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ダンジョンの攻略は○○作戦だ!
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スピカ、スフィア、玉藻は茫然としていた。
開いた口が塞がらないほどに、目と口を大きく開けて茫然としていた。
「さぁ!行くよー!隊列ーーーー!ぜんたーい止まれ!」
ザッ!ザッ!ザッ!
ビシッ!?
ダンジョンの入口前の開けた広場には、緑色の集団が整列していた。遠くから見ればそれは現代社会のグリーンベレー帽部隊のようである。
しかし近付いてみるとソレは人でない事がわかる。そう、植物で造られたウッドゴーレム部隊である!狭いダンジョンで動けるように、普通の人と同じサイズで整列していた。
問題なのはその数である。
優に100体はいるのだ!
今回の作戦は、【精鋭部隊】の【物量戦】だったのだ!
物量作戦と聞いて100体では少なくない?と思う読者もいるだろうが、一騎当千の万能ゴーレムのウッド君が100体ですよ?万の軍隊に匹敵する武力であるのだ。
「さぁ!我がグリーン部隊よ!この森の平和を脅かす者を許すなーーー!!!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
ウッドゴーレムは【今は】しゃべる事が出来ないが、呻き声は出せるのだ。シオンの演説に同調した雄叫びを上げた!
「我が同盟の獣人の集落を襲撃した魔物を許せるかーーー!!!!!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
「大切な人達が苦しんだ事を許せるかーーー!!!!!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
「ならば、武器を取れ!魔物を屠れ!ダンジョンを攻略し、2度と魔物の氾濫が起こらないよう、徹底的に蹂躙するのだーーーー!!!!!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
グリーン部隊は2列で隊列を組み、順番にダンジョンへ入っていった。
ザッザッザッ!!!
ザッザッザッ!!!
「よしスピカ、グリーン部隊が【偵察】してくれるから後から入ろうね!」
「え、ええ…………」
偵察?
違う………何かが違うと思うスピカであったが、目の前のグリーン部隊を見て何も言えなかった。
「もうシオンが本気になったら世界を盗れますね~」
スフィアが、なんとなーく言った言葉にシオンを除く者達は…………否定出来なかった。
ドッーーーーーーン!!!!!
ドンドンドンッ!!!!!
バッーーーーーーン!!!!!
ダンジョンの奥から激しい戦闘音が聞こえている。
【精鋭】のグリーン部隊が100体の【物量作戦】でダンジョンを【壊しながら】進んでいるようだ。
シオン達はやる事が無いので、地面にシートを敷いて、持ってきたサンドイッチを食べていた。
モグモグッ
ムシャムシャ
モグモグッ
ムシャムシャ
「美味しいねー♪」
「う~ん、美味ですよ~」
「うむ、なかなかなのじゃ!」
「いいのかなぁ~こんなにくつろいで………」
真面目なスピカだけは不安に思いながらも、美味しいサンドイッチを食べていた。獣人族の秘伝のタレと塩胡椒で味付けしたサンドイッチは美味であった。
周囲の魔物は全て狩ったが、3体ほどウッドゴーレムを護衛に置いていたので、防備は万全である。
『わぁぁぁぁぁ!!!!!美味しいの~!』
あら?可愛い声ね?誰かしら?
「可愛い声ですね~どなたですか~?」
スフィアが見渡すがシオン達以外、誰も居ない。
「あれ?確かに声が………」
『うまうまうまーーーーいの!!!!!』
また聞こえた声の方を見ると─
「可愛い!妖精だーーーー!!!!!」
ハグハグッ
ハグハグッ
バスケットの中に身体を突っ込んで、サンドイッチを美味しそうに食べている、小さな妖精がそこにいた。真っ白な肌に、緑色の長い髪で小さな透明な羽がキラキラと煌めいている。
サンドイッチを一生懸命に食べてる姿は微笑まし光景だった。
「ねぇ、あなたの名前は?」
シオンが聞くと、妖精は答えた。
『名前はないよー?』
「あら?そうなの?寂しいわね?」
『寂しいの?』
「だって、友達になっても呼べないもの」
『そっか、ずっと1人でいたから知らなかったの!名前を付けて~!』
妖精はシオンの周りを飛びながら、名前を付けてと飛び回る。
「いいの!それじゃ、【リリー】ってどうかしら?ユリの花で純白や清らかな心って意味なのよ♪」
『嬉しいの~!名前と美味しい食べ物の御礼に、私の家に案内するの~』
妖精が喜んでシオン達に、キラキラと光る粉を振り掛けると、シオン達はその場所から消えたのだった。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
「あれ?ここはどこ?」
一瞬で全く違う場所に飛ばされたシオンは、びっくりしたが目の前の物体に目を奪われた。
そこは、大きな石造りの部屋で中央には1メートルほどのクリスタルが淡い光を発生させながら佇んでいた。
「うわぁ~ここはどこですか~!?」
『驚かしてごめんなの~!ここは森のダンジョンの最奥、ダンジョン・コアの間なの~』
!?
ダンジョンの最奥!?
『ここにね、緑色の怪物が攻めてきてびっくりしたから逃げ出したの~そしたらシオン達が美味しそうな物を食べていたからお邪魔したの~』
ああ…………それは私のです。
「リリーは何者なの?」
『私、リリーはダンジョンコアなの~!最近は森の結界が強くなって、ダンジョン内の魔物が苦しんで逃げ出したの~!一部の魔物はコアを守るようインプットされているから遠くまで逃げれないの~』
何だってーーーーー!!!!!
『シオンには緑色の怪物が来る前に、宝物を持って逃げて欲しいの~最後に素敵なマスターに会えて、リリーは幸せだったの~』
ああっ、リリーはもう諦めているんだね。
でも大丈夫よ?だって、ソレは─
バッン!?
入口のドアが破壊されグリーン部隊が乱入してきた。
『ああ!もうここまで!?シオン、ダンジョンの外へ逃げるの~』
リリーの声に、シオンは手を前に出して叫んだ!
「グリーン部隊!止まれ!!!ここはすでに占拠した!作戦終了である!良くやった!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
グリーン部隊は自分達より早く最下層に着いていたシオンを讃えるように叫んだ!
「さて、リリー?詳しい話を聞きましょうか?」
こうして、軍隊ごっこ遊びは終了したのでした。
開いた口が塞がらないほどに、目と口を大きく開けて茫然としていた。
「さぁ!行くよー!隊列ーーーー!ぜんたーい止まれ!」
ザッ!ザッ!ザッ!
ビシッ!?
ダンジョンの入口前の開けた広場には、緑色の集団が整列していた。遠くから見ればそれは現代社会のグリーンベレー帽部隊のようである。
しかし近付いてみるとソレは人でない事がわかる。そう、植物で造られたウッドゴーレム部隊である!狭いダンジョンで動けるように、普通の人と同じサイズで整列していた。
問題なのはその数である。
優に100体はいるのだ!
今回の作戦は、【精鋭部隊】の【物量戦】だったのだ!
物量作戦と聞いて100体では少なくない?と思う読者もいるだろうが、一騎当千の万能ゴーレムのウッド君が100体ですよ?万の軍隊に匹敵する武力であるのだ。
「さぁ!我がグリーン部隊よ!この森の平和を脅かす者を許すなーーー!!!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
ウッドゴーレムは【今は】しゃべる事が出来ないが、呻き声は出せるのだ。シオンの演説に同調した雄叫びを上げた!
「我が同盟の獣人の集落を襲撃した魔物を許せるかーーー!!!!!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
「大切な人達が苦しんだ事を許せるかーーー!!!!!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
「ならば、武器を取れ!魔物を屠れ!ダンジョンを攻略し、2度と魔物の氾濫が起こらないよう、徹底的に蹂躙するのだーーーー!!!!!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
グリーン部隊は2列で隊列を組み、順番にダンジョンへ入っていった。
ザッザッザッ!!!
ザッザッザッ!!!
「よしスピカ、グリーン部隊が【偵察】してくれるから後から入ろうね!」
「え、ええ…………」
偵察?
違う………何かが違うと思うスピカであったが、目の前のグリーン部隊を見て何も言えなかった。
「もうシオンが本気になったら世界を盗れますね~」
スフィアが、なんとなーく言った言葉にシオンを除く者達は…………否定出来なかった。
ドッーーーーーーン!!!!!
ドンドンドンッ!!!!!
バッーーーーーーン!!!!!
ダンジョンの奥から激しい戦闘音が聞こえている。
【精鋭】のグリーン部隊が100体の【物量作戦】でダンジョンを【壊しながら】進んでいるようだ。
シオン達はやる事が無いので、地面にシートを敷いて、持ってきたサンドイッチを食べていた。
モグモグッ
ムシャムシャ
モグモグッ
ムシャムシャ
「美味しいねー♪」
「う~ん、美味ですよ~」
「うむ、なかなかなのじゃ!」
「いいのかなぁ~こんなにくつろいで………」
真面目なスピカだけは不安に思いながらも、美味しいサンドイッチを食べていた。獣人族の秘伝のタレと塩胡椒で味付けしたサンドイッチは美味であった。
周囲の魔物は全て狩ったが、3体ほどウッドゴーレムを護衛に置いていたので、防備は万全である。
『わぁぁぁぁぁ!!!!!美味しいの~!』
あら?可愛い声ね?誰かしら?
「可愛い声ですね~どなたですか~?」
スフィアが見渡すがシオン達以外、誰も居ない。
「あれ?確かに声が………」
『うまうまうまーーーーいの!!!!!』
また聞こえた声の方を見ると─
「可愛い!妖精だーーーー!!!!!」
ハグハグッ
ハグハグッ
バスケットの中に身体を突っ込んで、サンドイッチを美味しそうに食べている、小さな妖精がそこにいた。真っ白な肌に、緑色の長い髪で小さな透明な羽がキラキラと煌めいている。
サンドイッチを一生懸命に食べてる姿は微笑まし光景だった。
「ねぇ、あなたの名前は?」
シオンが聞くと、妖精は答えた。
『名前はないよー?』
「あら?そうなの?寂しいわね?」
『寂しいの?』
「だって、友達になっても呼べないもの」
『そっか、ずっと1人でいたから知らなかったの!名前を付けて~!』
妖精はシオンの周りを飛びながら、名前を付けてと飛び回る。
「いいの!それじゃ、【リリー】ってどうかしら?ユリの花で純白や清らかな心って意味なのよ♪」
『嬉しいの~!名前と美味しい食べ物の御礼に、私の家に案内するの~』
妖精が喜んでシオン達に、キラキラと光る粉を振り掛けると、シオン達はその場所から消えたのだった。
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一瞬で全く違う場所に飛ばされたシオンは、びっくりしたが目の前の物体に目を奪われた。
そこは、大きな石造りの部屋で中央には1メートルほどのクリスタルが淡い光を発生させながら佇んでいた。
「うわぁ~ここはどこですか~!?」
『驚かしてごめんなの~!ここは森のダンジョンの最奥、ダンジョン・コアの間なの~』
!?
ダンジョンの最奥!?
『ここにね、緑色の怪物が攻めてきてびっくりしたから逃げ出したの~そしたらシオン達が美味しそうな物を食べていたからお邪魔したの~』
ああ…………それは私のです。
「リリーは何者なの?」
『私、リリーはダンジョンコアなの~!最近は森の結界が強くなって、ダンジョン内の魔物が苦しんで逃げ出したの~!一部の魔物はコアを守るようインプットされているから遠くまで逃げれないの~』
何だってーーーーー!!!!!
『シオンには緑色の怪物が来る前に、宝物を持って逃げて欲しいの~最後に素敵なマスターに会えて、リリーは幸せだったの~』
ああっ、リリーはもう諦めているんだね。
でも大丈夫よ?だって、ソレは─
バッン!?
入口のドアが破壊されグリーン部隊が乱入してきた。
『ああ!もうここまで!?シオン、ダンジョンの外へ逃げるの~』
リリーの声に、シオンは手を前に出して叫んだ!
「グリーン部隊!止まれ!!!ここはすでに占拠した!作戦終了である!良くやった!」
ウオォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!
グリーン部隊は自分達より早く最下層に着いていたシオンを讃えるように叫んだ!
「さて、リリー?詳しい話を聞きましょうか?」
こうして、軍隊ごっこ遊びは終了したのでした。
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