116 / 130
第2章
第116話 後処理
しおりを挟む
俺達は燃えてしまった家から、出せる物を出していった。
幸い火災は賊の所為にされ、俺は誰からも責められなかった。
途中から皆に建物を任せ、俺は賊達の尋問だ。
分かったのはこの強者は元冒険者で、頭領の実の弟だった。近隣の街道で商人や旅人を襲い、稼いできて帰ってきた所だった。
俺は頭領への尋問をミスっていたのだと今頃になって気が付いた。質問の仕方がまずかったのだが、尋問時に頭領は嘘をつけないので、満足してしまった。
質問の仕方を間違えていた。それが分かったのはこの通りで、後日の事となったのだが、まさかあの時にこのような結果になるとは思いもよらなかった。奴が率いていた者は確かに俺が捕えた。だが、別働隊がいる事に気が付かなかったし、その事について具体的に質問をしなかった。
隷属化の力により盗賊達を奴隷にした時に嘘を禁じているから、その回答に満足してしまったのであり、本来俺がしなければならない質問はこうではなかった。
「お前達の盗賊団はこれで全員か?別の所に行っていて、まだ戻っていない者はいないのか?」
このような質問をしなければならなかったが、俺が質問した内容について、頭領は己が村を出る時に一緒に連れて行った者のみを指すような受け止め方をしていた。勿論曲解をしているが、、確かに嘘を言ってはいないが、本当の事でもない。全てを白状しなくて済むような余地を与えてしまったのだ。
俺が言った率いているというのは、尋問したのは盗賊団の頭領なので、その部下の事について、全てを指していたつもりだったが、実際のところ、頭領は村を出撃する時に直接率いていた本体の者のみを【お前が率いていた】というように捻じ曲げて解釈していたのだ。別働隊は部下に任せていたからだ。
そう、大所帯の盗賊が近隣を襲うのに部隊を1つしか持っていないというような事は考え難いのだが、俺にはその辺りの知識がなかったので、判断を誤ったのだ。
今回捕えた奴への尋問時に、村に尽くすか町で売られるかの希望を聞いてみたが、全員殺せの一点張りだった。
スキルはやはり1度全て奪い、非戦闘系のみ与えた。
そして農奴して村に尽くせと命じた。また、焼けた家は急ぎ建て直す事にしたが、奴隷達の中に元大工がいて、そいつを中心に建築する事になった。
幸い木材は豊富にある。
しかし俺はヘトヘトだった。
エルザもそうだが、無理なペースで駆けてきたからだ。
エルザはまだ万全ではない。先ずは部屋に行かせ、寝ているようにとの指示をした。
実はハインに手紙を持たせたのはカナロアだった。カナロアがハインに託し、俺の所に向かわせたのだが、それを知るのはカナロアだけだった。ミザリアはハインが勝手にどこかに行ったのだと本気で思っていたのだ。
怪我人を治療し、暫定的な村長に、近隣から移住する者が近々来る と話すと安心していた。
俺は眠くて仕方がなかった。
俺が強行軍の後で足元がふらついているのをイリアとミリアが気が付き、2人に両腕をがっちりホールドされ、部屋に連れて行かれた。
この細い体の何処に俺の抵抗を許さない力があるのやらだが、観念して黙って従う。
部屋に着いて倒れそうになるが、2人が装備を外してくれた。
万歳をさせられ寝間着に着替えさせられ、そのままベッドに横たわる。
一気に疲れが出てきたが、取り敢えず一緒に横になる2人の尻尾をもふる。ひたすらモフっていたら2人からバカとか言われた。
「ごめんな。かなり無理をして来たから、体が痛いんだ。2人共綺麗だよ。俺の双子の女神様だね。後で色々話を聞かせてね」
そう言ってから程なくして意識を手放した。
2人が何かを言っていたような気がするが聞こえなかったのだ。
そして起こされた時は既に夜になっていた。夕食の用意が出来たと言う。
なんとか起きて食堂に行くと、久し振りに全員集合だ。フランカもいた。
食事を始める前に俺は正式にエルザを娶ったと伝えると、エルザは皆から祝福された。
そしてミザリアがイリアとミリアの2人について、正式に娶るように改めて伝えてきた。二つ返事で了承し、それから頂きますだ。あっ!夕食の方ね。誰だ?ここでおっ始めるのか!と思った奴は!?
コホン。明日からどうするかとの話になり、村でやる事がもうなくなってきたとの認識だ。
なので明後日に村を出て、一旦ホームタウンに戻る方向で動く事にした。
行き先は途中の情勢次第なのだが、土地を確保してイリア達の屋敷を出し、住めるようにしたかった。
彼女達を娶るのはそれからで、初夜はその屋敷と勝手に決めていた。
しかし2人の破壊力はかなりのものだ。
超絶美少女が猫耳なのだ。可愛くて仕方がない。今日はその2人の添い寝だ。久し振りに一緒に過ごしたいというのだ。
押し倒し貪り付きたいのを必死に我慢し、2人の話に耳を傾ける。子供の時の話など取り留めの無い話だが、自分の事を知って貰いたくて必死に話すその姿は穢してはいけない存在にすら見えたのだ。疲れもあり、モフりながら眠りに落ちるのであった。
幸い火災は賊の所為にされ、俺は誰からも責められなかった。
途中から皆に建物を任せ、俺は賊達の尋問だ。
分かったのはこの強者は元冒険者で、頭領の実の弟だった。近隣の街道で商人や旅人を襲い、稼いできて帰ってきた所だった。
俺は頭領への尋問をミスっていたのだと今頃になって気が付いた。質問の仕方がまずかったのだが、尋問時に頭領は嘘をつけないので、満足してしまった。
質問の仕方を間違えていた。それが分かったのはこの通りで、後日の事となったのだが、まさかあの時にこのような結果になるとは思いもよらなかった。奴が率いていた者は確かに俺が捕えた。だが、別働隊がいる事に気が付かなかったし、その事について具体的に質問をしなかった。
隷属化の力により盗賊達を奴隷にした時に嘘を禁じているから、その回答に満足してしまったのであり、本来俺がしなければならない質問はこうではなかった。
「お前達の盗賊団はこれで全員か?別の所に行っていて、まだ戻っていない者はいないのか?」
このような質問をしなければならなかったが、俺が質問した内容について、頭領は己が村を出る時に一緒に連れて行った者のみを指すような受け止め方をしていた。勿論曲解をしているが、、確かに嘘を言ってはいないが、本当の事でもない。全てを白状しなくて済むような余地を与えてしまったのだ。
俺が言った率いているというのは、尋問したのは盗賊団の頭領なので、その部下の事について、全てを指していたつもりだったが、実際のところ、頭領は村を出撃する時に直接率いていた本体の者のみを【お前が率いていた】というように捻じ曲げて解釈していたのだ。別働隊は部下に任せていたからだ。
そう、大所帯の盗賊が近隣を襲うのに部隊を1つしか持っていないというような事は考え難いのだが、俺にはその辺りの知識がなかったので、判断を誤ったのだ。
今回捕えた奴への尋問時に、村に尽くすか町で売られるかの希望を聞いてみたが、全員殺せの一点張りだった。
スキルはやはり1度全て奪い、非戦闘系のみ与えた。
そして農奴して村に尽くせと命じた。また、焼けた家は急ぎ建て直す事にしたが、奴隷達の中に元大工がいて、そいつを中心に建築する事になった。
幸い木材は豊富にある。
しかし俺はヘトヘトだった。
エルザもそうだが、無理なペースで駆けてきたからだ。
エルザはまだ万全ではない。先ずは部屋に行かせ、寝ているようにとの指示をした。
実はハインに手紙を持たせたのはカナロアだった。カナロアがハインに託し、俺の所に向かわせたのだが、それを知るのはカナロアだけだった。ミザリアはハインが勝手にどこかに行ったのだと本気で思っていたのだ。
怪我人を治療し、暫定的な村長に、近隣から移住する者が近々来る と話すと安心していた。
俺は眠くて仕方がなかった。
俺が強行軍の後で足元がふらついているのをイリアとミリアが気が付き、2人に両腕をがっちりホールドされ、部屋に連れて行かれた。
この細い体の何処に俺の抵抗を許さない力があるのやらだが、観念して黙って従う。
部屋に着いて倒れそうになるが、2人が装備を外してくれた。
万歳をさせられ寝間着に着替えさせられ、そのままベッドに横たわる。
一気に疲れが出てきたが、取り敢えず一緒に横になる2人の尻尾をもふる。ひたすらモフっていたら2人からバカとか言われた。
「ごめんな。かなり無理をして来たから、体が痛いんだ。2人共綺麗だよ。俺の双子の女神様だね。後で色々話を聞かせてね」
そう言ってから程なくして意識を手放した。
2人が何かを言っていたような気がするが聞こえなかったのだ。
そして起こされた時は既に夜になっていた。夕食の用意が出来たと言う。
なんとか起きて食堂に行くと、久し振りに全員集合だ。フランカもいた。
食事を始める前に俺は正式にエルザを娶ったと伝えると、エルザは皆から祝福された。
そしてミザリアがイリアとミリアの2人について、正式に娶るように改めて伝えてきた。二つ返事で了承し、それから頂きますだ。あっ!夕食の方ね。誰だ?ここでおっ始めるのか!と思った奴は!?
コホン。明日からどうするかとの話になり、村でやる事がもうなくなってきたとの認識だ。
なので明後日に村を出て、一旦ホームタウンに戻る方向で動く事にした。
行き先は途中の情勢次第なのだが、土地を確保してイリア達の屋敷を出し、住めるようにしたかった。
彼女達を娶るのはそれからで、初夜はその屋敷と勝手に決めていた。
しかし2人の破壊力はかなりのものだ。
超絶美少女が猫耳なのだ。可愛くて仕方がない。今日はその2人の添い寝だ。久し振りに一緒に過ごしたいというのだ。
押し倒し貪り付きたいのを必死に我慢し、2人の話に耳を傾ける。子供の時の話など取り留めの無い話だが、自分の事を知って貰いたくて必死に話すその姿は穢してはいけない存在にすら見えたのだ。疲れもあり、モフりながら眠りに落ちるのであった。
12
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる