悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
29 / 100

我こそがダンジョンマスターである!

しおりを挟む
リリーはねー、ずっとここのダンジョンにいたの~!』

「あの~?どれくらい前からいた(できた)のですか~?」

スフィアが尋ねると………

『ん~?100年ぐらい前なの~?』

!?

スフィアを見る目が痛い。

「ぜ、全然知りませんでした!」

スフィアは両腕を地面に付けて自己嫌悪に陥っていた。

「そう言えば、龍王様の封印も知らなかったよね?スフィアって…………」(ジトー)

「何ですか!?最後まで言って下さいよ!気になるじゃないですか!」

わんわんと泣き叫ぶスフィアを放置して、リリーの頭を撫でた。

「寂しかったでしょう?これからは一緒よ♪」

リリーはシオンを見上げて抱き付いた。

『リリーはマスターに付いていくの~!』

シオンの頬っぺにスリスリしながら喜びの涙を流すリリーと、自分の間抜けさに涙を流すスフィアであった。

「所で、マスターってなに?」

『マスターはマスターなの~!シオンはダンジョンマスターになったのよ~』

へぇ~私がダンジョンマスターか~!

んっ?

「ねぇ?私の聞き間違いかな?なんか知らない内にダンジョンマスターになったと聞いたような?」

シオンはスピカと玉藻の方を見て聞いてみた。

「妾も聞こえたぞぇ?」
「うん、ダンジョンマスターになったって聞こえたわ!」

え~と、ダンジョンマスターって、他の小説だと、神様が運営してたり、ダンジョンに入った冒険者を罠に嵌めて殺す【職業】だよね?

さすがにちょっとなぁ~

シオンが悩んでいるとリリーが言った。

『大丈夫なの~マスターは自由にダンジョンを改装出来るの~!』

へぇ~そうなの?でもねぇ~?
ダンジョンの使い道なんて…………!?

「そうだわ!使えるじゃない!?」

突然、シオンが叫んだ!

「ど、どうしたの!シオン!?」

「このダンジョンでお肉の繁殖をすれば良いのよ!」

!?

「繁殖?」

「そう!オークや獣系の魔物を作って、冒険者………獣人達に倒して貰うの!数が多くなければオークぐらい倒せるでしょう?」

「うむ!並みの魔物であれば敵ではないのぅ!」

「ねぇ、リリー?どうやってダンジョンを改築するの?」

『え~とねぇ、その中央のコアに触れながら意識を集中するの~』

「う~と、こうかな?」

シオンは意識を集中した。するとこのダンジョンの全容が頭の中に入ってきた。
どうやらこのダンジョンは10階層になっており、それほど深くはなさそうだ。だが、一階層の広さがけっこうあり、普通に潜ると時間が掛かりそうな作りであった。

「おおっ!すごいよこれ!?」

今までにない体験に興奮するシオン!

「でも、この作りだと………構造自体、変更するしかないね!」

シオンが自分の思い通りにダンジョンを変化させると、急に力が抜けてきた。

「あ………れ?」

膝を付くシオンにスピカが支えた。

「大丈夫!?どうしたのよ」

「あはは…………なんか急に力が抜けてしまって」

『ごめんなの~!ダンジョンを変化させる為には魔力が必要なの~!普段は、侵入者を倒して魔力に変換して、溜めておくのだけれど今はカラッポなので、シオンの魔力をそのまま使うの~』

リリーは申し訳なさそうに頭を下げた。

「大丈夫、ちょっと疲れただけだよ。でも、一階層が限界かな?」

「シオンは一階層をどうしたのですか~?」

むふふふ!よくぞ聞いてくれました!

シオンはドヤ顔で言った。

「全ての壁を無くして、大きな草原にしたわ♪お肉になりそうな魔物を放って置いたから、獣人達に狩にきて貰いましょう!あ、エルフも来ても良いからね!」

シオンの発想に一同はびっくりするのだった。

「はぁ~もうシオンは何でもありですね~、ってか人間辞めてませんか?」
「失敬な!何処からどうみてもピチピチ(死語)の人間よ!」

…………人間だよね?

まさか、ダンジョンマスターとかになって永遠の命を手に入れたとかないよね?

少し悩んだシオンだったが、まっいっか!と前向きに考えるのだった。

「久々に肉祭りをするのじゃ!帰る前に狩りまくるぞぇ!」

「賛成!お肉は美味しい!正義です!」

守護精霊(アホ)スフィアが賛成した。あれ?コイツ、何かしたっけ?

よし、肉祭りの名前の通りにコイツを囮にしてやる。

こうしてシオンは、泣き叫ぶスフィアを囮にして、大量のお肉をゲットして収納魔法で各集落へ運び、大いに喜ばれるのでした。

そして、修道院のマスコットキャラクター・リリーが加わることになりました。

しおりを挟む
ツギクルバナー
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

少女漫画の当て馬女キャラに転生したけど、原作通りにはしません!

菜花
ファンタジー
亡くなったと思ったら、直前まで読んでいた漫画の中に転生した主人公。とあるキャラに成り代わっていることに気づくが、そのキャラは物凄く不遇なキャラだった……。カクヨム様でも投稿しています。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

野生児少女の生存日記

花見酒
ファンタジー
とある村に住んでいた少女、とある鑑定式にて自身の適性が無属性だった事で危険な森に置き去りにされ、その森で生き延びた少女の物語

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

処理中です...