一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
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第2部 第5章 中間テストの勉強会
第72話『ご飯にする? 先にお風呂に入る? それとも……わ・た・し?』
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「ふぅ……」
優香が部屋から去り、一人になった俺は小さくため息をついた。
さっきはなんとかやりすごしたけれど、胸の奥にまだ小さなドキドキが残っているのが感じられる。
「新婚さんか……優香と新婚さん……」
頑張ってローンを組んで購入したマイホームに帰ったら、結婚したばかりの新妻・優香が可愛らしいピンクのエプロン姿で出迎えてくれて、きっとお味噌汁でも作っているのだろう、右手におたまを持ちながら、
『蒼太くんお帰りなさい♪ お仕事お疲れ様♪ ご飯にする? 先にお風呂に入る? それとも……わ・た・し? きゃっ!』
なんて笑顔で言ってくれる状況を、つい妄想してしまう。
「優香に笑顔で出迎えてもらえたら、仕事の疲れも嫌なことも何もかも全部、吹っ飛んじゃうだろうな。もはやそれだけで人生勝ち組だよ……って、いやいや。俺は何を痛々しい妄想をしているんだ」
そこまで考えたところで、思考が妙な方向に流れかけていたことに気付き、俺は慌てて首を振って現実へと思考を戻した。
やれやれまったく。
いい加減に落ち着こうぜチェリーボーイ。
俺は、ふぅ、と大きく一度、深呼吸をして気持ちを落ち着けようとした――のだが。
ふと目の前にベッドがあることを、改めて意識してしまった。
ここは優香の部屋だから、つまり優香が普段寝ているであろうベッドだ。
淡いピンク色のシーツと、お揃いのピンク色の掛布団カバー。
枕もとには小さな子猫のぬいぐるみが置いてあって、何もかもがとても女の子らしい。
「優香のベッドか……」
優香が夜、ここで寝ているのだ。
さっきまではなんてことはなかったのに、一度そうと意識してしまうと、なんとも目が離せなくなってしまうから不思議だ。
視線がベッドにくぎ付けになってしまい、落ち着きかけていた心臓の鼓動が再びドキドキと高鳴り始める。
カチコチと寸分たがわずに時を刻む、勤勉な壁掛け時計の秒針の音が、妙に大きく聞こえる。
ごくり、と喉がなった。
もちろん勝手にベッドに上がったり、掛布団にくるまったり、枕に顔をうずめて匂いをかいだりはしないぞ?
人間、やっていいことと悪いことがある。
だがしかし、それでも。
今は誰もいないから敢えて言わせて欲しい。
「好意を抱いた女の子の部屋に入って、そんな簡単に落ちつける男子高校生なんていないから! ベッドの存在とかが超々、超絶気になっちゃうから! 気になってしょうがないから! 意識するなとか、それもう無理寄りの無理だから!!」
俺は間違っても優香に聞こえないように小声で、だけど魂からの叫び声をあげたのだった。
俺はいろいろと探検とか体験とかしてみたくなる年頃の男心と下世話な好奇心を押し殺すと、優香が置いてくれたクッションに座り、英語の教科書を開いた。
そうだぞ蒼太、今日は勉強をしに来たんだからな。
「とりあえず英単語の確認でもしておくか。何かに集中していないと余計なことばかり考えちゃうし」
悶々とする己の心と葛藤しながらも、しばらくの間、教科書の頭から読んでいきながら、テストに出そうな英単語をチェックしていると、
「お待たせ~。ごめんね、遅くなっちゃって」
優香がお盆に紅茶と可愛らしい小さな焼き菓子――あれはマカロンっていうんだっけか?――を載せて持って戻って来た。
優香が部屋から去り、一人になった俺は小さくため息をついた。
さっきはなんとかやりすごしたけれど、胸の奥にまだ小さなドキドキが残っているのが感じられる。
「新婚さんか……優香と新婚さん……」
頑張ってローンを組んで購入したマイホームに帰ったら、結婚したばかりの新妻・優香が可愛らしいピンクのエプロン姿で出迎えてくれて、きっとお味噌汁でも作っているのだろう、右手におたまを持ちながら、
『蒼太くんお帰りなさい♪ お仕事お疲れ様♪ ご飯にする? 先にお風呂に入る? それとも……わ・た・し? きゃっ!』
なんて笑顔で言ってくれる状況を、つい妄想してしまう。
「優香に笑顔で出迎えてもらえたら、仕事の疲れも嫌なことも何もかも全部、吹っ飛んじゃうだろうな。もはやそれだけで人生勝ち組だよ……って、いやいや。俺は何を痛々しい妄想をしているんだ」
そこまで考えたところで、思考が妙な方向に流れかけていたことに気付き、俺は慌てて首を振って現実へと思考を戻した。
やれやれまったく。
いい加減に落ち着こうぜチェリーボーイ。
俺は、ふぅ、と大きく一度、深呼吸をして気持ちを落ち着けようとした――のだが。
ふと目の前にベッドがあることを、改めて意識してしまった。
ここは優香の部屋だから、つまり優香が普段寝ているであろうベッドだ。
淡いピンク色のシーツと、お揃いのピンク色の掛布団カバー。
枕もとには小さな子猫のぬいぐるみが置いてあって、何もかもがとても女の子らしい。
「優香のベッドか……」
優香が夜、ここで寝ているのだ。
さっきまではなんてことはなかったのに、一度そうと意識してしまうと、なんとも目が離せなくなってしまうから不思議だ。
視線がベッドにくぎ付けになってしまい、落ち着きかけていた心臓の鼓動が再びドキドキと高鳴り始める。
カチコチと寸分たがわずに時を刻む、勤勉な壁掛け時計の秒針の音が、妙に大きく聞こえる。
ごくり、と喉がなった。
もちろん勝手にベッドに上がったり、掛布団にくるまったり、枕に顔をうずめて匂いをかいだりはしないぞ?
人間、やっていいことと悪いことがある。
だがしかし、それでも。
今は誰もいないから敢えて言わせて欲しい。
「好意を抱いた女の子の部屋に入って、そんな簡単に落ちつける男子高校生なんていないから! ベッドの存在とかが超々、超絶気になっちゃうから! 気になってしょうがないから! 意識するなとか、それもう無理寄りの無理だから!!」
俺は間違っても優香に聞こえないように小声で、だけど魂からの叫び声をあげたのだった。
俺はいろいろと探検とか体験とかしてみたくなる年頃の男心と下世話な好奇心を押し殺すと、優香が置いてくれたクッションに座り、英語の教科書を開いた。
そうだぞ蒼太、今日は勉強をしに来たんだからな。
「とりあえず英単語の確認でもしておくか。何かに集中していないと余計なことばかり考えちゃうし」
悶々とする己の心と葛藤しながらも、しばらくの間、教科書の頭から読んでいきながら、テストに出そうな英単語をチェックしていると、
「お待たせ~。ごめんね、遅くなっちゃって」
優香がお盆に紅茶と可愛らしい小さな焼き菓子――あれはマカロンっていうんだっけか?――を載せて持って戻って来た。
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