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第2章

第111話 今後の事

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 結局全員ジュータスクの言う事を信じた。

 彼女だけは前世の事を覚えていた。だが、トニーを始め他の者は只ならぬ運命を感じるが、思い出せなかった。

 また、彼女と魔力パスを繋げた時にトニーのジョブが強制的に変わった。良く分からないが覇者の上位と思われる覇王となった。

 本来あり得ない。女神を1人妻にすれば覇者、2人だと覇王だからだ。

 女神が下界で魔力パスを構築出来るのはひとりのみ。心がパスを繋げる相手だと認めていないと駄目なのだ。スラナシスカの場合、紐付いているのがトニーだったから悩む事はなかった。

 但し、ジュータスクは魂がトニーを愛していたからトニーが口付けをするとパスを構築出来た。

「そのだな、皆の姿も名前も変わっているから気が付かなかったが、君達の前世の担当官が私だった。同じ魂を2度も担当するとはな。トニーの前世で担当した私はその功績で1級女神に上がり、他部署に移り、最近特級となった。言われてみればジュータスクの前世の魂は君の妻か」

 そのような話もあり、スラナシスカはジュータスクは犯罪者から一転、被害者となった。

 そして、彼女が本来持っていた能力プラス、ターミスが持っている能力以上を貸し与えた。また、天界に戻った時に身分の回復を図る事を約束していた。

 そんな話をしていると、スラナシスカが苦しそうにしていた。

「トニー済まないが、魔力の補充を頼む」

 トニーがキスをするのだが、皆さんお行儀よく後ろを向く。
 勿論一人にすると他の者にもしなければならない。

「なあスラナシスカ、ターミスってのは、何故スラナシスカとジュータスクを俺の近くに落としたんだ?」

「本来はターミスの好きな所に飛ばしたかった筈だが、トニーのやり直しのお蔭で術の準備が完了する前だったから、下界に落とすのが精一杯で、落とされた当人と関わりがあったり、強い想いのある者の近くに落とされた筈だぞ」

 ターミスの計画にかなりの狂いが発生した筈だった。目的通りに事を進めようとするのには、魂の数が少なかった筈だとスラナシスカは説明し、慌てて下界に逃げたと。 

 恐らく北の帝国と繋がりがあり、そちらに行った筈だと。そう、今日にでも最後通牒を突き付けてくる国王が魔王になる可能性があるのだ。

 これから帝国に向かって行く事になりそうだった。

 トニーは頭が痛い。システィーナも連れて行かねばならなかったからだ。
 スラナシスカの力を行使するのはシスティーナしか出来ないのだ。

 正確には、女神に対してのみ特化する力のみだ。スラナシスカとシスティーナを守りながら行かなくてはならない。

 ジュータスクの死亡時に魂が完全に死亡してしまう事に関して、スラナシスカが解除した。人間界で死亡した時は天界に送られるだけにした。

 その後の話し合いで、2日後に帝国に向けて出発する事とし、明日は準備と体力回復の日にする事になった。
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