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第三章 事業発展編

第118話 窓

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 ベリーズは元々木工師であり、スライムの粘液を使ったコーキング剤の止水能力についての説明を聞いて、ふとあるアイデアを思いついた。

 ガラスを使った窓の製作を考え始めたのだ。これまでガラスを使った窓はドアの一部に採光用として使われることがあったが、雨の当たる場所にはほとんど使われていなかった。何故なら止水が難しいからだ。

 翌朝、ベリーズは珍しくロイのところに話を聞いてくれと訪ねて行った。

「ロイ、これを見てくれ」

 ベリーズは興奮気味に新しい窓の設計図を広げた。

「昨日聞いたコーキング剤の止水能力を利用すれば、ガラス窓をもっと多くの場所に取り付けられるんじゃないか?これまでの窓は木製か金属製で開け放つしかなかったけど、これなら完全に防水できる!」

 ロイは設計図を見つめ、ベリーズのアイデアに感心した。

「確かに、これなら雨が降っても安心だ。窓革命が起こるかもしれない・・・いや、ベリーズの言う通りきっとそうなる」

「悪いが試作を作りたい。材料が欲しいんだ」

「ガラスだよね!?分かったよ。お金は幾らでも出すから作って欲しい」

「それはありがたい。早速ガラスを注文するよ。悪いけど、屋敷の窓で試したいんだ」

 ベリーズは早速試作の窓を作ることにした。彼は最高品質の木材とガラスを用意し、コーキング剤を使って窓枠とガラスをしっかりと固定した。材料の調達と作業は順調に進み、数日後には試作品が完成した。

「さて、実際に防水性能を検証してみよう」

 ベリーズは試作品を屋外に設置し、大量の水をかけてテストすることにした。ロイやガイ、ミネア、フィーネ、ネリスもその様子を興味津々で見守っていた。

「行くぞ!」

 ベリーズがジョウロで水をかけ、その後大きなバケツに水を汲み窓に向かって勢いよくかけた。水は窓ガラスに当たり、勢いよく流れ落ちたが、コーキング剤がしっかりと隙間を塞いでいたため、内部には一滴の水も漏れなかった。

「成功だ!」

 ロイが声を上げ、周囲も歓声を上げた。ミネアとフィーネは手を叩いて喜び、ネリスも笑顔を見せた。ガイはベリーズの肩を叩きながら、その技術力を称賛した。

「これで本当に窓革命が起こるな。今までの常識を覆す発明だ」

 ベリーズは満足げに頷いた。

「これからは、もっと多くの建物にガラス窓を取り付けられる。窓を開け放つ必要もなくなるし、防寒や防音の効果も期待できる」

 ロイはこの新しい窓がもたらす未来を思い描きながら、その可能性に胸を膨らませた。

「これで人々の暮らしが大きく変わるだろうな。快適さも、安全性も向上する」

 こうしてベリーズの発明は一大ニュースとなり、街中で話題になった。次第に注文も増え、ベリーズは忙しい日々を送ることになったが、その顔には常に満足げな笑みが浮かんでいた。

 まずはロイの屋敷やリックガントの店など関係各所に設置し、長期のテストとガラス窓の製作にベリーズがチームを作ることになり、木工師を中心に人を集め始めるのであった。
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