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第三章
117ーレオンの秘密
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「レオン殿下」
「はい、公爵夫人。私は本当にシャーロットとは面識はありません。私にはルルだけです。ルルと添い遂げる決心をしております。ですので……皆様にお話しなければならない事があります。信じて頂けない内容かも知れませんが」
「分かりました。お伺いしましょう。皆、サロンに移りましょう」
「ルル。モモも呼んでくれるか?」
「レオン様、分かったわ」
メイドに頼んでリアンカにモモを連れてきてもらいます。が、モモだけなんて無理な様でみんな来てしまいました。
「ピ?」
「ピア、これから大事な話をするから大人しくしていてくれ」
「ピ」
ピアは私の膝に飛んできました。
ルビはモモの背中で大人しくしています。そのモモは私のすぐ横に伏せています。そしてレオン様は一つ大きく息をして話出されました。
「私は……私には、ルルと同じ世界に生きていた記憶があります」
「殿下、それはルルと同じ前世の記憶と言う事でしょうか?」
「はい、夫人。その通りです。これからお話する事は帝国の家族も誰一人として知りません。知っているのは、ルルとモモだけです」
「ルル、知っていたのか」
「お父様、黙っていてすみません」
「アーデス様。思い返してみれば思い当たる事が御座います」
「ユリウス、そうなのか?」
「はい。特に魔道具を作成する時等、ルル様とレオン殿下にしか分からない言葉などが出てきておりました。それに、モモちゃんの言っていた加護もそうではないかと」
「ユリウス、その通りだ。加護とスキルもだ。無限収納や鑑定のスキルを持つのは私やルルの様な別の世界に生きた記憶がある者、転生者と呼ばれる者だけだそうです」
「殿下、では帝国皇家と私の帝国の血筋にだけ現れると言うのは…… 」
「わふっ。母上様、それは私から」
「モモちゃん。あなた何を知っているの?」
「全てを。私は眷属です。ルルを守護する為に遣わされた眷属です。ですので、ルルに害を与える者は近寄らせません。レオン様は大丈夫です。一緒にルルを守ってくれる人です。【神に選ばれし者】なので【創造神の加護】を与えられています」
そしてモモは帝国皇家とお母様の血筋の話をしました。両家の血筋にしか、現れない理由。この世界の神が両家を信頼しているからこそだと言う事。また、転生者は界を渡る時に特別な力を得る事。
「では、ルルは……モモちゃん、私達が選ばれたのですね。私達ならルルを守れると」
「そうですよ。母上様の称号をお忘れですか?」
「あ……偉大なる母」
やだ、お母様。ポロポロ涙を零さないで。私まで泣けちゃうじゃない。
「ルル、あなたの前世の記憶を初めて聞いた時に皆で決意したのよ。私達が絶対に寂しい思いはさせないと。絶対に守ると」
「お母様」
「まあ、ルルは守られるだけのお嬢様じゃないけどな」
「ジュード兄様」
「でも、俺達で忘れられない位の愛情を掛けようと決めたんだ」
「ラウ兄様」
「ルルは私の可愛い娘だからな!」
「……お父様」
「ただ、レオン様はルルとは違って前世の事をかなり詳細に覚えておいでなのです」
「レオン、そうなのか?」
「はい、公爵。家族の事や、自分がいつ何故死んだのかも覚えています」
「レオン…… 」
「ラウ、大丈夫だ。思い出したのが5歳の時なんで、今はもう全然平気だ。割り切っている」
そしてレオン様は前世の乙女ゲームの話をされました。
「ゲームと言っても分からないでしょうが、誰でも手軽に手にして遊ぶ事の出来る物とでも言いますか。シナリオが決められた書物の様な物と捉えて大丈夫だと思います。その中では、シャーロットと言う名の男爵令嬢は確かにヒロインでした。物語の中ではルルは第2王子の婚約者でした。第2王子が婚約破棄するのもシナリオ通りです。そして、そのヒロインを第2王子から最後に略奪するのが私です」
「そんな略奪なんて……!」
「公爵夫人、そうです。そんな事をすれば戦争が起きかねません」
「そうね、現実的ではないわね」
「それをシャーロットは信じている様です」
「では、殿下が突然廃嫡を希望されたのも?」
「はい、公爵夫人。前世の記憶が戻ったからです。どう考えても私の立ち位置に無理があったのです。掠奪などする訳がありません。それに婚約破棄をさせる様な令嬢は無理でした。しかし、もしシナリオに強制力があったのなら……と考えると。私は皇子と言っても3番目ですから、冒険者になって自由に生きるのも良いかと思ったのです。ですので廃嫡を希望したのです。私が廃嫡されていれば、関わる事もないだろうと。しかし、夫人の父上である宰相殿からルルの話を聞き、思い止まりました。ルルに会いたくなったのです。話を聞くのが楽しみになる位、ルルに興味を持ったのです。ルルに会ってから決めても遅くないと、婚約しました。それからは、私はルルに会うのが楽しみでした。ルルに相応しい者である様、勉学も鍛練も手を抜かず励みました。そして、単身でルルに会いに来ました。宰相から聞いていたよりもずっと……私はルルに魅せられました。ルルを手離したくないと。これは私の本心です。その後、第2王子の婚約破棄が実際に起こりました。しかし、お話した私の前世の物語の中では魅了などありません。シャーロットも性格が全く違います。それにルルは第2王子の婚約者ではありません。私の婚約者です。そして、もうお気付きだと思いますがシャーロットにはその記憶があります。シナリオを知っています。しかし、ルルや私の様に無限収納や鑑定スキルを持っていません。これは以前ルルが鑑定した時に確認しています」
「ルル、そうなのか」
「はい、ラウ兄様。持っていませんでした。そしてシャーロットには偽ヒロインと言うスキルがありました」
「「偽!」」
「私が思うに、シャーロットは同じ様に前世の記憶を持ってはいるが、ルルや私とは違うと思います。加護は勿論、スキルも。ある意味異質です」
「はい、公爵夫人。私は本当にシャーロットとは面識はありません。私にはルルだけです。ルルと添い遂げる決心をしております。ですので……皆様にお話しなければならない事があります。信じて頂けない内容かも知れませんが」
「分かりました。お伺いしましょう。皆、サロンに移りましょう」
「ルル。モモも呼んでくれるか?」
「レオン様、分かったわ」
メイドに頼んでリアンカにモモを連れてきてもらいます。が、モモだけなんて無理な様でみんな来てしまいました。
「ピ?」
「ピア、これから大事な話をするから大人しくしていてくれ」
「ピ」
ピアは私の膝に飛んできました。
ルビはモモの背中で大人しくしています。そのモモは私のすぐ横に伏せています。そしてレオン様は一つ大きく息をして話出されました。
「私は……私には、ルルと同じ世界に生きていた記憶があります」
「殿下、それはルルと同じ前世の記憶と言う事でしょうか?」
「はい、夫人。その通りです。これからお話する事は帝国の家族も誰一人として知りません。知っているのは、ルルとモモだけです」
「ルル、知っていたのか」
「お父様、黙っていてすみません」
「アーデス様。思い返してみれば思い当たる事が御座います」
「ユリウス、そうなのか?」
「はい。特に魔道具を作成する時等、ルル様とレオン殿下にしか分からない言葉などが出てきておりました。それに、モモちゃんの言っていた加護もそうではないかと」
「ユリウス、その通りだ。加護とスキルもだ。無限収納や鑑定のスキルを持つのは私やルルの様な別の世界に生きた記憶がある者、転生者と呼ばれる者だけだそうです」
「殿下、では帝国皇家と私の帝国の血筋にだけ現れると言うのは…… 」
「わふっ。母上様、それは私から」
「モモちゃん。あなた何を知っているの?」
「全てを。私は眷属です。ルルを守護する為に遣わされた眷属です。ですので、ルルに害を与える者は近寄らせません。レオン様は大丈夫です。一緒にルルを守ってくれる人です。【神に選ばれし者】なので【創造神の加護】を与えられています」
そしてモモは帝国皇家とお母様の血筋の話をしました。両家の血筋にしか、現れない理由。この世界の神が両家を信頼しているからこそだと言う事。また、転生者は界を渡る時に特別な力を得る事。
「では、ルルは……モモちゃん、私達が選ばれたのですね。私達ならルルを守れると」
「そうですよ。母上様の称号をお忘れですか?」
「あ……偉大なる母」
やだ、お母様。ポロポロ涙を零さないで。私まで泣けちゃうじゃない。
「ルル、あなたの前世の記憶を初めて聞いた時に皆で決意したのよ。私達が絶対に寂しい思いはさせないと。絶対に守ると」
「お母様」
「まあ、ルルは守られるだけのお嬢様じゃないけどな」
「ジュード兄様」
「でも、俺達で忘れられない位の愛情を掛けようと決めたんだ」
「ラウ兄様」
「ルルは私の可愛い娘だからな!」
「……お父様」
「ただ、レオン様はルルとは違って前世の事をかなり詳細に覚えておいでなのです」
「レオン、そうなのか?」
「はい、公爵。家族の事や、自分がいつ何故死んだのかも覚えています」
「レオン…… 」
「ラウ、大丈夫だ。思い出したのが5歳の時なんで、今はもう全然平気だ。割り切っている」
そしてレオン様は前世の乙女ゲームの話をされました。
「ゲームと言っても分からないでしょうが、誰でも手軽に手にして遊ぶ事の出来る物とでも言いますか。シナリオが決められた書物の様な物と捉えて大丈夫だと思います。その中では、シャーロットと言う名の男爵令嬢は確かにヒロインでした。物語の中ではルルは第2王子の婚約者でした。第2王子が婚約破棄するのもシナリオ通りです。そして、そのヒロインを第2王子から最後に略奪するのが私です」
「そんな略奪なんて……!」
「公爵夫人、そうです。そんな事をすれば戦争が起きかねません」
「そうね、現実的ではないわね」
「それをシャーロットは信じている様です」
「では、殿下が突然廃嫡を希望されたのも?」
「はい、公爵夫人。前世の記憶が戻ったからです。どう考えても私の立ち位置に無理があったのです。掠奪などする訳がありません。それに婚約破棄をさせる様な令嬢は無理でした。しかし、もしシナリオに強制力があったのなら……と考えると。私は皇子と言っても3番目ですから、冒険者になって自由に生きるのも良いかと思ったのです。ですので廃嫡を希望したのです。私が廃嫡されていれば、関わる事もないだろうと。しかし、夫人の父上である宰相殿からルルの話を聞き、思い止まりました。ルルに会いたくなったのです。話を聞くのが楽しみになる位、ルルに興味を持ったのです。ルルに会ってから決めても遅くないと、婚約しました。それからは、私はルルに会うのが楽しみでした。ルルに相応しい者である様、勉学も鍛練も手を抜かず励みました。そして、単身でルルに会いに来ました。宰相から聞いていたよりもずっと……私はルルに魅せられました。ルルを手離したくないと。これは私の本心です。その後、第2王子の婚約破棄が実際に起こりました。しかし、お話した私の前世の物語の中では魅了などありません。シャーロットも性格が全く違います。それにルルは第2王子の婚約者ではありません。私の婚約者です。そして、もうお気付きだと思いますがシャーロットにはその記憶があります。シナリオを知っています。しかし、ルルや私の様に無限収納や鑑定スキルを持っていません。これは以前ルルが鑑定した時に確認しています」
「ルル、そうなのか」
「はい、ラウ兄様。持っていませんでした。そしてシャーロットには偽ヒロインと言うスキルがありました」
「「偽!」」
「私が思うに、シャーロットは同じ様に前世の記憶を持ってはいるが、ルルや私とは違うと思います。加護は勿論、スキルも。ある意味異質です」
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