異世界でぺったんこさん！〜無限収納５段階活用で無双する〜

第１章

第42話 魔剣グラムとグランザム

　飾ってあったフルプレートアーマーに装備してあるのがそうだったのだが、レオンは不用意に手に取った。柄に宝石が散りばめられており、鞘を手に取った。

　ずっしりと思い。ロングソードの形態をしている。柄を握り鞘から剣身を引き出したが、黒く鈍い光を出しているが剣身は死んでいる。

「魔剣グラム・・・抜いたのか・・・いや、抜けたのか！」

「これがどうしたの？」

「彼の国に伝わる伝説の剣なんだ。持つのは可能だが、決して剣身から鞘が外れる事が無いと聞いている。貸してみな」

　レオンはヒョイッと剣を投げたが、ニーナは柄を受け取ろうとしたが受け取れなかった。

　柄に手を触れるとバシッと音がして一瞬輝き、手に取れず落としたのだ。

「鞘を戻してみな」

　鞘を戻すと、ニーナにも握れた。

「見てな」

　ニーナが鞘を取ろうとするも抜けない。

「アイリーン、鞘を抜いてみな」

　ニーナからアイリーンは剣を受け取るも、うーん！と唸りながら鞘を引っ張るもびくともしない。

「今レオンが取っていましたよね？外れないですよ！」

「レオン、剣を握れ」

　するとニーナが鞘を持つと、あっさりと鞘が引き抜けた。

「魔力を込めてみな」

　レオンは言われるがままに魔力を込める。後から思うと不思議なのだが、歩くのと同じで、当たり前のように魔力を込める事が出来たのだ。
　すると黒く鈍い光を放っていた剣が、ほのかに光る銀色の刀身に変わった。

「剣がお前を認めたんだ」

　どういう事だ？剣が認めたって、中二病じゃあるまいし。

「何それ！？」

「アタイも眉唾ものだと思っていたんだけどね、なんでも昔の勇者が使っていた剣で、その遺品だとさ。言い伝えだとドラゴンの首を一振りで落としたとかな。まあ、かなり盛られていて、話半分だろうけどな。でもな、勇者の愛剣だったのは間違いないようだな」

　レオンはふーんと唸る。
　改めて見ると、かなり長い。
　柄を含め、１．３ｍほど有る。
　そしてもう１本あった。柄を含め５０ｃｍ程のショートソードだ。
　鎧の脇に予備武器として掛けてあった。

「もう１本あるぞ。短い以外こっちも同じ感じだな」

「言い伝えによると元々大剣だったのだが、１度剣先が折れて、残った部分をロングソードに、剣先をショートソードにしたとあるが、本当だったんだな」

「ロングソードはでか過ぎかな。でもこっちのは何とかなりそう」

「折角だから持っておけ」

　そうしてロングソードを収納に入れ、ショートソードを身に着けた。

　剣の名前だが、ショートソードはグラムのままで、ロングソードの方はグランザムとした。元は同じ剣だが今では違う。別の剣として鍛えられているのだ。今の段階で特殊能力は分からないが、とても軽く、身に着けていても脱出時に奪った剣とは比べ物にならない。後でアイリーンに鑑定して貰おう。
　グラムから分離した剣との事で、呼び名を分けようとしたのだ。

　王の執務室にある物は書棚から机に至るまで収納に入れていった。
　隣りにある寝室に入ったが、３人共に唖然となった。臭かったのだ。シーツはめくれ、部屋の中には男女の服が脱ぎ散らかされていた。
　お兄さん思い出しちゃった。確か城を収納したら、プレイ中の男女の喘ぎ声が聞こえたなと。この部屋でやっていたのか・・・
　異臭の正体はやったあとの体液の臭いだ。何回戦やったのだろうか？
　気持ち悪いが、体液で汚れたシーツを剥がし、脱ぎ散らかされた服を包んで部屋の隅に転がした。
　うーん。この部屋を使う女性は多分王妃だよな？国王は謁見の間にいたから、つまり国王が不在の間に間男を連れ込んでお楽しみの真最中だったという事か。アイリーンとニーナは何の臭いか分からなかったようだけど、服を見て何が有ったかは概ね分かったようだが、国王が王妃とお楽しみだったのだなとしか思わなかったっぽい。

　しかし、あの国って大丈夫か？王妃が国王の寝室で昼日中に浮気って。

　それはともかく、包んだシーツ以外は一切合切取り込んだよ。

　そして次はいよいよお楽しみタイムだ。
　そう、宝物庫を襲撃する。
　宝剣が執務室にあったのには驚かされたが、他にも役に立つアイテムがある筈だ。

　やはりニーナは真っ直ぐに向かう。
　すると目的の部屋の前まで来たのであった。