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第2章

第117話 エンピアルが死んでしまう!

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 俺は上空から探りを入れていた。
 おっ!いたいた。
 何かしようとしているな。
 おい待て、それはあかんやろ。そんな岩を転がしたらひとたまりもないぞ。あっ!やりやがった。

 人の背丈程の岩を落としやがった。
 不味い、馬車の方に向かっている。
 急ぎ急降下だ。
 あっ!2人?が穴に落ちた。
 エンピアルが逃したのか?
 あかん、これではエンピアルは避けられない。

 俺は飛びながら、エンピアルの手前にある馬車に触れると、そのままエンピアルを強引に抱き抱えて飛んだ。

 何か顔に柔らかな感触が伝わるな。あかん!たまらん!馬車を収納に入れ、馬の尻を叩いてからエンピアルをキャッチして飛翔をしたが、どうやら胸に顔を埋めてしまった。

「そうなのね。私はあの岩に押しつぶされて男を知らぬまま逝ったのね。レオン様に抱かれたかった。こうやって天に登るのね・・・」

 もう自分は死んだんだと勘違いしているようだ。

 アイリーンの胸の感触も素晴らしかったが、エンピアルの方が大人の色気が有り、現時点ではアイリーンよりすんばらしい。
 アイリーンはアイリーンで、現役高校生の禁断の体だ。もう少し胸の感触を堪能したいけど、まだ戦闘中だ。取り敢えず声を掛けた。

「間に合ったな。怪我はないか?」

「あっ、はい、だ、大丈夫です!」

 彼女にしては珍しく声に抑揚がある。

 大丈夫そうなので安心し、少し離れた所に降りた。

「エンピアル、アイリーン達を助けてくれたのは有り難いが、君が死んだら意味が無いぞ!自分の命を最優先にするんだ。君が死んだら俺は悲しいぞ!」

「私・・・生きているのですね!人として救われ、今度は文字通り命を救われたのですわね。レオン様、2人を穴に放り込んでいます。咄嗟の事で無詠唱で無理に発動しましたから、勿論制御は出来なかったので、思ったよりも深い穴になったかもです。死にはしないと思いますが、足を挫くか骨折位はあるかもです」

「分かった。エンピアルは皆の援護を頼む。俺は上の奴らを倒す。その後穴に嵌っている者を救おう!」

 俺はまたもや「シュワッチ!」と呟きながら飛び立ったが、まあ、エンピアルは大丈夫だろう。
 ニーナは放って置いても心配ない。

 俺はさっき岩を落とした奴をぺったんこする事にした。

 エンピアルの方を見ると、みっちゃん、アウィンと共に戦い、どうやらみっちゃんが1人を気絶させたから、こいつら殺しても大丈夫だろう。

 あんな岩を落としたら死ぬだろ。やられたのと同じ事をされても文句は言えないからな。

 3号さん投下・・・・ドゴーン!
 命中だ。回収っと。
 あれ?ニーナを始め、皆倒れたぞ?
 あっ!?何かをレジストしたようだ。待てよ・・・これは昨夜シャルルが襲われた時のあれだ。

 昨夜は逃したが、今回は逃さんぞ!
 すると、木で塞がれた方から黒目黒髪の奴等が出てきて、みっちゃんの方に向かったな。
 少し様子を見るか。これは此奴らの仕業か、偶々通り掛かったのか?
 それと今潰した奴と、こいつらと関係があるのか?だ。

 するとみっちゃんの所に行くと、足蹴にしていた。許せん!

「おっ?こいつ道村じゃねえか!相変わらずぺったんこだな」

「こっちには奴隷がいやがるぞ!」

「よし!女がいれば暫く起きないだろうから、そこの茂みでやろうぜ!それにほら、その赤毛、この前のやばいやつじゃねえか!って事は瑞希がいるんじゃねえか!?探すぞ!」

 すると1番でかい奴の足元の土が抉れた。みっちゃんが魔法を使ったようだ。

「佐東、触んじゃないよ!このくされXXが!」

「てめぇ、何故道村がもうひとりいるんだよ?スキルか?それになぜ起きている?」

「こいつ、俺の魅了も効かないぞ!」

「おい、やばいぞ!空からなにか来るぞ!」

 俺は敵と認識し、急ぎ皆の所に向かい、地上に降りたのだった。
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