一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
文字の大きさ
大中小
56 / 175
第4章 プールデート
第56話「今日から美月ちゃんはバタ足マイスターだ」
しおりを挟む
◆
バタバタバタバタッ!
「そうそう、その調子、その調子! いいぞ!」
バタ足をする美月ちゃんの両手を軽く引いて後ろに下がりながら、俺は声援を送る。
バタバタバタバタバタッ!
「美月、あと5メートルくらいだよ♪ ファイトー♪」
美月ちゃんのすぐ横を並んで歩きながら、同じように声援を送っている優香。
大人向けと比べて水深が少しだけ浅くなっている子供用プールで、練習を始めてから休憩を何度か挟みつつ、早1時間半。
元々覚えがいいっていうのもあるんだろう。
最初は使っていたビート板(レンタル)も今はまったく使わずに、俺も軽く添えるような感じで手を引くだけ。
美月ちゃんは、もうすっかりバタ足のコツを掴んだようだった。
「ほい、端まで来たぞ。お疲れさん」
「ぷはぁ! どうでしたか?」
泳ぎ終わった美月ちゃんは、顔を上げるとすぐに俺に出来栄えを尋ねてきた。
「バタ足はもう完璧だな」
「ほんとですか?」
「息継ぎも上手になったし、もう言うことなしだ。100点満点、今日から美月ちゃんはバタ足マイスターだ」
「やったぁ!」
俺の言葉に、両手をグーにして可愛らしく突き上げた美月ちゃん。
「お疲れさま美月。よく頑張ったわね」
「えへへ、はいっ!」
「とりあえずこれで今日の目的はクリアかな?」
「蒼太おにーちゃん、教えてくれてありがとうございました! おねーちゃんもありがとう!」
「どういたしまして。じゃあここからは楽しく遊ぶか」
せっかくだしクロールの手の動きなんかも教えてあげたい気持ちはなくもないんだけれど。
まだまだ小さい美月ちゃんに、あんまり一気に詰め込むのはどうかと思うんだよな。
「美月、流れるプールに行きたいです!」
「いいぞー。流れるプールって妙に楽しいもんな」
「教えてもらったバタバタで、流れに逆らおうと思います」
「あはは、他のお客さんの迷惑にならない程度にな」
そうは言いつつも、その気持ちはよく分かるぞ美月ちゃん。
俺も小さい頃によくやったよ。
流れるプールに逆らって泳ぐのは、生物学的本能に訴えかけてくるなにかがあるよな。
「ねぇ美月。結構泳いだけど、美月はのどは渇いてない?」
と、そこで優香がそんなことを尋ねてきた。
「あ、少しのどが渇いてるかもです」
「一生懸命頑張ったもんな」
ならジュースでも買ってくるよ――と言いかけた俺よりも先に、
「じゃあ私が売店で3人分の飲み物を買ってくるわね。蒼太くんはそのまま美月と遊んでいてくれる? 飲んだら流れるプールに行きましょう」
「使いっぱしりくらい俺が行ってくるぞ」
「いいからいいから。蒼太くんもずっと付きっきりだったから、疲れてるでしょ? 私が買ってくるから、蒼太くんは美月と一緒にゆっくりしてて」
「そうまで言うなら優香に任せようかな。サンキューな優香」
「いえいえどういたしまして。2人とも飲み物はなんにする?」
「美月、オレンジジュースが飲みたいです! 炭酸じゃないのがいいです!」
「俺はスポドリ系なら何でもいいかな」
「炭酸の入っていないオレンジジュースとスポーツドリンクね。じゃあすぐに買って戻ってくるから。そこのベンチで水分補給もかねて休憩しましょう」
「了解」
「おねーちゃん、プールサイドは走っちゃダメですからね」
「はいはい、分かってます」
苦笑する優香を送り出すと、俺は美月ちゃんと水の掛け合いをしたり、バタ足の復習をしたりと、優香が戻ってくるまで遊んでいたんだけど――。
…………
……
施設内に設置された大時計に視線を向けると、優香が飲み物を買いに行ってから既に20分が経過していた。
「優香、やけに戻ってくるのが遅いな?」
更衣室にお金を取りに行く時間が必要だったにしても、ちょっと遅すぎる。
「お店が混んでいるんでしょうか?」
「人は増えてきたけど、そこまで混むほどとは思えないんだけどな」
水着だけで十分なほどに温かい室内温水プールとはいえ、時期的にはまだまだ泳ぎたいって思うような時期ではない。
多くの人でごった返す夏本番の混み混みなプールとは雲泥の差だ。
「おねーちゃんになにかあったんでしょうか……?」
俺の言葉に、美月ちゃんが不安そうな顔を見せる。
くそっ、しまった。
馬鹿か俺は。
美月ちゃんに余計な心配をさせてどうするんだ。
「ぜんぜん何もないと思うんだけど、念のために一応様子を見にいってみるか」
俺は美月ちゃんを安心させるべく「何もない」をことさらに強調して言いつつプールから上がると、美月ちゃんと手を繋いで売店のあるエリアへと向かった。
バタバタバタバタッ!
「そうそう、その調子、その調子! いいぞ!」
バタ足をする美月ちゃんの両手を軽く引いて後ろに下がりながら、俺は声援を送る。
バタバタバタバタバタッ!
「美月、あと5メートルくらいだよ♪ ファイトー♪」
美月ちゃんのすぐ横を並んで歩きながら、同じように声援を送っている優香。
大人向けと比べて水深が少しだけ浅くなっている子供用プールで、練習を始めてから休憩を何度か挟みつつ、早1時間半。
元々覚えがいいっていうのもあるんだろう。
最初は使っていたビート板(レンタル)も今はまったく使わずに、俺も軽く添えるような感じで手を引くだけ。
美月ちゃんは、もうすっかりバタ足のコツを掴んだようだった。
「ほい、端まで来たぞ。お疲れさん」
「ぷはぁ! どうでしたか?」
泳ぎ終わった美月ちゃんは、顔を上げるとすぐに俺に出来栄えを尋ねてきた。
「バタ足はもう完璧だな」
「ほんとですか?」
「息継ぎも上手になったし、もう言うことなしだ。100点満点、今日から美月ちゃんはバタ足マイスターだ」
「やったぁ!」
俺の言葉に、両手をグーにして可愛らしく突き上げた美月ちゃん。
「お疲れさま美月。よく頑張ったわね」
「えへへ、はいっ!」
「とりあえずこれで今日の目的はクリアかな?」
「蒼太おにーちゃん、教えてくれてありがとうございました! おねーちゃんもありがとう!」
「どういたしまして。じゃあここからは楽しく遊ぶか」
せっかくだしクロールの手の動きなんかも教えてあげたい気持ちはなくもないんだけれど。
まだまだ小さい美月ちゃんに、あんまり一気に詰め込むのはどうかと思うんだよな。
「美月、流れるプールに行きたいです!」
「いいぞー。流れるプールって妙に楽しいもんな」
「教えてもらったバタバタで、流れに逆らおうと思います」
「あはは、他のお客さんの迷惑にならない程度にな」
そうは言いつつも、その気持ちはよく分かるぞ美月ちゃん。
俺も小さい頃によくやったよ。
流れるプールに逆らって泳ぐのは、生物学的本能に訴えかけてくるなにかがあるよな。
「ねぇ美月。結構泳いだけど、美月はのどは渇いてない?」
と、そこで優香がそんなことを尋ねてきた。
「あ、少しのどが渇いてるかもです」
「一生懸命頑張ったもんな」
ならジュースでも買ってくるよ――と言いかけた俺よりも先に、
「じゃあ私が売店で3人分の飲み物を買ってくるわね。蒼太くんはそのまま美月と遊んでいてくれる? 飲んだら流れるプールに行きましょう」
「使いっぱしりくらい俺が行ってくるぞ」
「いいからいいから。蒼太くんもずっと付きっきりだったから、疲れてるでしょ? 私が買ってくるから、蒼太くんは美月と一緒にゆっくりしてて」
「そうまで言うなら優香に任せようかな。サンキューな優香」
「いえいえどういたしまして。2人とも飲み物はなんにする?」
「美月、オレンジジュースが飲みたいです! 炭酸じゃないのがいいです!」
「俺はスポドリ系なら何でもいいかな」
「炭酸の入っていないオレンジジュースとスポーツドリンクね。じゃあすぐに買って戻ってくるから。そこのベンチで水分補給もかねて休憩しましょう」
「了解」
「おねーちゃん、プールサイドは走っちゃダメですからね」
「はいはい、分かってます」
苦笑する優香を送り出すと、俺は美月ちゃんと水の掛け合いをしたり、バタ足の復習をしたりと、優香が戻ってくるまで遊んでいたんだけど――。
…………
……
施設内に設置された大時計に視線を向けると、優香が飲み物を買いに行ってから既に20分が経過していた。
「優香、やけに戻ってくるのが遅いな?」
更衣室にお金を取りに行く時間が必要だったにしても、ちょっと遅すぎる。
「お店が混んでいるんでしょうか?」
「人は増えてきたけど、そこまで混むほどとは思えないんだけどな」
水着だけで十分なほどに温かい室内温水プールとはいえ、時期的にはまだまだ泳ぎたいって思うような時期ではない。
多くの人でごった返す夏本番の混み混みなプールとは雲泥の差だ。
「おねーちゃんになにかあったんでしょうか……?」
俺の言葉に、美月ちゃんが不安そうな顔を見せる。
くそっ、しまった。
馬鹿か俺は。
美月ちゃんに余計な心配をさせてどうするんだ。
「ぜんぜん何もないと思うんだけど、念のために一応様子を見にいってみるか」
俺は美月ちゃんを安心させるべく「何もない」をことさらに強調して言いつつプールから上がると、美月ちゃんと手を繋いで売店のあるエリアへと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる