愛されたい少年

星夜るな

文字の大きさ
上 下
11 / 192
1章

11

しおりを挟む
『僕は、まだどうすればいいのか。信じてもいいのがわからない。でも、話してみるよ。君がそう言うなら。』
『えっ!ほんとに!うれしいなー。
じゃあ、伝えるね君の言葉。』
「『僕は、昔から、長男としてではなく、使用人として住んでいました。いつもは、あの部屋ではなくて、馬小屋の端で寝ています。そして、朝三時には、起きて仕事をして、夜0時には、寝ます。そんな生活をずっとしてきました。一日にしなきゃいけない仕事をミスったり、できなかったりすると、寝ずにします。そして、…罰…を受けます。』」
そこまで言ったところで、一つ息をする。
「『…罰…というのは…』」
手が震える、思い出すだけでも吐き気がする。屋敷にいたときは、こんなことなかったのに…。
異変に気づいてか、叔父とおじいちゃんが、心配そうに僕を見ている。
でも、言わないと。
そう決意して、
「『罰というのは…。一日の唯一の朝ごはんをなくしたり、鞭…で打たれたり、叩かれたり、殴られたり…し…ま…す。』」
そういった時、息が苦しくなる。
視界がぼやける。


苦しい…。怖い…。


もう、消えたい…。


ふと、水が僕の周りを包む。


温かい。

優しい。

そんな水が…。
「エーリル。もういいよ。十分だと思うよ。休もう。」
そう、水の妖精がつぶやき、意識は切れた。



しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

閉ざされた世界からの脱出

O.K
エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

悪魔の消しゴム

ミステリー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

マイホーム戦国

SF / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:482

婚約者と親友に裏切られたので、大声で叫んでみました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:157

愛人が妊娠したから私とは婚約破棄したいのですか?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:10

これは政略結婚ではありません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:335pt お気に入り:266

処理中です...