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第4話 挨拶まわりその2
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吾郎は202号室へ挨拶しに出向いた。
それが吾郎がこれから迎える未知の経験の端緒である相手の1人だということを、彼自身がまだ想像すらしていない。それはただならぬ出会いの始まりだった。
ドアの前でピンポンとチャイムを押した。お隣さんがいるのは物音から知ってはいる。
「こんにちは、初めまして。私は203号室に引っ越してきた港吾郎と言い、引っ越しの挨拶にお伺いしました。よろしくお願いします」
明るい声音で隣の部屋のドアに挨拶を投げかけた。彼はドアが開くのを待ちながら、心の中で隣人の顔を想像していた。
その時ドアがゆっくりと開いたが、その先に立っていたのは、ショートカットの小柄な女性だったが、その姿に驚きを隠せなかった。
彼女は端整な顔立ちを持ち合わせた美人で、顔の見た目はハンサムな男にも見えなくもないが、着ている白いTシャツとジーンズだが、主張の激しい胸が明らかに女性である事を示していた。
「あら、こんにちは。お兄さんが新しいお隣さんなのね。私は202号室の楓。よろしくね!」
そしてその女性こと楓は軽やかなトーンで彼に挨拶を返し、吾郎から受け取った粗品を温かく受け取ると、振って中を想像した。
「これ、何かな?えーと、ちょっとまってね!あっ!これ多分お菓子ね?ありがとう、嬉しいわ」
「振っただけでよく分かりますね。これは私の地元の店で買ってきたお菓子なんです。チョコレートとクッキーの組み合わせでとても美味しいですよ!お口に合えば良いのですが」
礼儀正しい吾郎に対し彼女は温かい感謝と共に、自然体な笑顔を見せた。
「お兄さん、今時珍しく真面目だねぇ。こんなに丁寧に挨拶してくれるなんて!うふふ」
彼女のその言葉は楓自身の持つ自由な心まで伝わってきた。
「でも、今は目の毒だわ。まだ荷解きが終わらずゴチャゴチャしてるのよね。荷物の整理が終わったら頂くわ!」
そう言って彼女は玄関の中に散らかったダンボール箱を指さし、申し訳なさそうに微笑んだ。
「だから今は入ってもらえないの。ごめんね。お茶くらい出したかったのだけど」
「いえいえ。お構いなく。気持ちだけ頂きます!」
「じゃあまたね。これからはお隣さんとして仲良くしましょうね!」
そしてひとまずの別れを告げると、彼女はドアを閉じた。
ドアを閉める前の彼女の最後の言葉は、吾郎への微笑みとともに送られた。
吾郎は閉じたドアを見つめながら、心の中でつぶやいた。
「あの人、一体何者なんだろう。個性的で面白そうな人だったな・・・でも、目の毒なのはあの豊かな胸の谷間だよ。女性らしさを強調するかのように露わだった・・・ゴクリ・・・」
彼の心はこの新たな両隣人、瞳と楓のことで既に埋まっており、瞳の清楚な感じと楓の格好に魅了され、楓の屈託のない笑顔にドキリとした。
その後、下の階に挨拶に行くが、ドアの鍵の様子や、裏から見ても未入居だと言うのが分かった。
1階は人気ないんだなあと感じた吾郎だった。
それが吾郎がこれから迎える未知の経験の端緒である相手の1人だということを、彼自身がまだ想像すらしていない。それはただならぬ出会いの始まりだった。
ドアの前でピンポンとチャイムを押した。お隣さんがいるのは物音から知ってはいる。
「こんにちは、初めまして。私は203号室に引っ越してきた港吾郎と言い、引っ越しの挨拶にお伺いしました。よろしくお願いします」
明るい声音で隣の部屋のドアに挨拶を投げかけた。彼はドアが開くのを待ちながら、心の中で隣人の顔を想像していた。
その時ドアがゆっくりと開いたが、その先に立っていたのは、ショートカットの小柄な女性だったが、その姿に驚きを隠せなかった。
彼女は端整な顔立ちを持ち合わせた美人で、顔の見た目はハンサムな男にも見えなくもないが、着ている白いTシャツとジーンズだが、主張の激しい胸が明らかに女性である事を示していた。
「あら、こんにちは。お兄さんが新しいお隣さんなのね。私は202号室の楓。よろしくね!」
そしてその女性こと楓は軽やかなトーンで彼に挨拶を返し、吾郎から受け取った粗品を温かく受け取ると、振って中を想像した。
「これ、何かな?えーと、ちょっとまってね!あっ!これ多分お菓子ね?ありがとう、嬉しいわ」
「振っただけでよく分かりますね。これは私の地元の店で買ってきたお菓子なんです。チョコレートとクッキーの組み合わせでとても美味しいですよ!お口に合えば良いのですが」
礼儀正しい吾郎に対し彼女は温かい感謝と共に、自然体な笑顔を見せた。
「お兄さん、今時珍しく真面目だねぇ。こんなに丁寧に挨拶してくれるなんて!うふふ」
彼女のその言葉は楓自身の持つ自由な心まで伝わってきた。
「でも、今は目の毒だわ。まだ荷解きが終わらずゴチャゴチャしてるのよね。荷物の整理が終わったら頂くわ!」
そう言って彼女は玄関の中に散らかったダンボール箱を指さし、申し訳なさそうに微笑んだ。
「だから今は入ってもらえないの。ごめんね。お茶くらい出したかったのだけど」
「いえいえ。お構いなく。気持ちだけ頂きます!」
「じゃあまたね。これからはお隣さんとして仲良くしましょうね!」
そしてひとまずの別れを告げると、彼女はドアを閉じた。
ドアを閉める前の彼女の最後の言葉は、吾郎への微笑みとともに送られた。
吾郎は閉じたドアを見つめながら、心の中でつぶやいた。
「あの人、一体何者なんだろう。個性的で面白そうな人だったな・・・でも、目の毒なのはあの豊かな胸の谷間だよ。女性らしさを強調するかのように露わだった・・・ゴクリ・・・」
彼の心はこの新たな両隣人、瞳と楓のことで既に埋まっており、瞳の清楚な感じと楓の格好に魅了され、楓の屈託のない笑顔にドキリとした。
その後、下の階に挨拶に行くが、ドアの鍵の様子や、裏から見ても未入居だと言うのが分かった。
1階は人気ないんだなあと感じた吾郎だった。
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