一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第4章 プールデート
第57話 蒼太、優香をナンパするイケメン医大生を撃退す。
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俺が美月ちゃんの手を引き引きプールサイドを歩いていくと、すぐに優香は見つかった。
見つかったんだけど――。
「おねーちゃん、ジュースを持ったまま男の人とお話をしています?」
美月ちゃんの言葉の通り、優香はチャラそうな大学生くらいの男二人組と話していた。
話していたっていうか、絡まれていたっていうか。
「あれはナンパだな」
それもかなり強引にナンパをされているようだ。
優香は2人のチャラ男に行く手を阻まれて、不安そうな顔で立ち往生していた。
くそっ、しまったな。
優香は学園のアイドルと言われるほどに可愛いんだ。
しかも今日は大人っぽい紐ビキニ水着を着ているときた。
そんな優香を1人にしたら、こうなることは簡単に想像できたはずなのに。
「ナンパって、お船が台風とかで動けなくなったり沈んだりすることですよね?」
「さすが美月ちゃん、難しい言葉をよく知ってるな、偉いぞ」
「この前、漁師さんのご本をお姉ちゃんと一緒に読んだんです。ナンパはすごく怖いんです。力自慢の海の男も、嵐の日は絶対に海に出ちゃいけないんです」
「なるほどな。でもこれはそれとはちょっと違うナンパで、あいつらは優香を彼女にしようと企んでいるんだ」
「彼女ですか? おねーちゃんは蒼太おにーちゃんの彼女になるんじゃないんですか?」
「うーん、それはちょっとまだ俺には何とも言えないんだけど。まぁ今はそれはおいといて、優香が困ってるみたいだからすぐに助けに行かないと」
「わかりました!」
俺は美月ちゃんと一緒に優香の元へ早歩きで――プールサイドは走っちゃいけないので――急行した。
「優香、どうしたんだ?」
「あ、蒼太くん」
俺を見た途端に、優香が心底安心したような顔になる。
知らない男たちにナンパされて、すごく不安だったんだろうな。
しかし俺が優香と話していると、ナンパ野郎2人組が俺に向き直って、値踏みするようなぶしつけな視線を向けてきた。
「なに、お前?」
「俺ら今この子とお話し中なんだけど?」
半笑いだけど目は全然笑っていない顔で言われ、一瞬ビクッとしそうになるが、腹にグッと力を入れて堪える。
俺は体育館裏で先輩たちに絡まれた時に、優香が毅然と立ち向かって助けてくれたことを思い出していた。
こんなやつらにビビッてなるものかと。
今度は俺が優香を助ける番だと。
俺は強い決意を胸に秘めて、しっかと男たちの顔を見据えた。
すると――、
「あれ、あんた――」
ナンパ野郎2人組の片方の男は、見たことのある顔だった。
元カノの葛谷とラブホから出てきた、あのいけ好かないイケメン医大生だ。
なんだよこいつ。
今度は優香をナンパとかマジで節操なさすぎだろ。
そもそもお前、許嫁がいるんだろ?
ちゃんとその子を大切にしてやれよな。
「あ? なに見てんだよ? つーか、この子は今から俺らと遊ぶんだ。邪魔しないでくれるか? ほら、とっととどっかいってくれない?」
しかしこいつは俺のことを全く覚えていないようだった。
俺みたいなモブ男は、完全にアウトオブ眼中ってことなんだろうな。
俺は「優香の友達」だと言おうとして、
「俺はその子の彼氏だよ。今日は彼女の妹と3人で遊びに来てるんだけど、ジュースを買いに行ったまま戻らないから心配で迎えに来たんだ。あんたたち、俺の彼女に何か用なのか?」
俺はあえて「友達」ではなく「彼女」と言った。
単なる「友達」では、こいつらを追い払うには弱いと思ったから。
勝手に彼氏を名乗ったことについては、後でいくらでも謝ればいい。
まずはこのチャラいナンパ野郎2人組を追い払うことが先決だ。
「彼女? ははっ、おまえの? 笑わせるなよ」
鼻で笑ってくるイケメン医大生を、
「ああ、そうだが?」
俺は真正面から受けて立つ。
あの時の借りを返すってわけじゃないが、根っからのクズみたいなこいつに対して思うところがないわけでもない。
何よりさっきの不安そうな優香の顔を思い出すだけで、俺の中にはこいつにだけは絶対に負けられないという強い気持ちが、無限に湧き上がってくる。
俺は「彼氏らしい」強い視線と態度でもって、イケメン医大生の俺を見下すような視線を迎え撃った――!
「……」
「……」
俺とイケメン医大生はしばらく無言でにらみ合った後、
「ちっ、男連れかよ。行くぜ」
「お、おう」
「くそっ、最近上手くいかないことばっかでムカつくな……」
「落ちつけってば。人生そういう時もあるって」
イケメン医大生は踵を返すと、連れの男と一緒に俺たちから離れて行った。
見つかったんだけど――。
「おねーちゃん、ジュースを持ったまま男の人とお話をしています?」
美月ちゃんの言葉の通り、優香はチャラそうな大学生くらいの男二人組と話していた。
話していたっていうか、絡まれていたっていうか。
「あれはナンパだな」
それもかなり強引にナンパをされているようだ。
優香は2人のチャラ男に行く手を阻まれて、不安そうな顔で立ち往生していた。
くそっ、しまったな。
優香は学園のアイドルと言われるほどに可愛いんだ。
しかも今日は大人っぽい紐ビキニ水着を着ているときた。
そんな優香を1人にしたら、こうなることは簡単に想像できたはずなのに。
「ナンパって、お船が台風とかで動けなくなったり沈んだりすることですよね?」
「さすが美月ちゃん、難しい言葉をよく知ってるな、偉いぞ」
「この前、漁師さんのご本をお姉ちゃんと一緒に読んだんです。ナンパはすごく怖いんです。力自慢の海の男も、嵐の日は絶対に海に出ちゃいけないんです」
「なるほどな。でもこれはそれとはちょっと違うナンパで、あいつらは優香を彼女にしようと企んでいるんだ」
「彼女ですか? おねーちゃんは蒼太おにーちゃんの彼女になるんじゃないんですか?」
「うーん、それはちょっとまだ俺には何とも言えないんだけど。まぁ今はそれはおいといて、優香が困ってるみたいだからすぐに助けに行かないと」
「わかりました!」
俺は美月ちゃんと一緒に優香の元へ早歩きで――プールサイドは走っちゃいけないので――急行した。
「優香、どうしたんだ?」
「あ、蒼太くん」
俺を見た途端に、優香が心底安心したような顔になる。
知らない男たちにナンパされて、すごく不安だったんだろうな。
しかし俺が優香と話していると、ナンパ野郎2人組が俺に向き直って、値踏みするようなぶしつけな視線を向けてきた。
「なに、お前?」
「俺ら今この子とお話し中なんだけど?」
半笑いだけど目は全然笑っていない顔で言われ、一瞬ビクッとしそうになるが、腹にグッと力を入れて堪える。
俺は体育館裏で先輩たちに絡まれた時に、優香が毅然と立ち向かって助けてくれたことを思い出していた。
こんなやつらにビビッてなるものかと。
今度は俺が優香を助ける番だと。
俺は強い決意を胸に秘めて、しっかと男たちの顔を見据えた。
すると――、
「あれ、あんた――」
ナンパ野郎2人組の片方の男は、見たことのある顔だった。
元カノの葛谷とラブホから出てきた、あのいけ好かないイケメン医大生だ。
なんだよこいつ。
今度は優香をナンパとかマジで節操なさすぎだろ。
そもそもお前、許嫁がいるんだろ?
ちゃんとその子を大切にしてやれよな。
「あ? なに見てんだよ? つーか、この子は今から俺らと遊ぶんだ。邪魔しないでくれるか? ほら、とっととどっかいってくれない?」
しかしこいつは俺のことを全く覚えていないようだった。
俺みたいなモブ男は、完全にアウトオブ眼中ってことなんだろうな。
俺は「優香の友達」だと言おうとして、
「俺はその子の彼氏だよ。今日は彼女の妹と3人で遊びに来てるんだけど、ジュースを買いに行ったまま戻らないから心配で迎えに来たんだ。あんたたち、俺の彼女に何か用なのか?」
俺はあえて「友達」ではなく「彼女」と言った。
単なる「友達」では、こいつらを追い払うには弱いと思ったから。
勝手に彼氏を名乗ったことについては、後でいくらでも謝ればいい。
まずはこのチャラいナンパ野郎2人組を追い払うことが先決だ。
「彼女? ははっ、おまえの? 笑わせるなよ」
鼻で笑ってくるイケメン医大生を、
「ああ、そうだが?」
俺は真正面から受けて立つ。
あの時の借りを返すってわけじゃないが、根っからのクズみたいなこいつに対して思うところがないわけでもない。
何よりさっきの不安そうな優香の顔を思い出すだけで、俺の中にはこいつにだけは絶対に負けられないという強い気持ちが、無限に湧き上がってくる。
俺は「彼氏らしい」強い視線と態度でもって、イケメン医大生の俺を見下すような視線を迎え撃った――!
「……」
「……」
俺とイケメン医大生はしばらく無言でにらみ合った後、
「ちっ、男連れかよ。行くぜ」
「お、おう」
「くそっ、最近上手くいかないことばっかでムカつくな……」
「落ちつけってば。人生そういう時もあるって」
イケメン医大生は踵を返すと、連れの男と一緒に俺たちから離れて行った。
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