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77初恋の味
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のっそりと体を起こしたエインが菓子に手を伸ばす。
それを、今度こそ私は止めなかった。
大きな口で一口にほおばるエインを前に「せめてもう少し味わったら」どうだと、心の中でうなる。
果たして、彼は目を丸くして、荒野の中に一つの野花を見つけたように顔をほころばせた。
「ん……うまい。さすがスミレの乙女。名付け親として、彼女にぴったりな名前を付けられたことは誇らしく思うよ」
そういえば、スミレの乙女などと呼びだしたのはエインだったか。今ではすっかり私の中で定着しているこの言葉がエインの案だと思うと……少し心が曇る。
私の「白衣の女」という呼び方とて、彼女の在り方を端的に示していたと思うのだが。
人々を救う医師のように穢れなき白衣をまとう女性。白昼夢の出来事かと疑わずにはいられない、広大な精霊に見放された土地での邂逅。
それはまさしく運命といえるようなもので、幻のような出会いをした彼女をファントムと呼ぶのはそう悪くないように思うのだ。
もっとも、その呼び名から幽霊だとか死者を連想してしまうというのも一理ある。
だからスミレの乙女という、町角でひっそりと、されど美しく力強く咲き誇る淡い紫の花のような呼び名を選んで正しかった、はずだった。
「彼女には、スミレと呼ぶなと言われた」
拒絶の言葉。
今思い出せば、心臓を握りこまれたように苦みが走る。
必死に不安と絶望を振り払おうとしても、腑を包み込むひやりとした実体無き手の間隔が消えてくれない。
心をつかまれている――比喩でも何でもなく、事実として私は、どれほど心が痛もうが彼女のことを考えずにはいられない。
「……へぇ? まあ、殿下相手ではそうなるだろうね」
限定する表現。それはまるで、私以外が相手ならば彼女がその呼び名を受け入れるとでも言いたげだった。
「私だけには特別な名前で呼んでほしい」などとポジティブな意味に受け取ることはできそうになかった。
吐き捨てるように告げた彼女の声音が私の心につけた傷が、じくりと痛みを訴えるから。
「っ、それではお前が彼女をそう呼べば、スミレの乙女はその呼び名を受け入れるというのか!?」
言いながら、エインが彼女を呼び、彼女が呼ばれるのを受け入れる光景を想像してしまう。そうすればもう、今すぐにエインを縊り殺してやりたくなるほどの怒りが全身を駆け巡る。
ソファを蹴り飛ばすように立ち上がる私を前に、「もちろん」と、静かな声でエインはうなずいた。
その確信も、どこか責めるような表情も、冷めた瞳も。そんな感情が私に向けられている理由もわからない。
ただ、すべてを突き放すようなその目は、母のように慕っていた使用人の一人、彼女が私に向けたそれに似ていた。
――殿下には、わかりませんよ。
懐かしい声が、ふっと耳の奥によみがえる。
幼少のころの記憶など、すでに知識と化したもの以外は一切が詰め込まれた教育という情報量の中に消えていて。
それなのにその声は、彼女の顔は、まるであの日見たとそれと寸分たがわず、私の中に残っていた。
心の奥深くに埋め込んで、忘れた気になっていた古傷が顔をのぞかせる。
去り際。彼女に「こんな結婚でいいのか」「そんな夫が相手でいいのか」と繰り返し尋ねた私に対する答え。
かつての棘は私の心をむしばみ、傷口はじくじくと痛み始める。
それは、失恋の痛み、ではない。
「……エイン、教えてくれ。私は、何を理解できずにいる?」
同じ失敗はしない。そもそも状況からしてまるで似ていないかが、それでも、何か共通点があるはずだった。
そして間違いなく、そこには私の無知という要因がある。
だが、どれだけ頼み込んでも、頭を下げても、頭上から望む声が降ってくることはなかった。
ため息が一つ。顔を上げてくれと告げるエインは、怒りを含んだ目でまっすぐに私を見ていた。
「それを聞くのはオレじゃなくてスミレの乙女相手だね。――オレはこれ以上、殿下に協力はできない」
「ッ、何故」
何故今更。
口にした言葉には、どこかすがるような声音があった。
一体王子である自分は、どこまでみじめになるつもりだ。
冷静な心の声は、焦燥と怒りに飲み込まれて消えていく。
「オレはマリーの婚約者であり、マリーの未来の夫だからだ。彼女を悲しませる選択をするわけがない」
アマーリエ・トレイナか。彼女がスミレの乙女とつながりがあるという話は前に聞いた。友人だと。
ただ、それこそ今更だった。
妻のために女との交友を控えるなど、ろくに会っていない女性に対して口にする言葉ではない。
その時、激しい悪寒が背中を突き抜ける。
会って、いない? 本当に?
私に隠れて、エインがスミレの乙女と会っている可能性は無いだろうか。エインが彼女について口にするとき、まるでただ話を聞いているとか、情報として知っているだけだとは思えないほどに、実感がともなっていたのは気のせいだろうか。
そもそも、スミレの乙女に関するエインの情報はどこからきているのか。私が王子として人を動かしても遅々として情報が入ってこない人物を相手に、なぜエインはこれほどまでに知りえているのか。
――私に隠れて、エインが彼女と会っているのだとしたら?
はらわたが煮えくり返る。今すぐにエインを殴り倒してしまいたくて。
それでも、熱く語るエインを前に、その手は握りこんだまま動かない。
「オレは殿下の右腕である以前に、マリーの男だ。マリーが傷つく未来は選ばない……殿下はもう少し、人を知るべきだね」
そう告げてフレッシュ・ボールをいくつか手に取ったエインは、立ち上がって部屋から出ていく。おそらくは、そのいくつかはトレイナ令嬢の口に入るのだろう。
歩く足取りは、疲れを感じさせないくらいに軽い。
結婚を控えた彼は忙しい。少ない時間を縫って私への応対をしていたのだから、責められない。責めてはいけない。
今からでも追って行って詰め寄るべきだ、強権を発動してでも情報を搾り取るべきだ――いや、ダメだ。
そうなればきっと、エインは私を見放す。私から離れていく。
彼は私にとって唯一ともいえる友で、けれど彼は時として冷酷なほどに正しい判断をできる男だ。
励行に、冷静に――考えようとしても、エインにさえも突き放されたという事実が体にのしかかり、八つ当たりのように噴出した怒りが心の中で激しく渦巻く。
どうして今更梯子を外すようなことをするのか。何がエインを、あるいはトレイナ令嬢を怒らせるようなことだったのか。せめてヒントくらいは与えてしかるべきだろう。
そんな怒りを、向けてはいけない。こんな怒りは、私の中にあってはいけない。
深く息を吸い込み、力を腹の奥にためる。
口からほとばしろうとする感情を抑え込み、目元をもみほぐする。
どれだけ考えても、私には何一つわからない。
スミレの乙女の正体も。
スミレの乙女が、私に敵意か憎悪を向けるわけも。
スミレの乙女にしたという、私の何らかの失態も。
エインワーズとトレイナ令嬢を怒らせた訳も。
脳が糖分を欲し、皿の上に一つだけ残されたフレッシュ・ボールを手に取る。
スミレの乙女との、幸福な時間の結晶。
奇跡的に手にしたあの時間が、確かに夢ではなく存在したことを示す、確かな痕跡。
それを無くしてしまうことを躊躇いながら、かじって。
「~~~~~ッ!?」
口内を蹂躙する強烈な苦み。
毒と疑わずにはいられない予想外の味に、体は命の危機を覚えて反射的に動き出す。
とっさに吐き出そうとして、けれどためらい、慌てて紅茶でそれを胃に押し込む。
「ゲホ、ゴホ……薬草、か」
おそらくは毒ではない。
ただ、滋養強壮に良いとされる、私も摂取したことのあるいくつもの薬草が入っていただけ。
文字通りの匂い消しの丸薬。これが混じっていた意図を考えて、気づく。
これはおそらくは嫌がらせなのだと。溜飲を下げるための、彼女の一撃なのだと。
つまり、私へのお礼参りのようなもの。
エインの口に入ればよかっただろうにと思いながら、ためらいながら食べ進める。
えぐみはひどく、舌がしびれるような感覚こそあるものの、彼女の手作りだと思えば廃棄する気にはならなかった。
何より考え方を変えてこれは忙しい私への彼女の気遣いだと思えば苦行も苦にならない。
……嘘だ。涙がにじむほどには苦い。
その苦みは、俗にいう初恋の味を思わせた。
叶わぬ初恋――私のそれは、果たしていつなのか。
じっと見降ろす先にある手のひらには、もう何もありはしなかった。
それを、今度こそ私は止めなかった。
大きな口で一口にほおばるエインを前に「せめてもう少し味わったら」どうだと、心の中でうなる。
果たして、彼は目を丸くして、荒野の中に一つの野花を見つけたように顔をほころばせた。
「ん……うまい。さすがスミレの乙女。名付け親として、彼女にぴったりな名前を付けられたことは誇らしく思うよ」
そういえば、スミレの乙女などと呼びだしたのはエインだったか。今ではすっかり私の中で定着しているこの言葉がエインの案だと思うと……少し心が曇る。
私の「白衣の女」という呼び方とて、彼女の在り方を端的に示していたと思うのだが。
人々を救う医師のように穢れなき白衣をまとう女性。白昼夢の出来事かと疑わずにはいられない、広大な精霊に見放された土地での邂逅。
それはまさしく運命といえるようなもので、幻のような出会いをした彼女をファントムと呼ぶのはそう悪くないように思うのだ。
もっとも、その呼び名から幽霊だとか死者を連想してしまうというのも一理ある。
だからスミレの乙女という、町角でひっそりと、されど美しく力強く咲き誇る淡い紫の花のような呼び名を選んで正しかった、はずだった。
「彼女には、スミレと呼ぶなと言われた」
拒絶の言葉。
今思い出せば、心臓を握りこまれたように苦みが走る。
必死に不安と絶望を振り払おうとしても、腑を包み込むひやりとした実体無き手の間隔が消えてくれない。
心をつかまれている――比喩でも何でもなく、事実として私は、どれほど心が痛もうが彼女のことを考えずにはいられない。
「……へぇ? まあ、殿下相手ではそうなるだろうね」
限定する表現。それはまるで、私以外が相手ならば彼女がその呼び名を受け入れるとでも言いたげだった。
「私だけには特別な名前で呼んでほしい」などとポジティブな意味に受け取ることはできそうになかった。
吐き捨てるように告げた彼女の声音が私の心につけた傷が、じくりと痛みを訴えるから。
「っ、それではお前が彼女をそう呼べば、スミレの乙女はその呼び名を受け入れるというのか!?」
言いながら、エインが彼女を呼び、彼女が呼ばれるのを受け入れる光景を想像してしまう。そうすればもう、今すぐにエインを縊り殺してやりたくなるほどの怒りが全身を駆け巡る。
ソファを蹴り飛ばすように立ち上がる私を前に、「もちろん」と、静かな声でエインはうなずいた。
その確信も、どこか責めるような表情も、冷めた瞳も。そんな感情が私に向けられている理由もわからない。
ただ、すべてを突き放すようなその目は、母のように慕っていた使用人の一人、彼女が私に向けたそれに似ていた。
――殿下には、わかりませんよ。
懐かしい声が、ふっと耳の奥によみがえる。
幼少のころの記憶など、すでに知識と化したもの以外は一切が詰め込まれた教育という情報量の中に消えていて。
それなのにその声は、彼女の顔は、まるであの日見たとそれと寸分たがわず、私の中に残っていた。
心の奥深くに埋め込んで、忘れた気になっていた古傷が顔をのぞかせる。
去り際。彼女に「こんな結婚でいいのか」「そんな夫が相手でいいのか」と繰り返し尋ねた私に対する答え。
かつての棘は私の心をむしばみ、傷口はじくじくと痛み始める。
それは、失恋の痛み、ではない。
「……エイン、教えてくれ。私は、何を理解できずにいる?」
同じ失敗はしない。そもそも状況からしてまるで似ていないかが、それでも、何か共通点があるはずだった。
そして間違いなく、そこには私の無知という要因がある。
だが、どれだけ頼み込んでも、頭を下げても、頭上から望む声が降ってくることはなかった。
ため息が一つ。顔を上げてくれと告げるエインは、怒りを含んだ目でまっすぐに私を見ていた。
「それを聞くのはオレじゃなくてスミレの乙女相手だね。――オレはこれ以上、殿下に協力はできない」
「ッ、何故」
何故今更。
口にした言葉には、どこかすがるような声音があった。
一体王子である自分は、どこまでみじめになるつもりだ。
冷静な心の声は、焦燥と怒りに飲み込まれて消えていく。
「オレはマリーの婚約者であり、マリーの未来の夫だからだ。彼女を悲しませる選択をするわけがない」
アマーリエ・トレイナか。彼女がスミレの乙女とつながりがあるという話は前に聞いた。友人だと。
ただ、それこそ今更だった。
妻のために女との交友を控えるなど、ろくに会っていない女性に対して口にする言葉ではない。
その時、激しい悪寒が背中を突き抜ける。
会って、いない? 本当に?
私に隠れて、エインがスミレの乙女と会っている可能性は無いだろうか。エインが彼女について口にするとき、まるでただ話を聞いているとか、情報として知っているだけだとは思えないほどに、実感がともなっていたのは気のせいだろうか。
そもそも、スミレの乙女に関するエインの情報はどこからきているのか。私が王子として人を動かしても遅々として情報が入ってこない人物を相手に、なぜエインはこれほどまでに知りえているのか。
――私に隠れて、エインが彼女と会っているのだとしたら?
はらわたが煮えくり返る。今すぐにエインを殴り倒してしまいたくて。
それでも、熱く語るエインを前に、その手は握りこんだまま動かない。
「オレは殿下の右腕である以前に、マリーの男だ。マリーが傷つく未来は選ばない……殿下はもう少し、人を知るべきだね」
そう告げてフレッシュ・ボールをいくつか手に取ったエインは、立ち上がって部屋から出ていく。おそらくは、そのいくつかはトレイナ令嬢の口に入るのだろう。
歩く足取りは、疲れを感じさせないくらいに軽い。
結婚を控えた彼は忙しい。少ない時間を縫って私への応対をしていたのだから、責められない。責めてはいけない。
今からでも追って行って詰め寄るべきだ、強権を発動してでも情報を搾り取るべきだ――いや、ダメだ。
そうなればきっと、エインは私を見放す。私から離れていく。
彼は私にとって唯一ともいえる友で、けれど彼は時として冷酷なほどに正しい判断をできる男だ。
励行に、冷静に――考えようとしても、エインにさえも突き放されたという事実が体にのしかかり、八つ当たりのように噴出した怒りが心の中で激しく渦巻く。
どうして今更梯子を外すようなことをするのか。何がエインを、あるいはトレイナ令嬢を怒らせるようなことだったのか。せめてヒントくらいは与えてしかるべきだろう。
そんな怒りを、向けてはいけない。こんな怒りは、私の中にあってはいけない。
深く息を吸い込み、力を腹の奥にためる。
口からほとばしろうとする感情を抑え込み、目元をもみほぐする。
どれだけ考えても、私には何一つわからない。
スミレの乙女の正体も。
スミレの乙女が、私に敵意か憎悪を向けるわけも。
スミレの乙女にしたという、私の何らかの失態も。
エインワーズとトレイナ令嬢を怒らせた訳も。
脳が糖分を欲し、皿の上に一つだけ残されたフレッシュ・ボールを手に取る。
スミレの乙女との、幸福な時間の結晶。
奇跡的に手にしたあの時間が、確かに夢ではなく存在したことを示す、確かな痕跡。
それを無くしてしまうことを躊躇いながら、かじって。
「~~~~~ッ!?」
口内を蹂躙する強烈な苦み。
毒と疑わずにはいられない予想外の味に、体は命の危機を覚えて反射的に動き出す。
とっさに吐き出そうとして、けれどためらい、慌てて紅茶でそれを胃に押し込む。
「ゲホ、ゴホ……薬草、か」
おそらくは毒ではない。
ただ、滋養強壮に良いとされる、私も摂取したことのあるいくつもの薬草が入っていただけ。
文字通りの匂い消しの丸薬。これが混じっていた意図を考えて、気づく。
これはおそらくは嫌がらせなのだと。溜飲を下げるための、彼女の一撃なのだと。
つまり、私へのお礼参りのようなもの。
エインの口に入ればよかっただろうにと思いながら、ためらいながら食べ進める。
えぐみはひどく、舌がしびれるような感覚こそあるものの、彼女の手作りだと思えば廃棄する気にはならなかった。
何より考え方を変えてこれは忙しい私への彼女の気遣いだと思えば苦行も苦にならない。
……嘘だ。涙がにじむほどには苦い。
その苦みは、俗にいう初恋の味を思わせた。
叶わぬ初恋――私のそれは、果たしていつなのか。
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