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エリック包囲網!(プチざまぁあり)
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部屋に着いたエリックは何が起こっているのか理解出来なく、ブツブツと呟いていた。
「バカな!バカな!バカな!バカな!バカな!」
貧乏揺すりをして、落ち着かない様子のエリックは頭を抱えていた。
どうしてこうなった?何を間違えた?どうすればいい?どうすれば解決できる?
一向に答えが出なかった。
エリック王子の部屋の前には騎士が二人、監視の為に立っていた。
「そうだ!私兵を使ってここを抜け出して、シオンに会おう!あいつから周りの奴らに、取りなしてもらえばいいんだ!私からのお願いなら嫌とは言わないだろう!」
そう呟くと、すぐにメイドを呼び出した。
「御呼びでしょうか?」
「ああ、実は私の私兵達はどうしているかと思ってな?私のせいでアイツらも謹慎されているのだろうか?」
エリックは謙虚な態度を見せて同情を誘い、情報を引き出そうとした。
「いいえ、王子の私兵達はいません」
メイドの言葉に首を傾げた。
「いないとはどういうことだ?」
「言葉の通りです。1人も残らずこの世にはいません」
メイドは無表情で言った。
!?
「こ、この世にはいないとは、どういう事だ!?」
メイドは心底バカにした目でエリックを見つめていった。
「はぁ~、人の言葉も理解出来ないのですか…………?言葉の通りですよ。シオンお嬢様を不当に扱った愚か者達は拷問の末にあの世へ行って貰いました。理解出来ましたか?」
エリック王子は口をパクパクさせて、メイドを指さした。
「ふふふ、気が付きましたか?貴様がシオンお嬢様にまた何かしないか見張る為にきた者ですよ」
メイドはスカートに手を入れたかと思うと、ナイフを取り出し、素早くエリックの首へ当てた。
「ひいぃぃぃぃ!!!!!?」
「まったく、私が来て正解だったわ?私兵を使いまたシオンお嬢様に何かしようとしたな?クズが!」
メイドはこのまま殺した方がシオンお嬢様の為になるのではと、心の中で何度も考えた。
バンッ!!!
「王子!今の悲鳴は何ですか!」
部屋の前に立っていた騎士が入ってきたのだ。
「ふ、ふははは!形勢逆転だな!?ナイフを捨てろ!このままではお前も死ぬぞ!」
騎士達はナイフを持っているメイドを見て驚いた。
「おい!バカなマネはよせ!」
「そうだ!こんな事をしてどうする!」
騎士達の必死の説得にメイドは騎士達を睨み付けた。
「うるさい!こんなクズは死んだ方が良いに決まっているわ!」
エリックの後ろ廻り、首元にナイフを付けて叫んだ。
「私は次期国王だぞ!こんな所で死んでいい人間ではないのだ!おい!さっさと助けないか!?」
騎士達はそれでも必死に呼び掛けた。
「お前の気持ちは良くわかる!俺も同じ気持ちだ!だが、こんなクズを殺したらシオンお嬢様が悲しむぞ!」
「お前はシオンお嬢様と何度も顔を会わせて、仲が良かっただろう?シオンお嬢様はお前の手が血に染まることを許さないだろう!」
ん?
何で騎士達は私の事ではなく、シオンの奴の事を言っているんだ?
「うぅぅぅ………………」
ガタンッ
メイドは床に膝を付き泣き出した。
「はぁはぁ!この私を殺そうとした事は万死に値する!騎士達よ!このメイドを……………?」
騎士達はエリック王子を無視して、メイドに手を貸し起き上がらせていた。
「大丈夫だ。シオンお嬢様は優しいお方だからきっと許してくれる。また喜んで貰えるようクッキーでも差し入れしろよな?」
「そうだぞ。またシオンお嬢様の手料理が食べられるんだ。楽しみにしておけ」
騎士達は二人で支えながらメイドを運び出そうとした。
「お、おい!まて!そいつを殺せ!私を殺そうとしたんだぞ!?」
顔を真っ赤にしてエリックは叫んだ。
「うるさいぞ!このゴミクズが!?」
騎士の1人がエリックの腹を殴った。
「グハッ!?」
膝を付きゴホゴホと痛がるエリックに騎士は蹴り上げた。
「ぎゃっ!?」
ゴロゴロッドンッ!?
「貴様のせいで大勢の人間が悲しみ苦しんでいるだ!さっさと殺したいが、死んだら終わりだ。貴様には苦しみを与えろとの命令だからな。殺しはしない」
壁にぶつかり、呻いているエリックが顔だけ騎士に向けていった。
「私にこんな事をして、ただですむと思うな…………」
「お前こそわかっていないのか?本当に愚か者だな?」
「な、なんだと!?」
騎士は可哀想な奴を見る目でいった。
「貴様はいつでも殺せるということだ!」
!?
「何故だ!」
「我々はアクエリアス家の人間だからだ」
!?
「ば、バカな!?」
「すでに近衛騎士の半数がアクエリアス家の騎士になっている。貴様に見分けが付くのかな?」
エリック王子は青ざめた。
「うっかり食事にも毒を入れてしまうかも知れないが、頑張って食べてくれ」
「お、おい!どうしてアクエリアス家の騎士がここにいるんだ!?」
騎士はやれやれと首を振って答えた。
「貴様を逃がさないためだ」
ゾック!!!
「あ、あああ…………………」
エリックはようやく理解し恐怖した。
「いつでも貴様を殺せるという事を忘れるな?」
バタンッ!?
騎士はメイドを連れて部屋から出ていった。
部屋には痛みに悶えるエリックだけが取り残された。
「バカな!バカな!バカな!バカな!バカな!」
貧乏揺すりをして、落ち着かない様子のエリックは頭を抱えていた。
どうしてこうなった?何を間違えた?どうすればいい?どうすれば解決できる?
一向に答えが出なかった。
エリック王子の部屋の前には騎士が二人、監視の為に立っていた。
「そうだ!私兵を使ってここを抜け出して、シオンに会おう!あいつから周りの奴らに、取りなしてもらえばいいんだ!私からのお願いなら嫌とは言わないだろう!」
そう呟くと、すぐにメイドを呼び出した。
「御呼びでしょうか?」
「ああ、実は私の私兵達はどうしているかと思ってな?私のせいでアイツらも謹慎されているのだろうか?」
エリックは謙虚な態度を見せて同情を誘い、情報を引き出そうとした。
「いいえ、王子の私兵達はいません」
メイドの言葉に首を傾げた。
「いないとはどういうことだ?」
「言葉の通りです。1人も残らずこの世にはいません」
メイドは無表情で言った。
!?
「こ、この世にはいないとは、どういう事だ!?」
メイドは心底バカにした目でエリックを見つめていった。
「はぁ~、人の言葉も理解出来ないのですか…………?言葉の通りですよ。シオンお嬢様を不当に扱った愚か者達は拷問の末にあの世へ行って貰いました。理解出来ましたか?」
エリック王子は口をパクパクさせて、メイドを指さした。
「ふふふ、気が付きましたか?貴様がシオンお嬢様にまた何かしないか見張る為にきた者ですよ」
メイドはスカートに手を入れたかと思うと、ナイフを取り出し、素早くエリックの首へ当てた。
「ひいぃぃぃぃ!!!!!?」
「まったく、私が来て正解だったわ?私兵を使いまたシオンお嬢様に何かしようとしたな?クズが!」
メイドはこのまま殺した方がシオンお嬢様の為になるのではと、心の中で何度も考えた。
バンッ!!!
「王子!今の悲鳴は何ですか!」
部屋の前に立っていた騎士が入ってきたのだ。
「ふ、ふははは!形勢逆転だな!?ナイフを捨てろ!このままではお前も死ぬぞ!」
騎士達はナイフを持っているメイドを見て驚いた。
「おい!バカなマネはよせ!」
「そうだ!こんな事をしてどうする!」
騎士達の必死の説得にメイドは騎士達を睨み付けた。
「うるさい!こんなクズは死んだ方が良いに決まっているわ!」
エリックの後ろ廻り、首元にナイフを付けて叫んだ。
「私は次期国王だぞ!こんな所で死んでいい人間ではないのだ!おい!さっさと助けないか!?」
騎士達はそれでも必死に呼び掛けた。
「お前の気持ちは良くわかる!俺も同じ気持ちだ!だが、こんなクズを殺したらシオンお嬢様が悲しむぞ!」
「お前はシオンお嬢様と何度も顔を会わせて、仲が良かっただろう?シオンお嬢様はお前の手が血に染まることを許さないだろう!」
ん?
何で騎士達は私の事ではなく、シオンの奴の事を言っているんだ?
「うぅぅぅ………………」
ガタンッ
メイドは床に膝を付き泣き出した。
「はぁはぁ!この私を殺そうとした事は万死に値する!騎士達よ!このメイドを……………?」
騎士達はエリック王子を無視して、メイドに手を貸し起き上がらせていた。
「大丈夫だ。シオンお嬢様は優しいお方だからきっと許してくれる。また喜んで貰えるようクッキーでも差し入れしろよな?」
「そうだぞ。またシオンお嬢様の手料理が食べられるんだ。楽しみにしておけ」
騎士達は二人で支えながらメイドを運び出そうとした。
「お、おい!まて!そいつを殺せ!私を殺そうとしたんだぞ!?」
顔を真っ赤にしてエリックは叫んだ。
「うるさいぞ!このゴミクズが!?」
騎士の1人がエリックの腹を殴った。
「グハッ!?」
膝を付きゴホゴホと痛がるエリックに騎士は蹴り上げた。
「ぎゃっ!?」
ゴロゴロッドンッ!?
「貴様のせいで大勢の人間が悲しみ苦しんでいるだ!さっさと殺したいが、死んだら終わりだ。貴様には苦しみを与えろとの命令だからな。殺しはしない」
壁にぶつかり、呻いているエリックが顔だけ騎士に向けていった。
「私にこんな事をして、ただですむと思うな…………」
「お前こそわかっていないのか?本当に愚か者だな?」
「な、なんだと!?」
騎士は可哀想な奴を見る目でいった。
「貴様はいつでも殺せるということだ!」
!?
「何故だ!」
「我々はアクエリアス家の人間だからだ」
!?
「ば、バカな!?」
「すでに近衛騎士の半数がアクエリアス家の騎士になっている。貴様に見分けが付くのかな?」
エリック王子は青ざめた。
「うっかり食事にも毒を入れてしまうかも知れないが、頑張って食べてくれ」
「お、おい!どうしてアクエリアス家の騎士がここにいるんだ!?」
騎士はやれやれと首を振って答えた。
「貴様を逃がさないためだ」
ゾック!!!
「あ、あああ…………………」
エリックはようやく理解し恐怖した。
「いつでも貴様を殺せるという事を忘れるな?」
バタンッ!?
騎士はメイドを連れて部屋から出ていった。
部屋には痛みに悶えるエリックだけが取り残された。
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