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第1章

第80話 準備

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 俺は無限収納持ちになった事をエルザに伝えており、先行させた伝令により、城へその事が伝えられていた。

 合わせて伝令を経由して準備品についてのリクエストや、各種指示をしていた。

 食糧と飼い葉は収納に入れるからと、俺が収納しやすく1回分を一纏めとし準備をして貰う。

 引き続きエルザも同行するらしい。嬉しい反面、ミザリアの反応が怖いから、引き続き宜しくなと素っ気ない態度を取るしかなかった。

 それと俺は忙しかった。
 パーティーの事はフランカに任せ、俺は女性陣に下着、肌着、寝巻きを買いに行かせた。少なく共10着だ。それと城で洗濯物を預けた。その、不味いのもうっかり渡してしまったから、変な噂が立たないかな?それが心配だ。

 基本的に夜通しで寝台車に揺られているから、洗濯が出来ない為だ。
  俺の好きな女性には綺麗で居て貰いたい。

 カナロアに男性陣の下着や肌着を託した。
 フランカがエルザに深刻な顔で何かを頼んでいたが、エルザに聞いても本人から聞いてとしか言わない。ただ、変異の後なら話すからとフランカが言っているとしか言われなかった。つまり、俺にだけ知られたくない話しらしい。ちょっと疎外感が・・・

 しかし、俺には凹んでいる暇はなかった。
 旅路に必要な物をどんどん収納に入れなければならないからだ。

 因みにエルザは気さくな性格もあり、国民に絶大的な人気があるらしい。

 国王の妹の次女で、継承順位からは、王位を継承する事がまずないとして、好きにさせて貰っていた。それで好きだった剣技を鍛えていたら、いつの間にか剣聖とか、姫騎士とか言われていたそうだ。どうやら彼女は、自分より強い男にしか靡かないと常日頃から言っており、どうやら俺は彼女より強いと認識されている。

 忙しいが、エルザが一時的で良いからと、俺のパーティーに加わって変異を共に戦う事になった。

 流石に戦力を把握しなければならないので、練兵場で手合わせをする事にした。

  で、数合で彼女の実力が分かった。

 剣の腕は俺と互角だ。

 なのでパーティーメンバーとして同行を許可せざるをえなかった。
 剣聖は伊達じゃないようだ。ただ、スキルを使うと俺の方が強い事が分かったので、俺をリーダーとして認めてくれるようだ。

 そうして準備が夕方になり整った為に出発した。

 今、俺達は馬車で移動している。
 寝るにはまだ時間が早いからだ。
 俺達の馬車とエルザの馬車の2台に分乗である。
 エルザの馬車には当然の如く俺が引っ張られていっていった。他にミザリア、ミリア、イリアだ。俺達の馬車へはゼツエイ、フランカ、ムネチカ、カナロアが乗り込む。
 俺はエルザに日本での事を話して欲しいとせがまれていた。 好奇心旺盛のようで、見知らぬ土地の事等を知りたがる。それとやたらと距離が近く、フレンドリーだ。皆日本の話を黙って聞いている。

 まあどのみち、馬車の中では話をする位しかやる事がないので、これで皆の気が紛れるのであればそれも良いかなと思い、道中はずっと話をしていく。

 エルサはどうやら今はまだ19歳と言う。ただその若さであの剣の腕前は、どうしてであるのか疑問はあるが、美貌の剣士というのには間違いがない。

 彼女もまた、フランカ同様に魔法が殆ど使えない 。自身に対してのみの各種バフ、攻撃魔法は目くらましや牽制程度である。しかし、彼女の場合、国宝である宝剣の貸与が認められており、その剣が持っている技がある。

 これは己の魔力をコアにし、更に周辺の魔力をかき集め、己の魔力の何百倍もの威力を発揮する事になる。
 技としては単純なもので、剣を振った方向に大量の熱線を出すというものだ。仮に敵対勢力として殺し合いをした場合、この技を知らなかったら、初見で殺されるのは俺の方かも分からない。

 また、彼女の魔力は凡庸で大きくもなく小さくもない。
 ただ何百倍もの魔力を集められるので、建物ぐらい一瞬で粉々に出来るだけの力を持ち合わせていると言う。

 俺の攻撃力には劣るらしいが、それでもかなりのものであり、カナロア、ムネチカの2人の戦力に匹敵するのではないかと思っている。

 ミザリアとエルザが張り合っており、そんな2人を双子は面白そうに見ている感じだったが、エルザとミザリアは相変わらず腕を組みたがり、胸を押し当てられ、その感触に馬車の中でまったり?としていたのであった。
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