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ネロのはなし
女神との姦淫7
しおりを挟む『女王の夫の優遇と不文律、紋章について』
・人権、権威、富、名声、望むものあらば可能な限り対応可能
・女王との閨において女王へ子種を授ける権利、義務
・専用の離宮への移住(召使いなどは応相談)
・女王との契りによる紋章は絶対不可侵の破棄不可の契約(永久不滅契約、不義密通永久不可、移動範囲女王許可制)
・女王の望みに寄り添う(閨等)
・他の夫に直接、又は間接的な危害、妨害行為を禁ずる(夫は皆平等の扱いである)
・
・
・
「これは……」
ネロは渡された紙束を読み進めて困惑した。何故、このような資料を渡されたのか。美丈夫の語っていた愛云々については話半分にしか聞いていなかったネロだったが、この資料の束を読み進めるほどに相手の意図が読めず混乱した。
ネロは女王マリアンヌを狙った暗殺者、刺客である。それが何故、これから結婚でもするかのような資料を渡されているのか。昏い世界で生きてきたネロにとって、結婚、愛、閨、などという文言は未知の言語であった。知識としては一応言葉を知ってはいても、実際に己が一生体験することの無い縁遠いものであるという認識だったのだ。
まさか、女王との婚姻ということではあるまい、とネロは浮かんだ考えを即座に否定した。もしかしたら監視として見知らぬ誰かと表面上娶わせられるのかもしれない。その前情報としてこんな資料を渡されたのかもしれない、と暗殺者としては関係なかった事柄のために多くを知らなかったなけなしの知識の中でそれらしき結論を導き出したのである。
頓珍漢な結論だったが、暗殺者としての常識が前提にあるネロにとっては精いっぱいの考察でもあった。もしくは、あの神々しい少女とネロが娶せられるということ自体が有り得ないという考えが先立っていたせいなのか、ネロは人生で初めて悶々と貴賓牢の中で過ごすことになってしまったのであった。
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