愛されたい少年

1章

12

目が覚めるとそこは、叔父ラオルの膝の上だった。それを自覚した瞬間。僕は、飛び起きた。そして、警戒する。そんな僕を見て、
「エーリル。そんなに驚かなくても。」
と苦笑した。
ふと、おじいちゃんと目があった。
「色々とこれからのことを考えたんだが。その前にエーリルどうしたい？今まで通りあの家で暮らすのか。それとも、ここにいてくれるのか。私としてもラオルと同じ意見で君を、ここに住まわせたい。そう思っているんだが。」
と、僕に意見を求めてくれる。
『いいのかな。僕がいて…。』
『エーリル。どうして？見てみてよ！あの二人の目を。嫌がっているように、迷惑してそうに見てる？あの目は、…でしょ？』
『嘘のない目。優しい人の目……。うっーう。』
とそこまで水の妖精と喋っていると、目から涙がこぼれ落ちた。
おじいちゃんやラオルは驚いた。
「どうしたんだ？！」
「私の言い方が悪かったのか？！」
「父さん。ど、ど、どうすれば。」
「落ち着いてください。二人ともいい大人が…。」
と知らない人がそこにいた。
よく見ると、ラオルにそっくりだ。
赤髪にオレンジの瞳。夕焼けのようだ…。
「リオ。どうしてここに…。」
とラオルがびっくりしている。さっきとは、違う意味で…。
「父上。何を驚いているんですか？私の弟ができたんですよ！　　ふふ。かわいい…。」
すると、泣いている僕の方へと近づいた。警戒するギリギリの距離を保ちながら、
「はじめまして。エーリル。私は、ラオルの息子のリオです。歳は十二。君のちょうど六歳上だよ。リオ兄さま。とよんでね。」
と。僕は泣いているのに。リオという人は、ニコニコしている。