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第1章

第74話 屋敷を見に行く

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 馬車の中でアイリーンはソワソワしていた。

「ねえ、レオン、お屋敷を買うの?」

「うん。そのつもりだよ。どうやらあんなだけど、ニーナは凄く有名で屋敷を買っても不思議じゃないみたいだし」

「人は見掛けに拠らないんですね。格好がだらしないから、お金にもだらしないのかなーって思っていましたけど、ちゃんとしているようで意外です。ニーナさんの事を少しは見直さないとですよね?」

「あのう・・・特にアイリーン!流石のアタイでも、少し傷付くんだぜ?それと3人で一緒に1番風呂を入るんだよ!」

「ニーナさん!メっ!ですよ。はしたないですよ」

「アイリーン、今回は真面目に言っているんだぜ。パーティーとして3人で屋敷を買うんだろ?」

 アイリーンは俺を見る。

「ああ。例の所で手に入れたお金でなんとかなるよな?勿論3人で購入という形かな」

「風呂付きの屋敷を買うと、購入した者が1番風呂に入るのが一般的な事なんだぜ。ジャックさん、そうだよな?」

「はい。レオン様にとってニーナ様は既に妾にされるのか、いずれ娶られるのだと思うので、ニーナ様のおっしゃる通り、3人で1番風呂をお入りください」

 アイリーンが否定し掛けたのだが、夫婦として登録をしてしまっている事から、否定が出来なかった。精々ニーナの立ち位置が妾でも、第二夫人?ですらない事を突っ込んだと思われたのだと気が付いた。

 色々やっちゃったなと思う反面、これはチャンスだとアイリーンは思う。お風呂に堂々と一緒に入るチャンスだ!勿論バスタオルを巻いて入るけど、流石に女の子として見てくれるかな?今こそ勝負下着だ!もうちょっとセクシーなのを方が良いかな?と思う。

 アイリーンがそんな事を思っていると、ジャック氏が間もなく屋敷に到着する旨を伝えてきた。

 そこにはコの字形?の立派な屋敷があった。

 3階建てで、完全な中庭が有る。

 □中 庭□
 □□■□□

 建物は横長で■が正面玄関。中庭は建物側からしか入れない完全なプライベートスペースだそうだ。

 白塗の屋敷は周りより立派な真新しい建物だ。

「あれ?中古物件の購入では?」

「はい。建築後まだ1年程しか経過しておりません。実際はこれから売り出される建物でして」

 取り敢えずジャック氏の指示で、馬車を正門から入り建物の正面のロータリーになっている所に付け、早速玄関の鍵を開けてくれた。

 部屋数は外からでも十分に有るし、ニーナが頷いていた。

「レオン。アタイが目を付けていた所だよ。正直ここより大きい所は売りに出されていないし、当面はすぐ住めるような屋敷はないはずだ。中を見るまでもないぞ」

 ジャックさんも頷く。

 それはともかく、俺とアイリーンはワクワクしながら玄関を入り、その豪華さに目を輝かせるのであった。
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