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第3章

第202話 穴塞ぎ

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 元凶であるドラゴンを倒したとはいえ、ドラゴンにより多くの魔物が引き寄せられたり、町の周辺で顕現していた。

 現在破壊された城壁より魔物に侵入され、多くの民が犠牲になっており、冒険者や兵士が必死に戦っている。

 そしてそんな戦っている者達の姿が見えた。
 ひょっとしたら今そこに俺達が割って入れば助かっだかも解らない光景も見て取れた。
 眼下で1人の冒険者が数匹の魔物に囲まれ、引き倒され、喉を掻き切られている等だ。

 しかし、町への侵入経路を防ぐのが最優先だ。心を強く持ち、結果としてその者を見捨てる形になるが、優先順位は変えられない。
 程なくして崩れた壁が見えてきた。

「行くぜ!」

「こらばか!少し待て!」

 ニーナが俺の腕からすり抜け、地上に向けてヒャッハーと飛び降りようとした。

 しかし・・・飛んでいる最中にベルトへカラビナを引っ掛けていたので、宙吊りになった。

「バカタレ!」

 仕方がないのでナイフでロープを切断してニーナをリリースしたが、勿論無事に着地した。

「行くぞ!」

 俺はニーナ目掛けて彼女のメインウエポンを投下した。
 ジャンプして受け取るとそのまま魔物の首をスパーンと刎ねる。

「ああしているとかっこいいのに、カラビナを外し忘れて宙吊りになるなんて相変わらずお茶目さんですよね」

「そこがニーナじゃね?」

 そうして防壁の外に行ったが、流石に外には人はいない。。

 そこからだけでも数百匹が見え、続々と町に侵入しているのが分かる。

 ドラゴンの目的はどうやら防壁を破壊する事だったようだ。
 そしてそれが終わると面白半分に人を捕まえては口に入れて噛み潰す、握り潰す、生きたまま投げ飛ばしたり落下させてその悲鳴を聞いて楽しんでいた。
 もう倒したけどね。

 で、壁は幅5m程が破壊されており、丁度良い岩を出して強引に塞ぐ。

 後は町の周りの魔物だ。
 中はニーナが無双しているし、新たに入ってくる魔物がいなくなれば何とかなるだろう。

 気の所為かウラーとか、ヒャッハー!とか、死にたい奴から掛かってきな!等とニーナの声が防壁の外にも聞こえてくる。

 俺達は先ずは防壁の上に立ち、魔物が諦めるまで少し数を減らす事にした。

 ライフルと矢を大量に出し、アイリーンに笛と防犯ブザーを渡し、俺は空に飛ぶ。
 ある程度減らすのにひたすらぺったんこさんをする為だ。
 アイリーンには防壁の中で戦っている者を助けてやって欲しいと告げた。

 何度も岩を出し、そしてしまう。 
 4方向に4つの岩を出し、4つの岩を回収するのを繰り返す。
 1時間程していただろうか。

 ぴー!ぴー!ぴ~!
 アイリーンから防壁の内側での戦いが終わった旨を笛で知らせて来た。
 こちらも魔物が逃げ始めたので引き上げ、アイリーンをピックアップして取り敢えずニーナの元に向かっていく。

 ニーナは既に負傷者の治療を始めており、一部の冒険者達は魔物がいないか確認と殲滅をしているが、それ以外は瓦礫の撤去などをしている。

 アイリーンはトランシーバーで連絡を取り、そこで得た情報は城の方で、臨時となる魔物の襲撃による被害復旧の為の本部が設置されるとの事だ。

 取り敢えず周辺の重症者の治療だけし、ニーナとアイリーンを伴い城に向かうのであった。
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