愛されたい少年

星夜るな

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1章

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そばにいてほしいとき…。
家族の愛が欲しかったとき…。



あなた達は、
僕のそばに。
愛してくれた?



ずっと、一人で…。
寒い中で…。



でも、それは仕方ないんだ…。

いらない子だから…。

僕を嫌っているから…。

ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、
もがいて、諦めて。また。頑張って、もがいて、諦めて。


一人。頑張ってきたのに。



今さら…。


謝られても…。
心が痛い。
近くにいると自然と体が震える。




楽しかった記憶なんてない。



だから、僕は、家族…。
いや、


僕の母だった……ティナッ。
僕の父だった……ケーティ。
僕の弟だった……ヨン。


を『許したくない。』




『許さない。』

そう思った。

だから………


「ゆ…さ…ない。」
そう僕は、自分で発した声で言えた。

自分で言えた。

ずっと、声が出なかったのに…。

そう伝えることができた。


なんだかスッキリした。

その時、ゴホゴホ…。
咳が止まらなくなった。









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