくらい、広げた翼は5メートルを超えるだろう。
上空から攻撃しようとしていて、かなり厄介だ。
レイレルが押さえてくれているのは、正直助かる。
俺はボスの身体から剣を引き抜き、後ろの八人の様子を見る。
俺がボスと戦っていた間に──
三匹のウォーウルフは、後ろにいた八人をターゲットにしていた。
俺の水魔法を喰らって、重傷だったとはいえ、魔物の生命力は強い。
まだまだ、動き回ることが出来た。
アカネル、モミジリ、イルギットがそれぞれ剣を構え、一対一の形で敵と相対して、剣で牽制しながら相手を近づけない様にする。
敵が無理に攻めようとすれば、盾を構えたサリシアかナーズが防御を担当して、魔法で重傷を負った敵の消耗を待つ。
ラズとリズが敵の側面に素早く回り込んで、疲弊したウォーウルフを遊撃する。
俺が救援に入るまでもなく、三匹を仕留めていた。
残るは──
「まだ、狙って来てるな──」
「弓で牽制は出来るけど、攻撃は当たらないわ。どうする?」
「引き付けてから、始末する」
俺は近くの木に登り、枝の上に立って弓を装備。
敵に矢を放つ。
当たらなくてもいい──
挑発して、俺を狙わせるためだ。
レッサー・コンドルは俺の思惑通りに、空を旋回しながら向かってくる。
挑発に乗ってくれたようだ。
そこに向かって矢を放つが、難なく弾かれる。
飛行タイプの魔物は、風の魔法を飛行の補助にしていることが多い。
弓の攻撃は弾かれやすい。
旋回しているレッサー・コンドルは、俺に狙いを定めている。
上空からの落下してきた運動エネルギーを、翼と風の魔法に乗せて、猛スピードで近づいてくる。
レッサー・コンドルの爪が届く瞬間、俺は巨大な水風船をイメージして、目の前に水魔法を展開する。
大きさ重視、速度ゼロの水の塊。
それを空中に出現させた。
巨大な水の塊は、レッサー・コンドルを飲み込んだ。
飛行能力を失ったレッサー・コンドルは、そのまま水の塊と共に、重力に引っ張られて地面に激突した。
俺は木の枝から飛び降りながら、装備したこん棒を敵の頭に叩きつけた。
周囲にレッサー・コンドルの、血と肉片が飛び散った。
──この戦いの、勝敗は決した。
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