スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!

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第1章

第81話 召喚された地へ

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 夜通し走り続けていたのもあり、後3日で俺が召喚された城に着きそうだった。ユーシニアス国を出て、俺が召喚されたライランズ国へ入っていた。

 そこで俺があの国とか、この国としか言っておらず、不審に思ったエルザに国の名前を知っているのかと質問されたが、俺は答えられなかった。

 皆が驚きの顔を向けてきており、基本的な地理を俺が把握していない事について、特にミザリアが愕然としていた。

 今は大陸の地図の持ち合わせがないので、変異の後ユーシニアス国に戻ってから、みっちりと地理について勉強する事になった。グワッ!

 国境では、こちらが勇者一行と説明したのと、エルザが王族と分かると、急ぎ通されたらしい。国境を通過した後にエルザから聞かされたのだ。勿論国王が用意していた書状を見て、俺の顔を見る事もなく通されたのだとか。

 国境を超えてからも順調に進んでおり、後半日で到着の所まで来ていた。情報を集めていたが、次の変異までの猶予が1日半有ると分かった。そこで夕方というのもあり、町の宿に泊まる事になった。

 有り難かった。
 正直振動でまともに寝られなかったからだ。うとうとしても振動で時折目覚め、その影響からか少しだるかった。

 ミザリアやゼツエイはどんな時でも寝られる訓練をしたと言い、実際寝られていたようで、実に羨ましい事だ。

 俺は寝不足でふらふらだった。イリアとミリアも同じように辛そうだった。因みに寝られなかったのがこの3人で他はちゃんと寝られたのだ。ううう。

 そして食事をした後、風呂に入っていると俺は体の異常に気が付いた。

 お腹~胸に掛けて大量の発疹があるのだ。今朝から少し熱っぽいなとは思っていた。まあ、強行軍の疲れからだろう?とあまり気にしていなかったのだ。

 風呂を出ると、ミザリアが俺をイリアとミリアの元に連れて行く。

「友安様、3日程イリアちゃんとミリアちゃんを、ここに置いていかなければならなくなりましたわ。これを見て下さい。声変わり熱を羅患しましたわ」

 ミザリアがイリアとミリアの服を捲り、腹~胸を見せた。

 俺は自分の服を捲った。

「それ俺も出ているぞ」

 その一言にミザリアは凍りついた。俺の発疹を見たミザリアの顔は青ざめていく。

「そ、そんな・・・」

 ミザリアは慌てて部屋を飛び出し、エルザを連れて来た。エルザも俺の状態を見て口を抑えて狼狽えており、薬師を手配するとして部屋を出て行った。おいおい、一体何だよ?深刻そうだけど、不安だぞ!

 ミザリアが顔を青ざめながらも話してくれた。この病気は子供が声変わりする時期に、猫耳族は成長期に入る直前に患い、3日3晩に渡り全身に発疹が現れ、それと意識が朦朧とする程の高熱が出る。その後発疹が消えて、ウソのように熱も下がるという。

 どうやら誰もが子供の時に患う病気らしいが、患った事の無い俺が今頃患ったようだ。

 しかも大人が患った場合、死亡率が6割を越えていて、死ななくても男性能力不全状態に陥る。半年~1年位使い物にならないケースが9割を越えると。おい待て、まじかよ!俺童貞のまま死ぬのか?こんな事ならミザリアを抱くんだった・・・しょうもない奴である。しかも暫く不能になるだと!くそー!やめて~!一大事やろ!

 考える事は別にあるだろうに!
 ミザリアがショックから泣いていた。冷静沈着なミザリアがである。

 俺は段々辛く成って来て、いつの間にかミザリアに肩を貸して貰っていた。何とかベッドに横になり、何故かお金を出しておかないと皆、迷惑するよなと思い、ミザリアに収納のお金の9割位を渡し、そこで急激に気分が悪くなり意識を失った。
 自分でもかなりの熱が出ている認識があり、意識が朦朧としていたが、意識を失う前にミザリアに愛していると、一言言うのが精一杯であった。
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