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第6章 優香のお料理大作戦

第102話 ピピー、ピピー、ピピー

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「そろそろ晩ご飯の用意を始めるか?」

 優香に尋ねながら居間の時計に視線をやると、既に夕方の5時を回っている。
 寝たのが2時過ぎだったから、ゆうに3時間ほど寝ていたみたいだ。

 そろそろ晩ご飯の準備をしないと、今度は逆に遅くなり過ぎてしまいそうな時間だった。

「そうだね。遅くなっちゃうし、そろそろ始めようかな」
「俺が手伝うことあるか? なんでも言ってくれていいぞ?」

「ううん、特にはないよ。仕込みとかがいらないお手軽なアレンジ料理を、あるもので作るだけだから」

「そうか? 遠慮はいらないぞ?」

「そんなに手間がかかるわけでもないし、できるまでテレビでも見てゆっくりしててくれる?」

 ふむ……。
 残念ながら俺はあまり料理ができない。
 下手に手伝おうとすると、かえって足を引っ張っちゃうかもな。

「じゃあおまかせしようかな。でも、なにか手伝うことがあったら遠慮なく言ってくれな。ぐっすり寝て、すっかり元気になったからさ」

「多分ないとは思うんだけど、もし手が必要になったら、蒼太くんに緊急ヘルプをお願いするね」

 そう言って優香はキッチンに向かうと、うちにあったエプロンを制服の上から身に付けて、手際よく料理を始めた。

 完全に手持無沙汰になってしまった俺は、

「何もしないでただ優香を見守っているのも、ちょっとアレだよな……」
 スマホの通知を一通りチェックすると、テレビの電源を入れた。

 芸能ニュースだのなんだの、特に当てもなく適当にザッピングしているうちに、とある番組が夕方の天気予報をやりはじめた。
 別に見る番組はなんでもよかったので、そのまま見てみることにする。

『今夜は低気圧の通過に伴って湿った空気が流れ込み、激しい雷雨となるでしょう。一部地域では線状降水帯が発生し、台風並みの大雨になると予想されています。災害に備えて帰宅を早めるか、逆に今日は帰宅しないなど、身の安全を考えて万全の対策をお勧めします』

 気象予報士のおじさんが雨雲だの気圧配置だの、いろんな気象データを使って、今後の状況を説明する。
 外の雨の感じだと、この辺りはそこまで激しく降りそうな感じでもないんだけど、一応優香にも伝えておくか。

「優香、今日は結構しっかりと降るみたいだって。一部地域は台風並みらしいぞ。だから早めに帰った方がいいかもだ」

 俺は少し大きな声で、キッチンで料理中の優香に大雨情報を伝えた。

「そうなんだ。じゃあ晩ご飯の用意をして、後片付けも終わったら早めに帰るね」
「後片付けは俺がしておくって。それくらいなら俺でもできるし」

「ううん、帰るまでが遠足って言うでしょ?」
「ええっと、なんで急に遠足の話なんだ?」

「それと同じで、後片付けも全部終えて初めて料理は完成するんだから」
「一理あるような、ないような……」

「だから今日は全部私にまかせておいて? ね?」
「でもなぁ――」

 と、

『ピピー、ピピー、ピピー。ご飯が炊きあがりました。保温を開始します』
 俺と優香の会話に割って入るように、炊飯器が炊き上がりを告げた。

「あ、ご飯が炊けたみたいだね。おかずの準備もできたから、ごはんを蒸らしたら、運ぶの手伝ってもらっていいかな?」

「オッケー」
 俺は天気や後片付けの話はここでめにすると、炊飯器を開けてご飯を蒸らしてから、優香の作ってくれた晩ご飯を食卓に並べ始めた。
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