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第70話 ボス戦決着

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 天井の高さは5mほどだ。
 確かここのボスはオーガの上位種のはずだが、どう見ても顔の中央に大きな目がある。
 オーガとは1つ目だったのだろうか?紫色のサイクロプス?と俺が思うが、やはり異世界から来た俺はこの世界の知識が弱いらしい。

 リアンがそんな馬鹿なと呟いたのはどういうことだろうか?

 ボスが唸り声を上げると同時に、俺は疾風のように動き出す。サキが俺の左側で瞬時に位置を取り、リアンが後ろから盾を構えて守りを固める。
 エリスは詠唱を開始し、彼女の手からは再び紅蓮の炎が生まれようとしていた。

「サイクロプスのしかも紫だなんて!リアン、エリスを守るのよ!」

 あっ!俺はホッとした。なんだギルドで聞いた情報が間違っているだけで、ちゃんとサイクロプスじゃないか!
 サイクロプスなら俺は何度も倒したはずだから問題ないだろう!
 俺はやばくなるまでは力を抑え、皆のフォローをするような戦いをする。
 俺がしゃしゃり出て、サイクロプスを一撃で倒したら皆の経験にならないからね。

 サイクロプスは巨大な腕を振り回し、俺たちに向かって突進してくる。俺はその腕をかいくぐり、リアンが盾でその衝撃を受け止める。
 サキは敏捷性を活かして、ボスの視界から消えるような動きで側面を突く。
 俺はサキの攻撃が当ったり、逆に攻撃されないようにヘイトを稼ぐべく槍を突き、小傷を負わせていく。

 その隙にエリスの詠唱が完成し、彼女の魔法が炸裂した。

「炎の槍よ、我が敵を焼き尽くせ!・・・フレイムランス!フレイムランス!フレイムランス!」

 エリスの呪文が空間を切り裂き、フレイムランスがボスに複数命中する。中級魔法の方が燃費は良い。
 一度詠唱が完成すれば、別の魔法を使うか解除するまで、数分間に渡り魔法名だけで発動する。
 今の彼女の腕にはフレイムランスの赤い魔法陣がまとわりついており、フレイムランスと発して発動すると、魔法陣は手の先に移動し、魔法陣の中からフレイムランスが生えてきて射出される感じだ。

 熱波が辺りを包み込み、魔物の皮膚が焦げる匂いが鼻をつく。
 術者は、性格には魔法陣の後ろには熱気が伝わらない。

 ボスは怒り狂い、更に激しい攻撃を仕掛けてくるが、俺たちは互いを信じている。それぞれの動きがシンクロし、まるで一つの生き物のように流れるような連携を見せる。

 俺は槍を振るい、サキは新たに得た炎属性の敵の弱点を突く。
 リアンは堅牢な壁となり、エリスは炎で敵を焼き尽くし、レオンは回復と各種バフをサキとリアンにかける。

 戦いは激化し、ボスの怒号と私たちの戦闘の叫びがボス部屋に響きわたる。

 何度攻撃を交わし、何度攻撃を仕掛けたかわからない。
 だが、俺たちの絆は揺るがない。
 一瞬の隙をついて、エリスが最後のフレイムランスを放つ。
 その一撃が決定打となり、ボスの大勢はついに崩れ、膝をつく。俺が頭を槍の横腹で殴ったのもあり、仰向けに倒れた。

 そこに「はああああ!逝きなさい!」

 そこにサキがプルルンと胸を揺らしながらジャンブし、炎の剣を急所である目に深々と突き立てると、剣を手放し飛び下がる。
 また、俺が行けとリアンに言ったのもあり、盾を捨て剣を手にリアンもサキと同時に飛び、フレイムランスが突き刺さった右胸にとは逆に、左胸に剣を突き立て、抉ると飛び下がる。

 2人が飛び下がると目と胸から炎が吹き出し、断末魔の叫びを発する。

 数秒の後、静寂が戻り勝利の安堵が俺たちを包む。

「やったな、みんな!」

 俺が叫ぶと、エリスが疲れた笑顔で頷き、サキとリアンも笑顔で応える。
 レオンはやれやれといった感じにで額に汗を拭った。

 俺たちの絆が試される戦いは終わり、六階層を制覇した。
 これにより俺たちは上級階層に進むことになり、新たな伝説がここに始まるのだ!
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