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ハルクイベント15
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……まあ、見た目は完全ショタだし、問題ない。問題ない。
私が他に代替え案を出す気がないことを悟ったのか、ハルクは小さくため息を吐いてそのままベッドに近づいて来た。
「……まあ、リッカさんが気にしないなら、遠慮なく」
「はいはい、喜んで」
布団をめくり、隣にハルクを招きいれる。
……ふふふ、右手にハルク、左手にラド。つまり両手に美ショタ。
多少狭くはあっても、なんとまあ、ある意味贅沢な空間だ。
「それじゃあ、おやすみなさーい」
「……おやすみなさい」
どこか所在なさげなハルクの返事は敢えて突っ込まず、そのまま目を閉じた。
「……リッカさん。リッカさん。まだ、起きてますか」
「…………ふえ?」
夜中。右隣のハルクの呼びかけで目を覚ました。
「……すみません。起こしてしまいましたか」
「ううん。大丈夫だよ。眠れないの?」
「はい。……どうしても、色々考えてしまって」
ちらりと左隣を見ると、やっぱり爆睡中のラド。……これは間違いなく、朝までぐっすりコースだな。やっぱり、ハルクの話集中しろって作為を感じる。
「……何をそんなに考えてたの?」
「…………」
ハルクは少し黙り込んだ後、ぽつりと呟くように心中を打ち明けた。
「……大人の僕のことです」
「大人のハルクがどうしての?」
「大人の僕は……司教にならずに、植物学者の道を選んだのですね」
……ああ、そうか。
「大司教を目指すことを当たり前に育った今の僕には、どうしてもそれが信じられないのです。家族の期待を裏切り、家を飛び出すなんて……大人の僕は、そんな道を選んだことを、後悔していないのでしょうか」
今のハルクはまだ、「選ぶ」前のハルクなのか。
家族に言われるがままに、大司教を目指す。
「君が心配しなくても……大人のハルクは、自分の選んだ道を後悔なんかしてないよ」
私が他に代替え案を出す気がないことを悟ったのか、ハルクは小さくため息を吐いてそのままベッドに近づいて来た。
「……まあ、リッカさんが気にしないなら、遠慮なく」
「はいはい、喜んで」
布団をめくり、隣にハルクを招きいれる。
……ふふふ、右手にハルク、左手にラド。つまり両手に美ショタ。
多少狭くはあっても、なんとまあ、ある意味贅沢な空間だ。
「それじゃあ、おやすみなさーい」
「……おやすみなさい」
どこか所在なさげなハルクの返事は敢えて突っ込まず、そのまま目を閉じた。
「……リッカさん。リッカさん。まだ、起きてますか」
「…………ふえ?」
夜中。右隣のハルクの呼びかけで目を覚ました。
「……すみません。起こしてしまいましたか」
「ううん。大丈夫だよ。眠れないの?」
「はい。……どうしても、色々考えてしまって」
ちらりと左隣を見ると、やっぱり爆睡中のラド。……これは間違いなく、朝までぐっすりコースだな。やっぱり、ハルクの話集中しろって作為を感じる。
「……何をそんなに考えてたの?」
「…………」
ハルクは少し黙り込んだ後、ぽつりと呟くように心中を打ち明けた。
「……大人の僕のことです」
「大人のハルクがどうしての?」
「大人の僕は……司教にならずに、植物学者の道を選んだのですね」
……ああ、そうか。
「大司教を目指すことを当たり前に育った今の僕には、どうしてもそれが信じられないのです。家族の期待を裏切り、家を飛び出すなんて……大人の僕は、そんな道を選んだことを、後悔していないのでしょうか」
今のハルクはまだ、「選ぶ」前のハルクなのか。
家族に言われるがままに、大司教を目指す。
「君が心配しなくても……大人のハルクは、自分の選んだ道を後悔なんかしてないよ」
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