転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様

撫羽

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第三章

136(最終話)ー婚約発表

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「クフッ!」

 はい! レオン様の吹き出しではありません! またまた私のうめき声です。
 そうです、リアンカにドレスを着る為のコルセットを締められています。
 領地の邸に帰ってきているのですよ。
 バタバタしましたが、やっと落ち着きました。

「リアンカ、もういいわよ!」
「ルル様、何言ってるんですか! まだまだですよ! はいッ、息を吐いて下さい!」
「ウッ……!」

 ――コンコン

「ルル、用意できたか? あ、悪い」
「レオン殿下、まだ入らないで下さい!」
「すまん」
「ピー」
「馬鹿だな、レオン。こんな時は出て来るまでそっとしておかないと」
「ラウ、そうだな」
「ピ」
「お、ピア。今日は服着てるのか!」
「ピー!」
「ああ、今日はピアやルビもモモも、おめかしだ」

 ピアはベスト的なものに、蝶ネクタイです。服着るにも体型がね……
 ルビちゃんは、わんちゃんみたいな感じでお洋服着てます。女の子なので、ふわふわチュールのスカートです。
 モモちゃんは、せっかくのフェンリルの威厳が損なわれるとか言われて服は無しで、でも首にフンワリ大きめの立派なリボンを巻いています。

「レオン殿下、どうぞ。お入り頂いても構いませんよ」
「おぉ、終わったか?」
「はい、ルル様お綺麗ですよ」

 ラウ兄様が入ってきました。

「あ、ラウ。先に見るなよ!」
「ルル、綺麗だ!」
「ラウ兄様、有難うございます」
「おー! ルル、めっちゃ綺麗だ!」
「レオン様、有難うございます。ラウ兄様もレオン様もカッコいいですよ」

 私は淡いスカイブルーのフワッフワのドレスです。全体に濃い蒼で刺繍をしてあります。豪華だわ。お母様、いつの間に作ったのかしら。

「さぁ、ルル。下に行こう」

 ラウ兄様が片手を出されました。

「はい、ラウ兄様」
「わふ!」
「ルビもなのー」
「こらこら、ラウ。ルルのエスコートは俺だ!」
「え? そうだったか? 決まってないだろ?」
「んな訳ないだろ!」
「ハハハ、ほらレオン。しっかりエスコートしろよ」

 はいはい、この人達はもう。何してんだか。

「ピピー!」

 ピアが真似して片手を出して飛んできました。

「ピアがエスコートしてくれるの? 嬉しいわ」
「ピー!」
「おいッ!」
「ピ?」
「ハハハッ!」

 そんなこんなで皆で下に降ります。なんだ、今日はやっと婚約発表かって? そうよ、婚約発表です。
 ジュード兄様とジュノー様のね!
 そんなオチかよー! てね。ウフフ。私も思ったわよ。
 今日はジュード兄様とジュノー様の婚約発表パーティーです。沢山の人がお邸に集まっています。私達の婚約発表はどうなったかって? 中止になりました! ヒャッホー! ラッキーですよ! 本当にラッキー!
 あ、婚約を嫌がっているのではありません。念の為。
 レオン様ご一家がやっぱり全員でお越しになると言い出して、そしたらお母様のご実家も、じゃあうちも全員で行く。とか言い出して。
 結局、皇帝陛下ご一家と宰相一家が揃ってお留守にするには普通に予定が取れず……当然よね。
 それで、今更婚約発表もないだろう、なんて事になり。結局、半年後にイキナリ婚姻になりました。
 まあ私以外は、未公式だけど10年前に婚約してるしなぁ……て、感じみたいです。
 レオン様もずっと居るしね。帝国のご家族はこの半年間でガッツリ仕事を前倒しして、無理矢理予定を空けて来られるそうです。

「いったい何日いるつもりなのかしら」

 と、お母様は言ってました。
 婚約発表する気満々だったレオン様は残念がってましたけどね。まあ、いいじゃない。面倒な事が1回で済んでさ。婚姻も早くなったんだし。
 1階までレオン様にエスコートされ歩きながら話します。

「ルル、マーリソン殿のお父上が目覚められたんだってな?」
「ええ、でも記憶を無くしておられて」
「マーリソン殿の事もか?」
「いえ、18歳頃のマーリソン様で止まっている様なんです。多分、魅了が深くなっていたから覚えておられないのではないかと。それにまだ歩く事が出来ないんですよ」
「そうか。マーリソン殿は?」
「それが……嬉々としてお世話をされていて、記憶のないお父上を半分楽しんでおられる様です。でも、お父上の方も嬉しそうに穏やかに微笑んでおられるのですよ。親子の時間を取り戻しておられるのではないかしら?」
「マーリソン殿て、何処か突き抜けているよな?」
「レオン様、私もそう思います。ついて行けない時があるわ。マーリソン様のお父上の処遇は、ゆっくりお身体を養生されながらお決めになるとお父様が仰ってました」
「それよりなぁ、ジュードはいつの間に」
「ラウ兄様、本当ですね。ビックリしちゃったわ」
「そうか? 俺は気付いてたぞ」
「レオン、そうなのか?」
「ああ。なんかさ、しょっちゅう魔道具で話してたんだよ。でも、ジュノー嬢はさ、あんま魔力ないからいつも一言二言でさ」
「そうなの?」
「ああ、まさか魔道具をあんな使い方するとはねー」
「ほぉー、ジュードもやるなぁ」
「ラウ兄様、まさか自分もとか思ってないですよね?」
「俺はそんな事をしなくても、相手の卒業を待つだけだ」
「ラウは卒業パーティーとか行くのか?」
「いや、レオン。なんかな……」
「ラウ、なんだよ?」
「皆、若いだろ? だからさ、行き辛いんだ」
「えー! ラウ兄様。何おじさんみたいな事言ってるんですか!? しっかりエスコートして差し上げないと!」
「ラウ様、レオン殿下、ルル様何呑気にされているのですか! 早く彼方へ!」

 あ、ガイウスに叱られちゃった。

「ラウ、レオン、ルル来たか」
「貴方達、遅いわよ」
「父上、母上、すみません」
「皆様、宜しいですか?」

 ガイウス仕切ってるわねー。張り切ってるわねー。

「ルル様……」
「はーい」
「では、開けます」

 お邸のホールへ通じる扉が開けられ、沢山の来賓の前に出ます。いつもは全く使われないホール。今日は沢山の明かりが灯され、テーブルにはティシュトリア家料理人特製の豪華に盛り付けられた料理が並び、着飾ったご招待した皆様が見守る中お父様を先頭に入って行きます。
 私はラウ兄様の後ろをレオン様にエスコートされ入って行きます。私達の後ろには何故か自慢気にモモ、モモに乗ったルビ、ピアがいます。
 何度も王国内を行ったり来たりしていたので、いつの間にかティシュトリアには守護神が着いていると噂になってしまってました。
 もう隠す意味ないわねー、て事で今日が初の正式なお披露目です。
 私達はホール中央の階段を真ん中辺りまで登ったところにいます。
 真ん中にジュード兄様とジュノー様が並んでおられ、その横にお父様お母様、ジュノー様のお父上。
 お父様が皆様にご挨拶なさっています。

「ルル、半年後は俺たちの婚姻式だ」
「はい、レオン様」
「俺たちの婚姻式の時はオヴィオさんも来るらしいぞ」
「フフフ、ドラゴンはドラゴンでも、龍皇が参列してくれるなんて凄いわね」
「ああ、皆気を失うかもな」
「それは困るわ」

 そろそろお父様の挨拶が終わるわ。

「レオン様、紹介されますよ」
「ああ」
「……で、皆様もう既にご存知でしょうが、帝国第3皇子のレオン・ド・ペンドラゴン殿下です。公式発表は致しませんでしたが、私共の長女ルルーシュアと10年前に婚約致しております。半年後に婚姻を控えておりますが、もう既に私共の家族と言えますでしょう。婚姻の際は改めてご招待致しますので、その時はどうか2人を祝ってやって下さい」

 お父様の紹介が終わるとレオン様と2人で頭を下げた。そして、モモちゃん達も紹介されます。

「我、ティシュトリア家の守護神とも言えます、シルバーフェンリルのモモです。ルルーシュアが赤ん坊の頃からずっと守護してくれております。今回の王国の騒動の際も活躍してくれました」
「わふん」
「縁あって保護しました、カーバンクルのルビです。同じく、皆を癒し守ってくれております。カーバンクル特有の能力で、助けられました」
「ルビなのー」
「そして辺境の森の中にあるとある場所で保護しました湖龍のピアです。まだ幼龍ですが、先の騒動の最後はピアに因って助けられました」
「ピー!」
「なんかあいつらドヤってないか?」
「そうですね、何故かね」
「これだけ、大っぴらに紹介すれば手出しも出来ないだろう」

 ラウ兄様がコッソリお話されます。

「ラウ、手出しした奴が逆にやられるよ」
「それもそうだ」
「ラウ兄様、ティシュトリアは最強ですよ!」
「ハハハ、そうだな」
「はい、まだオヴィオさんがいますからね」
「あー、オヴィオさんを呼ぶのは辞めておけ」
「ええー」
「次は、お前達の婚姻式だな」
「ああ、その次はラウだ」
「そうですね。ラウ兄様の次はジュード兄様ですね」
「ハハ、父上も母上も立て続けに大変だな」

 あ、お父様のお話が終わります。

「……では、皆様グラスをお持ちですか?本日は誠に有難う御座います。どうぞ、2人を祝ってやって下さい!」

 さぁ、挨拶は終わった終わった。

「ルル、ホールに降りるか?」
「ええ、ラウ兄様、レオン様」
「え、ルル。挨拶に回るのか?」
「いいえ。それよりも、レオン様」
「……?」
「お腹が空きました」

 ルル、そんなオチかよ。と、でも言いたそうなレオン様とラウ兄様だわ。

 領民思いの領主。
 その領主を支える奥方。
 そして、領主の後を継ぐ嫡男。
 その嫡男を補佐する次男。
 知識や魔法で領地を豊かに導く末っ子令嬢。
 その令嬢をそばで見守る婚約者。
 そして……
 神の眷属シルバーフェンリル。 
 幻獣カーバンクル。
 湖龍のドラゴン。

 今回の一連の騒動のお話は此処までです。また、いつかルル達に会える事もあるかも知れません。

 ルル達を見守って下さって心からお礼を申し上げます。有難う御座いました。
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