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動画撮影④
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幸太のおかげで難を逃れた叶だったが、旧校舎から逃げ出さずに階段を駆け上がって行く。途中で木の棒を拾い上げ走っていると、奥の方から女性の悲鳴が聞こえた。
叶は歯を食いしばり、悲鳴のした方に行くと一人の男が女性を押し倒し、もう一人の男がその様子を撮影していた。
女性は着ていたシャツを剥ぎ取られ既に上半身は下着姿になっている。
「ほら、大人しくしろよ!」
男が下品に笑いながらそう言った時、叶が男の後ろで木の棒を振りかぶっていた。
「お前がな!」
そう言って叶が思いっきり木の棒で男の頭を引っ叩くと男は一発で気を失い、その場に倒れた。
撮影していた男はカメラ越しに覗いていた為、何が起こったのか理解が一瞬遅れ、その一瞬の遅れが命取りとなる。叶が持っていた木の棒を下から上に思いっきり振り上げると、男の股間を直撃する。男は情けない声を上げながら股間を押さえて倒れ込んだ。叶は容赦なく振り上げた木の棒を男に向かって振り下ろすと男は気を失った。
叶は震える女性の元へと駆け寄る。
「大丈夫?」
「……はい、なんとか」
叶が声を掛けると女性は涙を浮かべながらも頷いていた。
「さぁ、立って。逃げましょう」
叶が身ら着ていたシャツを女性にかけ、二人は一階へと降りて行く。
一階に降りた叶は女性に早く逃げるよう指示すると、自らは再び奥へと駆け出して行った。戸惑う女性だったが指示された通り旧校舎の外へと逃げ出して行く。
叶が先程までいた場所まで戻ると、そこでは幸太が気を失い倒れていた。
叶に気付いた男達がニヤニヤと下卑た笑みを見せる。
「なんだ?逃げてなかったのかよ?獲物逃がしたと思ったから腹いせにお前の彼氏ボコっちまったよ。そうだ、こいつが見てる前でお前を犯そう。最高のショーになる」
下品な笑いを続ける男達の横で幸太は意識を失い倒れていた。顔は腫れ上がり、口から血を流している。両腕も酷く内出血を起こしており、酷い暴行を受けたのはすぐに分かった。
叶の眼差しが鋭さを増し、顔つきが変わる。
「救いようもないクズね。ただおかげで躊躇わなくてすむけどね。ここね、霊道なのよ、分かる?霊の通り道」
「は?何言ってんの?霊とか、お前やばい奴か?」
男達の一人がそう言って馬鹿にした様に笑うと、叶は笑みを浮かべながら小さく頷いていた。
「ふふふ、そうね。いいよ好きにして。もう限界なんでしょ?」
「なんだ?急に観念したのかよ?別に言われなくても好きにさせてもらうけど、少しは抵抗された方がテンション上がるんだけどなぁ」
そう言って笑っていた男達だったが一人の男が奥で急に膝を着く。
「なんだ?急に気持ち悪い……」
「ふふふ、少しは霊感のある奴もいるんだ。霊道があるって事は霊のたまり場にもなってるし……貴方達に憑いてるその子達も活発になるって事なのよ」
「は?さっきから何言ってんだお前……」
そう言って叶に詰めよろうとした男だったが男の体はピクリとも動かせなかった。突然体が動かせなくなり男は動揺し困惑する。
叶は歯を食いしばり、悲鳴のした方に行くと一人の男が女性を押し倒し、もう一人の男がその様子を撮影していた。
女性は着ていたシャツを剥ぎ取られ既に上半身は下着姿になっている。
「ほら、大人しくしろよ!」
男が下品に笑いながらそう言った時、叶が男の後ろで木の棒を振りかぶっていた。
「お前がな!」
そう言って叶が思いっきり木の棒で男の頭を引っ叩くと男は一発で気を失い、その場に倒れた。
撮影していた男はカメラ越しに覗いていた為、何が起こったのか理解が一瞬遅れ、その一瞬の遅れが命取りとなる。叶が持っていた木の棒を下から上に思いっきり振り上げると、男の股間を直撃する。男は情けない声を上げながら股間を押さえて倒れ込んだ。叶は容赦なく振り上げた木の棒を男に向かって振り下ろすと男は気を失った。
叶は震える女性の元へと駆け寄る。
「大丈夫?」
「……はい、なんとか」
叶が声を掛けると女性は涙を浮かべながらも頷いていた。
「さぁ、立って。逃げましょう」
叶が身ら着ていたシャツを女性にかけ、二人は一階へと降りて行く。
一階に降りた叶は女性に早く逃げるよう指示すると、自らは再び奥へと駆け出して行った。戸惑う女性だったが指示された通り旧校舎の外へと逃げ出して行く。
叶が先程までいた場所まで戻ると、そこでは幸太が気を失い倒れていた。
叶に気付いた男達がニヤニヤと下卑た笑みを見せる。
「なんだ?逃げてなかったのかよ?獲物逃がしたと思ったから腹いせにお前の彼氏ボコっちまったよ。そうだ、こいつが見てる前でお前を犯そう。最高のショーになる」
下品な笑いを続ける男達の横で幸太は意識を失い倒れていた。顔は腫れ上がり、口から血を流している。両腕も酷く内出血を起こしており、酷い暴行を受けたのはすぐに分かった。
叶の眼差しが鋭さを増し、顔つきが変わる。
「救いようもないクズね。ただおかげで躊躇わなくてすむけどね。ここね、霊道なのよ、分かる?霊の通り道」
「は?何言ってんの?霊とか、お前やばい奴か?」
男達の一人がそう言って馬鹿にした様に笑うと、叶は笑みを浮かべながら小さく頷いていた。
「ふふふ、そうね。いいよ好きにして。もう限界なんでしょ?」
「なんだ?急に観念したのかよ?別に言われなくても好きにさせてもらうけど、少しは抵抗された方がテンション上がるんだけどなぁ」
そう言って笑っていた男達だったが一人の男が奥で急に膝を着く。
「なんだ?急に気持ち悪い……」
「ふふふ、少しは霊感のある奴もいるんだ。霊道があるって事は霊のたまり場にもなってるし……貴方達に憑いてるその子達も活発になるって事なのよ」
「は?さっきから何言ってんだお前……」
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