一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた（NTR……涙）帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった

マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた

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第６章　優香のお料理大作戦

第103話優香の💞手作り料理💞（１）

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　晩ご飯一式を食卓に並べ終えると、俺と優香は向かい合わせに座った。

「うおおおおおおおっ！」

　俺の前に、天国があった。
　食卓に並べている時からそのクオリティにかなりビビっていたんだけど。
　改めて腰を落ち着けて眺めてみると、食欲を誘う美味しそうな料理がずらりと並んでいて、俺は湧き上がる興奮を隠せないでいた。

「蒼太くん、そんなに驚いて大げさだよ～」
　俺の様子を見て、優香が照れたように笑う。

　そんな優香の用意してくれた晩ご飯メニューはハンバーグ、ロールキャベツ、ギョーザ、カニカマサラダだった。

　カニカマサラダは文字通りカニカマの入ったサラダ。
　ギョーザは冷凍食品をそのまま焼いただけっぽいので、その２つの説明はいらないとしてだ。

　前者２つのうち、まずはハンバーグを紐ひも解くとしよう。
　本来なら冷凍ハンバーグとはハンバーグがソロでポツンとあるだけの、ボッチ・ザ・ハンバーグな商品なのだが――、

「ブロッコリー、ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ。それに小さく巻かれたパスタ、茹でソーセージに目玉焼きが添えられて。ただの単品の冷凍ハンバーグのだったのが、一気に洋食屋のお洒落ハンバーグセットに大変身したんだが！？　お店で頼んだら２０００円くらいしそうで、インスタ映えとかもしちゃいそうなんだが！？」

　なんだこれ、すげぇ！
　これがさっきまでは市販の冷凍ハンバーグだったとか、誰も信じないだろ！？
　プロの仕業かよ！？

「でしょでしょ？　ちょっと野菜とかが付くだけで、見た目も栄養価も全然違うんだから」

「これはちょっとってレベルなのかな？　これだけいろいろと作ったら、かなりの手間がかかっただろ？　ありがとうって言葉しか言えないのが、申し訳ないくらいなんだけど」

「ふふっ、残念でした～。パスタは冷凍パスタを使っただけだし、野菜は切ったら、後は電子レンジでチンしただけだから」

　少し得意げに語る優香に、

「な、なんだって――！？」
　俺はもうただただ驚くしかできなかった。

「玉ねぎは焼いて軽く焦げ跡をつけた方が美味しくなるんだけど。でも今日は冷凍食品のお手軽なグレードアップをテーマにしたので、野菜は全部レンチンしちゃいました」

「テーマ！？　料理にテーマ性を見出すなんて、スゴい……！」

「余りもののアレンジとか、時短とか、同じ食材でたくさん種類を作るとか。そういった目標やテーマを決めてお料理すると、いつも新鮮な気持ちでお料理できるんだよね～」

「なるほどな……日々の勉強とかにも生かせそうな考え方だよ」
　俺は感心してうんうんと頷いた。

　数学なら今日はスピード重視とか、ケアレスミスをしないように丁寧にやるとか。
　英語なら今日は大胆な意訳をするとか。
　いろいろできそうだ。

「ね？　大きく適当に切ればいいし、これなら料理が苦手な人でもできちゃいそうじゃない？」

「たしかに野菜を切ってレンチンするだけなら、俺でもできそうだもんな。明日にでもちょっとやってみよう」

　優香の説明に、俺は大いに納得した。

「分からないことがあったらいつでも聞いてね」
「そうさせてもらうな。それと、目玉焼きとソーセージが付いているのもポイント高いよ。タンパク質のプラスアルファは、男子的にはすごく嬉しいから」

「卵は栄養価も高いし、ハンバーグにもよく合うからね。お手軽にグレードアップできちゃう素材の優等生なの」

　試しに黄身の端に軽くお箸を入れてみると、固まりそうで固まっていない黄身がジワっと溢れ出す。

「しかも絶妙の半熟具合……間違いない、これはプロの仕事だよ！」
　俺は優香のお手軽アレンジ料理に、ただただ感動していた。

「もぅ、さっきから大げさだよ。これくらい普通だから」

「いやいや普通なもんか。マジほんとすごいよ。両親が忙しいから家事をしてるって聞いてはいたんだけどさ。俺が思ってたよりもはるかにハイレベルだった」

　はっきり言って俺は優香を舐めていた。
　そんなつもりは欠片もなかったが、結果的に舐めまくってしまっていた。
　ペロリスト蒼太だった。
　己の不明を、俺は心の中で深く恥じた。

「蒼太くんってば、さっきからほめ過ぎだってば。褒めても何にも出ないんだからね？」
「これを褒めないで、いったい何を褒めるってんだ？」

　ブラボー！
　ブラーボー！！

「ほらほら蒼太くん。褒めてくれるのはいいけど、まずは冷めないうちにどうぞ召し上がれ」

「おっとそうか。優香シェフのせっかくの料理が冷めちゃうもんな」

「野菜は塩コショウで味付けしてあるけど、調整できるように薄めにしておいたから、薄かったら追い塩コショウするか、ハンバーグのソースに付けてね」

「了解だ。それじゃあ、いただきます。実はさっきからお腹がグーグーなっててさ」
「ふふっ、ずっと聞こえてたよ？」

　軽く握った右手を手元に当てた優香が、クスクスと小さく笑った。

　そして俺はハンバーグセットをペロリと完食した。

「すごく美味しかった。とても冷凍食品をお手軽アレンジしただけとは思えないよ」
「ありがと♪」

　ちなみに優香はハンバーグがない以外は、全て俺と同じメニューである。
（冷凍ハンバーグが１個しかなかったため。その分、パスタはほとんど優香のお皿に乗っている）

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