173 / 211
彼は悪魔
しおりを挟む
茉莉は海樹の頭を壺で殴った。海樹は床に倒れ込み、頭から大量の血液が溢れ出た。
茉莉は壺を無造作に放り投げると、包丁を手に持ち、自分のお腹を引き裂いた。引き裂かれたお腹から赤ん坊が顔を出した。赤ん坊はお腹から這い出ると海樹に近づいた。腕からは血が流れていた。
海樹は物言わぬ躯となり果てている。赤ん坊は海樹の頭を掴むと、口を大きく開けた。音を立てながら、海樹の全身を貪り尽くしていく。すると赤ん坊の体が徐々に変化し、やがて海樹の姿になった。
海樹は悪魔だった。それを知った茉莉は海樹を殺害した。身籠った赤ん坊も抹殺するべく、自分のお腹を引き裂いたが、茉莉は悪魔をなめていた。赤ん坊といえども悪魔の子。包丁が突き刺さる直前、腕を犠牲にし、受け止めたのだ。
赤ん坊は海樹の器だった。何度死んでも、赤ん坊が躯を貪り尽くせば、海樹は復活する。
海樹は茉莉の遺体を見下ろすと、静かに微笑んだ。
茉莉は壺を無造作に放り投げると、包丁を手に持ち、自分のお腹を引き裂いた。引き裂かれたお腹から赤ん坊が顔を出した。赤ん坊はお腹から這い出ると海樹に近づいた。腕からは血が流れていた。
海樹は物言わぬ躯となり果てている。赤ん坊は海樹の頭を掴むと、口を大きく開けた。音を立てながら、海樹の全身を貪り尽くしていく。すると赤ん坊の体が徐々に変化し、やがて海樹の姿になった。
海樹は悪魔だった。それを知った茉莉は海樹を殺害した。身籠った赤ん坊も抹殺するべく、自分のお腹を引き裂いたが、茉莉は悪魔をなめていた。赤ん坊といえども悪魔の子。包丁が突き刺さる直前、腕を犠牲にし、受け止めたのだ。
赤ん坊は海樹の器だった。何度死んでも、赤ん坊が躯を貪り尽くせば、海樹は復活する。
海樹は茉莉の遺体を見下ろすと、静かに微笑んだ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
赤毛の行商人
ひぐらしゆうき
大衆娯楽
赤茶の髪をした散切り頭、珍品を集めて回る行商人カミノマ。かつて父の持ち帰った幻の一品「虚空の器」を求めて国中を巡り回る。
現実とは少し異なる19世紀末の日本を舞台とした冒険物語。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
シニカルな話はいかが
小木田十(おぎたみつる)
現代文学
皮肉の効いた、ブラックな笑いのショートショート集を、お楽しみあれ。 /小木田十(おぎたみつる) フリーライター。映画ノベライズ『ALWAIS 続・三丁目の夕日 完全ノベライズ版』『小説 土竜の唄』『小説 土竜の唄 チャイニーズマフィア編』『闇金ウシジマくん』などを担当。2023年、掌編『限界集落の引きこもり』で第4回引きこもり文学大賞 三席入選。2024年、掌編『鳥もつ煮』で山梨日日新聞新春文芸 一席入選(元旦紙面に掲載)。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
(大体)400文字ショート
入相海
大衆娯楽
毎日1本、400文字程度の創作小説を書くというチャレンジ。
400文字で完結する話や、次の日に続く話もあります。
※ジャンルは各話バラバラなので章ごとに分けて管理しています。
■現在の取り扱いジャンル
BL/ホラーBL/オカルトBL
日常/日常系ホラー/日常系ファンタジー
怖い話
社長に言われたので、志を高く持ってみた
藍染 迅
大衆娯楽
春は入社式のシーズン。社長の長話。くだらない新人教育。
そこに現れた一人のヒーローの物語。
本作主人公の真似をして発生する結果について、当局は一切関知しない――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる