696 / 771
五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
675 模擬戦とは名ばかりの実戦
しおりを挟む
午後になり名目上指導という訓練の時間が近付くにつれて、召集に応じた粗暴な冒険者達が訓練場にやって来る。
その様子を見てギルド職員が驚いていたので、カズがどうしたのかと尋ねた。
午後も半分来れば良い方だと思っていたが、召集した十二人の内十人の冒険者がやって来た。
それだけではなく、午前の召集で来なかった四人もやって来ていた。
訓練場の外で険悪な雰囲気になり、近くを通行する者が巻き込まれては大変だと、ギルド職員が召集に応じた粗暴な冒険者達を、訓練場内に案内する。
午前の召集に来なかった四人の粗暴な冒険者は、今回召集に応じなかった事で、街で冒険者としての活動が制限されるのではと、考えを改めて来たのかも知れないとギルド職員は考えた。
そこで午前の召集で来なかった四人の粗暴な冒険者達に「どうして今になって来た」と理由を聞いた。
召集に応じた粗暴な冒険者を訓練場内に案内し、事務室に戻って来たギルド職員の表情を見て、別のギルド職員が「何か問題でもあったのか?」と聞く。
一瞬カズに視線を向け、口元に手を当てて言い辛そうにする。
しかし名目上指導訓練という模擬戦の時間になれば分かってしまうので、ギルド職員は召集した粗暴な冒険者達に聞いた事を話す。
午前の召集で来なかった粗暴な冒険者四人は、召集に応じて来た四人の粗暴な冒険者に聞き、カズが数日前噂になったレオラの専属冒険者だと知った。
そこで模擬戦の相手が、そのカズだと分かったから来たと言った。
そして午後召集した粗暴な冒険者も、その事を知って来たのだと。
第六皇女がこの街でした事を噂で知り、その専属冒険者が相手なら不足なしと、やる気勇んで来た。
召集に応じなかった二人は、第六皇女にもその専属冒険者にも興味はなく、冒険者としての活動もどうでもいいと考えてるらしい。
召集した中で、冒険者崩れの盗賊になる可能性が高い二人だと。
話を聞いたカズは「午前のように、かすり傷程度で済ませるような模擬戦にするのは難しい」と、ギルド職員に話した。
ギルド職員も召集に応じた粗暴な冒険者達を見て、確かに難しそうだと感じ「指の骨折くらいなら魔法と回復薬で治せるから、その程度でなんとか済ませてほしい」と頼んてきた。
ギルド職員は模擬戦を中止するとも、代わりに自分達が相手をするとも言わず、カズにそのまま相手をするように頼んだ。
サブ・ギルドマスターから直接の依頼だったので、確認を取らず勝手に依頼を中止させることはできなかった。
「やるだけやってみます。それと相手の出方によっては……いや、行きましょう(ハァ…面倒な依頼だ)」
話を終えて時間となり、カズはギルド職員二人と共に、粗暴な冒険者が集まる訓練場内に移動する。
相容れないからと、粗暴な冒険者達を午前と午後で分けたのに、午前の召集に応じなかった四人の冒険者達が午後に来てしまい、訓練場内は険悪な雰囲気になっていると思っていた。
だが気に掛ける対象が模擬戦をするカズに向いていることで、殺気立ってはいたものの険悪にはなっていなかった。
ギルド職員二人が、召集に応じて来た粗暴な冒険者達に、名目上指導訓練という模擬戦についての説明をした。
そこで粗暴な冒険者から「約束通り来たんだ。武器は自分のを使用したい」と言ってきた。
勿論それは訓練用の木剣でも、刃を潰した武器でもなく、実際に冒険者達が使用している武器を指す。
大半が大小あれど剣を携えているが、中には弓や杖や鞭を使用している者も居た。
寸止めできるような者達ではないと分かっていたので、ギルド職員二人は却下する。
するとギルド職員の後方で待機しているカズに視線を移して「あのレオラ皇女専属冒険者なら問題ないと、ここに集まった冒険者は思うんだが、訓練用の武器でないと怖いのか?」と、あからさまな挑発をしてきた。
ギルド職員が「聞く必要ない」とカズに言う。
それを聞き粗暴な女性冒険者が「こんなか弱いわたしが怖いなんて、皇女専属冒険者とは、とんだ腰抜けだ!」と、追撃の挑発をする。
そして他の粗暴な冒険者は、大口を開けて笑う。
サブ・ギルドマスターが恐怖心をと言っていた意味が分かった気がしたカズは「俺は別に構わない」と、粗暴な冒険者達の挑発に乗る。
粗暴な冒険者達の相手をするカズが良いと言ってしまったので、ギルド職員二人は何も言えず、各々の武器での模擬戦を許可した。
模擬戦を監視するため、壁際の移動しようとしたギルド職員の一人が小声で「あの中の内の二人はCランクとなっているが、実力的にはBランク相当はある。くれぐれも気をつけて」と、ランク以上の強さがあると注意してきた。
その話を聞いたカズは、大体の予想はついた。
粗暴な者と冒険者ギルドから目を付けられていれば、例え戦闘能力が高くても、冒険者のランクを下がる事があっても、上がる事はない。
冒険者達も目を付けられていると気付いた時点で、冒険者ギルドに在籍したままでいるのは、ギルドカードが十分な身分証明になるからだろう。
詰まるところ高ランクには、何の興味もないということだと、カズは考えた。
高ランクくなれば進入禁止や、図書館の閲覧禁止の場所にも入れることがあるので、低ランクより高ランクの方がどちらかといえば良いだろう。
ただ実際にカズ自身も、ギルドカードは身分証明になればいいと思っていた。
Aランクにも好んでなろうとした訳ではなかったので、ランクによって強さを確定することをしないように心掛けているつもりだ。
だがそれでも余程のことがないなければ、やはりランクである程度の強さを測ってしまうので、ギルド職員の言葉は今のカズにはありがたかった。
ギルド職員二人が壁際に移動する間に、カズは召集されて来た粗暴な冒険者達を《分析》してステータスの程を確認をした。
Dランクが五人でレベルが24からレベル28。
Cランクが九人で内七人がレベル32からレベル40。
残りの二人がレベル45とレベル47あり、冒険者ギルドが設定している強さの基準として、Cランク上位からBランクの下位に入るがどうかといった強さはある。
冒険者ギルドが決めたランク基準で加減をしては、足を掬われたのはカズだったかも知れなかった。
そうなってしまったていたら、驕り高ぶっていたのはカズ自身ということになる。
事前にそれに気付けたので、それを踏まえた上で粗暴な冒険者達の相手をする。
ギルド職員の二人が壁際に移動した所で、先程挑発してきた大剣を持つ男と、鞭使いの女が先陣きって攻撃を仕掛けてきた。
大きく振り上げた大剣を勢い良く振り下ろし、カズはそれを横っ飛びして避ける。
そこへ蛇のようにうねった鞭が、カズの足を拘束しようと伸びてくる。
カズは鞭使いの女の後方に一瞬目を向けると、攻撃をしてきた二人以外の冒険者達は各々武器を手にし、今か今かと攻撃を仕掛ける様子を窺っているようだった。
足元まで伸びてきた鞭を蹴り返すと、山なりに二本の矢が飛来する。
鏃には何やら濃い緑色の液体が塗られていることから、明らかに何かしらの毒だと思えた。
飛来した矢を受け止めて投げ返すことはせず、後方に大きく一歩飛び回避する。
すると攻撃をして四人ではなく、それを見ていた粗暴な冒険者数人の舌打ちした音が聞こえた。
明らかに寸止めをするつもりはなく、当たれば良くて重症、悪くて死ぬような攻撃をしてきている。
この模擬戦でカズが死んだとしても、訓練用の武器を使わないで、各自の武器を使う事を許可したのだからと、ギルド職員に言ってくるだろう。
その様子を見てギルド職員が驚いていたので、カズがどうしたのかと尋ねた。
午後も半分来れば良い方だと思っていたが、召集した十二人の内十人の冒険者がやって来た。
それだけではなく、午前の召集で来なかった四人もやって来ていた。
訓練場の外で険悪な雰囲気になり、近くを通行する者が巻き込まれては大変だと、ギルド職員が召集に応じた粗暴な冒険者達を、訓練場内に案内する。
午前の召集に来なかった四人の粗暴な冒険者は、今回召集に応じなかった事で、街で冒険者としての活動が制限されるのではと、考えを改めて来たのかも知れないとギルド職員は考えた。
そこで午前の召集で来なかった四人の粗暴な冒険者達に「どうして今になって来た」と理由を聞いた。
召集に応じた粗暴な冒険者を訓練場内に案内し、事務室に戻って来たギルド職員の表情を見て、別のギルド職員が「何か問題でもあったのか?」と聞く。
一瞬カズに視線を向け、口元に手を当てて言い辛そうにする。
しかし名目上指導訓練という模擬戦の時間になれば分かってしまうので、ギルド職員は召集した粗暴な冒険者達に聞いた事を話す。
午前の召集で来なかった粗暴な冒険者四人は、召集に応じて来た四人の粗暴な冒険者に聞き、カズが数日前噂になったレオラの専属冒険者だと知った。
そこで模擬戦の相手が、そのカズだと分かったから来たと言った。
そして午後召集した粗暴な冒険者も、その事を知って来たのだと。
第六皇女がこの街でした事を噂で知り、その専属冒険者が相手なら不足なしと、やる気勇んで来た。
召集に応じなかった二人は、第六皇女にもその専属冒険者にも興味はなく、冒険者としての活動もどうでもいいと考えてるらしい。
召集した中で、冒険者崩れの盗賊になる可能性が高い二人だと。
話を聞いたカズは「午前のように、かすり傷程度で済ませるような模擬戦にするのは難しい」と、ギルド職員に話した。
ギルド職員も召集に応じた粗暴な冒険者達を見て、確かに難しそうだと感じ「指の骨折くらいなら魔法と回復薬で治せるから、その程度でなんとか済ませてほしい」と頼んてきた。
ギルド職員は模擬戦を中止するとも、代わりに自分達が相手をするとも言わず、カズにそのまま相手をするように頼んだ。
サブ・ギルドマスターから直接の依頼だったので、確認を取らず勝手に依頼を中止させることはできなかった。
「やるだけやってみます。それと相手の出方によっては……いや、行きましょう(ハァ…面倒な依頼だ)」
話を終えて時間となり、カズはギルド職員二人と共に、粗暴な冒険者が集まる訓練場内に移動する。
相容れないからと、粗暴な冒険者達を午前と午後で分けたのに、午前の召集に応じなかった四人の冒険者達が午後に来てしまい、訓練場内は険悪な雰囲気になっていると思っていた。
だが気に掛ける対象が模擬戦をするカズに向いていることで、殺気立ってはいたものの険悪にはなっていなかった。
ギルド職員二人が、召集に応じて来た粗暴な冒険者達に、名目上指導訓練という模擬戦についての説明をした。
そこで粗暴な冒険者から「約束通り来たんだ。武器は自分のを使用したい」と言ってきた。
勿論それは訓練用の木剣でも、刃を潰した武器でもなく、実際に冒険者達が使用している武器を指す。
大半が大小あれど剣を携えているが、中には弓や杖や鞭を使用している者も居た。
寸止めできるような者達ではないと分かっていたので、ギルド職員二人は却下する。
するとギルド職員の後方で待機しているカズに視線を移して「あのレオラ皇女専属冒険者なら問題ないと、ここに集まった冒険者は思うんだが、訓練用の武器でないと怖いのか?」と、あからさまな挑発をしてきた。
ギルド職員が「聞く必要ない」とカズに言う。
それを聞き粗暴な女性冒険者が「こんなか弱いわたしが怖いなんて、皇女専属冒険者とは、とんだ腰抜けだ!」と、追撃の挑発をする。
そして他の粗暴な冒険者は、大口を開けて笑う。
サブ・ギルドマスターが恐怖心をと言っていた意味が分かった気がしたカズは「俺は別に構わない」と、粗暴な冒険者達の挑発に乗る。
粗暴な冒険者達の相手をするカズが良いと言ってしまったので、ギルド職員二人は何も言えず、各々の武器での模擬戦を許可した。
模擬戦を監視するため、壁際の移動しようとしたギルド職員の一人が小声で「あの中の内の二人はCランクとなっているが、実力的にはBランク相当はある。くれぐれも気をつけて」と、ランク以上の強さがあると注意してきた。
その話を聞いたカズは、大体の予想はついた。
粗暴な者と冒険者ギルドから目を付けられていれば、例え戦闘能力が高くても、冒険者のランクを下がる事があっても、上がる事はない。
冒険者達も目を付けられていると気付いた時点で、冒険者ギルドに在籍したままでいるのは、ギルドカードが十分な身分証明になるからだろう。
詰まるところ高ランクには、何の興味もないということだと、カズは考えた。
高ランクくなれば進入禁止や、図書館の閲覧禁止の場所にも入れることがあるので、低ランクより高ランクの方がどちらかといえば良いだろう。
ただ実際にカズ自身も、ギルドカードは身分証明になればいいと思っていた。
Aランクにも好んでなろうとした訳ではなかったので、ランクによって強さを確定することをしないように心掛けているつもりだ。
だがそれでも余程のことがないなければ、やはりランクである程度の強さを測ってしまうので、ギルド職員の言葉は今のカズにはありがたかった。
ギルド職員二人が壁際に移動する間に、カズは召集されて来た粗暴な冒険者達を《分析》してステータスの程を確認をした。
Dランクが五人でレベルが24からレベル28。
Cランクが九人で内七人がレベル32からレベル40。
残りの二人がレベル45とレベル47あり、冒険者ギルドが設定している強さの基準として、Cランク上位からBランクの下位に入るがどうかといった強さはある。
冒険者ギルドが決めたランク基準で加減をしては、足を掬われたのはカズだったかも知れなかった。
そうなってしまったていたら、驕り高ぶっていたのはカズ自身ということになる。
事前にそれに気付けたので、それを踏まえた上で粗暴な冒険者達の相手をする。
ギルド職員の二人が壁際に移動した所で、先程挑発してきた大剣を持つ男と、鞭使いの女が先陣きって攻撃を仕掛けてきた。
大きく振り上げた大剣を勢い良く振り下ろし、カズはそれを横っ飛びして避ける。
そこへ蛇のようにうねった鞭が、カズの足を拘束しようと伸びてくる。
カズは鞭使いの女の後方に一瞬目を向けると、攻撃をしてきた二人以外の冒険者達は各々武器を手にし、今か今かと攻撃を仕掛ける様子を窺っているようだった。
足元まで伸びてきた鞭を蹴り返すと、山なりに二本の矢が飛来する。
鏃には何やら濃い緑色の液体が塗られていることから、明らかに何かしらの毒だと思えた。
飛来した矢を受け止めて投げ返すことはせず、後方に大きく一歩飛び回避する。
すると攻撃をして四人ではなく、それを見ていた粗暴な冒険者数人の舌打ちした音が聞こえた。
明らかに寸止めをするつもりはなく、当たれば良くて重症、悪くて死ぬような攻撃をしてきている。
この模擬戦でカズが死んだとしても、訓練用の武器を使わないで、各自の武器を使う事を許可したのだからと、ギルド職員に言ってくるだろう。
2
お気に入りに追加
540
あなたにおすすめの小説
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
令嬢キャスリーンの困惑 【完結】
あくの
ファンタジー
「あなたは平民になるの」
そんなことを実の母親に言われながら育ったミドルトン公爵令嬢キャスリーン。
14歳で一年早く貴族の子女が通う『学院』に入学し、従兄のエイドリアンや第二王子ジェリーらとともに貴族社会の大人達の意図を砕くべく行動を開始する羽目になったのだが…。
すこし鈍くて気持ちを表明するのに一拍必要なキャスリーンはちゃんと自分の希望をかなえられるのか?!
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる